スルガ銀行とは (スルガギンコウとは) [単語記事]

スルガ銀行（Sur uga Bank Ltd.）とは、日本の地方銀行である。

統一金融機関コードは0150。SWIFT コード（国際銀行間通信協会コード）はSR FX JP JT。

概要

主に静岡県と神奈川県を営業エリアとしているが、五大都市圏に支店を持ち、ネットバンキングは全国展開しているため、地方銀行ながら全国的な知名度を持つ。

様々なサービスを次々と打ち出した先進的な銀行の一つ。特にネットバンキングは業界内でも先駆けて行われたものであり、その他の奇抜な施策（生体認証の導入等）と合わせて個性的な経営戦略が目を引く。

日本においてまだデビットカード黎明期だった頃の2006年頃に参入しVISAデビットの発行をスタートしている。日本におけるデビットカード発行の先駆けとなった金融機関の一つであり、また、VISA ブランドのデビットとしても老舗の一つである。なお、クレジットカードと異なりデビットカードは基本的に審査がないことが多いが、この銀行は例外で独自の審査を設けている。

近年は立て続けに不祥事を起こしており、スルガ銀行の信頼性が問われている。

ニコニコとの関係

niconicoでは2018年3月まで、三井住友カードと連携して「ニコニコ三井住友VISAカード」というクレジットカードを発行していた。（現在は発行を終了している）

しかしこれに先立つこと数十年、1970年代後半から2011年ころまでのあいだ、消費者金融業者の丸和商事が「ニコニコクレジット」のブランド名で営業を行っていた。

チンパンジーがたばこをふかすCMを流したり、竹中直人をイメージキャラクターに据えるプロモーションなどを行っていたが、2011年に民事再生法の適用を申請、翌年にはスルガ銀行の完全子会社となり、社名及びブランド名を「ダイレクトワン」に変更した。

結局ニコニコ動画とニコニコクレジットでコラボもとい提携が行われることはなかったわけだが、前述したアクの強いCMはニコニコ動画にも転載されており閲覧が可能。

なお「ニコニコ三井住友VISAカード」の受付に際してドワンゴが「ニコニコクレジット」の権利者であるはずのスルガ銀行へ伺いを立てたかについては謎である。（そもそもこのことを運営が知っていたかも不確かだが、SM CCからVJAを経由するなどして伺っていたらスルガ銀行のカードとして発行されたのかもしれない）

問題・事件

かぼちゃの馬車事件

スルガ銀行が多数の不動産投資家に対し、不動産販売会社と結託して不正に多額の融資を実行した事件。

「かぼちゃの馬車」のブランドで女性向けシェアハウスのサブリース（不動産転貸）事業を行っていた株式会社スマートデイズは、主催するセミナーで「長期の賃料収入を保証」「空室の有無に関わらず家賃が支払われる」などの謳い文句でオーナーを集め、自社の物件をオーナーらに売ってその場で一棟まるまる借り上げ、女性向けシェアハウスとして入居者を募るという手法で賃貸経営を行っていた。

この際にスマートデイズはオーナーらに対し、シェアハウス購入の資金調達先としてスルガ銀行を紹介、スルガ銀行も「絶対に返せる」などと煽ってオーナーらに多額の融資を行った。

スマートデイズの商品は一棟あたり数億円程度する高額なもので、通常であればこのような高額な融資を実行するには経済的な厳しい基準がある。しかしスルガ銀行は基準に満たないオーナーの預金通帳を改竄し、残高や年収の水増しを行い、そればかりか融資を渋る審査部門を営業部門が恫喝するなどの不正も行われ、結果として多くの融資が実行された。

のちシェアハウスは入居率が低迷、2017年以降は家賃の減額が行われ、2018年1月には完全に支払いが滞り、遂には同年4月にスマートデイズが破産、このことによってオーナーらの返済が困難になり、莫大な債権が焦げ付いたことで社会問題となった。

貸出拡大を急ぐあまり、結果として700名に上る被害者を出したこの事件。スルガ銀行の多くの行員がこの不正のことを知っていたとする社内調査も出されたが、一連の事件でのスルガ銀行の不誠実な対応や態度には多くの非難の目が向けられた。

定期預金を無断で解約

スルガ銀行の40代の行員が2015年から2018年6月までの間、3人の顧客の定期預金（合計1億6500万円）を無断で解約し、担当している取引先への融資金として流用していた事件。

顧客からの問い合わせで発覚し、この行員は2018年8月に懲戒解雇された。しかし上述の事件でコンプライアンスが取り沙汰されたばかりの時に発覚したこの事件によって、ネットには多くの落胆の声が上がり、顧客流出が噂されるなどした。

暴力団組員に融資

2018年8月、2010年度にスルガ銀行が住宅取得費として融資を実行した相手に、指定暴力団組員がいた疑いがあることが発覚。上述した度重なる不祥事で晒したガバガバガバナンスがまだまだ序の口だったことが明らかになり、さながら王者の貫禄を見せつけた。

やはり貸出拡大を優先するあまり審査がザルになっていた影響がここにも出ており、長年にわたる反社会勢力との関係までも表面化する事態に。

以前にはみずほ銀行が暴力団関係者に融資をしたことが発覚して大問題になったが、その時の教訓は生かされなかった。というよりもあの事件があったのにも関わらず、ずっと爆弾を寝かせていた格好に。今回のことが報道されてた時も前回事件が発覚してからほとんど日を経ていなかったため、Twitterなど一部SNSでは「またスルガか」の声が多く聞かれる始末。年初に2500円台をつけていた株価も今や700円代まで暴落しまっている。