コガタペンギンとはペンギン目ペンギン科コガタペンギン属のペンギンの仲間である。別名、フェアリーペンギン、リトルペンギン、ブルーペンギン、コビトペンギン、小ペンギンとも呼ばれている。学名は「Eudyptula minor」で、「minor」は小型という意味。
オーストラリア南部やタスマニア島・ニュージーランドとその付近の島と、割と温かい海域に生息している。シドニーやメルボルンといった大都市近郊の海岸にも姿を見せ、海近くの民家の軒下に巣を作るケースもある。オーストラリア大陸で見られる唯一のペンギン。
名前通り、体長は40cm前後・体重は1㎏~1.1㎏と、ペンギンの仲間の中では最小種。現在最大のペンギンであるコウテイペンギンの3分の1程度しかない。
何種科の亜種が存在しており、ニュージーランドとオーストラリアでは種類が異なることもある。特に、ニュージーランド付近に生息しているのは独立種のハネジロペンギンとして扱われる。
コガタペンギンとハネジロペンギンの違いは、フリッパー(ペンギンの翼)のキワの色。コガタペンギンは後ろ側だけが白くなっているが、ハネジロペンギンは前後が白くなっている。
小さくて愛らしい外見だが、顔つきは意外と凶暴で性格も攻撃的。早朝から海に移動し、夜間に陸上で活動する。
身体の色は、青っぽい灰色や青っぽい黒色をしており、お腹は白い。これといった模様もなく、飾り羽もない。また、身体の色のどこかが黄色いという事も・嘴の付け根が皮膚の色であるピンク色という事もない。雛の羽毛は黒ずんだ茶色と白色の腹。
歩行姿勢は直立ではなく、昭和時代のテンプレ的不良の如き、やや前かがみで移動する。この特徴から、現在生息するペンギンの中で最も原始的で祖先の体型に近いと目されている(ペンギンの直立姿勢は潜水し易いように進化した結果)。
夫婦の絆は強いようで、常に一緒に生活し子育ても協力して行う。人間と同じく1年中いつでも繁殖が可能。コロニー毎に繁殖時期は異なる。産卵は10月が一番多い。一度の出産で2個のタマゴを産み落とす。33日~39日くらいの抱卵で孵化する。
巣は海辺沿いの草地・灌木・藪の中や岩の下・民家・小屋の軒下に穴を掘って作る。縄張り意識は強く、巣に近付く相手には威嚇と直接攻撃を仕掛けてくる。
雛は孵化から7~10日は親鳥が覆いかぶさりながらの世話を受け、13~20日間は両親は雛の傍に居て守る。その間は夫婦で交代しながらエサ取りを行う。雛が成長すると両親総出でエサを取りに海に出かけ夜まで帰って来なくなり、雛は巣でじっと身を潜める。クレイシは形成しないか、しても小規模。孵化してから50~60日で巣立ちとなり、海に出た若鳥は分散して長い旅を行い、最大で1000㎞以上もの海上移動の末に、2~3年後に上陸して繁殖活動に入る。一方で成鳥となると自分が属するコロニーや巣を中心とした範囲内で暮らすようになる。野生での最高寿命は17歳ほど。
小さい故か、天敵も多い。海ではカモメやウミワシ、サメやニュージーランドアシカ、さらには人間が持ち込んだ動物であるキツネやイヌ、イタチやネコが陸上に待ち構えている。他のペンギン同様、小さい魚やタコ、イカなどを食べる。早朝に海へ出てエサを食べ、日没とともに陸にある巣へと返ってくる。何匹も連なって歩き、夕方に上陸する際は「ラフト」という集団を結成して夜になってから一緒に上がる。人間などお構いなしにペタペタと行進する。
オーストラリアのメルボルン付近にある島のフィリップ島では、日没後にペンギンたちが陸へと戻る、通称「ペンギンパレード」を見ることができる。これは観光客に人気で、ペンギン好きたちが集まる場所でもある。
日本では、長崎ペンギン水族館や八景島シーパラダイス、葛西臨海公園などで観ることができる。
元々は「コビトペンギン」という和名で呼ばれていた。後にこの名称が差別用語であるとして改名運動が起こり、現在は「コガタペンギン」と呼ばれる事が大多数となった。
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最終更新:2024/04/25(木) 15:00
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