AN602(露:АН602)とは、ソビエト連邦(現:ロシア)が開発した史上最大の水素爆弾である。
RDS-220(露:РДС-220)、RDS-202(露:РДС-202)、RN202(露:РН202)とも。開発コードネームはイワン(イヴァーン、露:Иван)。
現在では、当時の西側諸国が名付けた俗称「ツァーリ・ボンバ」(露:Царь-бомба、英:Tsar Bomba、皇帝爆弾)で知られている。
1954年から1961年にかけてソ連が開発した史上最大の水素爆弾。核出力はTNT換算で50メガトンと、広島に落とされた原子爆弾リトルボーイの3300倍であり、現在までに開発された核兵器の中では最も出力が大きい。
1961年10月30日にノヴァヤゼムリャにて核実験を実施。ツポレフTu-95V爆撃機に搭載され、午前11時32分に高度10,500mで投下、高度4,000m(海抜4,200m)で爆発。火球直径は2.3km、キノコ雲は直径40kmに広がり、高度60kmまで達した。一次放射線による殺傷範囲は半径6.6km、爆風による殺傷範囲は半径23km、熱線による殺傷範囲は半径58kmに及び、衝撃波は地球を3周するという記録を残している。
ちなみにグーグルアースで、爆心地周辺を検索すると、未だにその影響が確認できるので興味がある人は
一度検索する事をお勧めする。
参考までに、東京駅上空に直撃させたとすると、江戸川区から杉並区まで跡形もなく吹き飛び、爆風や熱線は八王子市、深谷市、小山市、成田市、木更津市、横須賀市まで届き、一回の爆発で首都圏を壊滅させられる威力を誇る。
本来の設計では、核分裂→核融合→核分裂という三段階の反応により核出力100メガトンを実現する多段階水爆(Staged Radiation Implosion Bomb)の一種の3F爆弾(水爆の主流作動方式)であった。しかし、100メガトン級の爆発ともなればソ連領内の人口密集地へ多量の放射性降下物(死の灰)が降ってくる事が予想されたため、実際の実験にあたっては第三段階のウラン238の核分裂を抑えるようにタンパーが鉛に変更され、出力は約50メガトンに抑制された。この結果、放出する放射性物質の量はその出力の割にはかなり小規模なものとなった。
この時代、米ソ両国は盛んに水爆の威力を競い合った。理由のひとつは国力の誇示。このツァーリ・ボンバも実験の日時を党大会直前にあわせ、実験場所や威力をあらかじめ公開するという異例の措置をとったことにより国力の誇示を示したのである。もうひとつの理由は当時、偵察衛星などが技術が発達していなかったため核兵器の目標となる地点の特定が曖昧になってしまっていた。そこで「目標の特定ができないなら、強力な爆弾で周囲のものごと吹き飛ばしてしまえ!」…という乱暴な論理で米ソはより強力な水爆を作ったのである。
だが、水爆の威力の強化にも限度があった。最大の理由はそのサイズ。ツァーリ・ボンバの装重量は27トン。当時のソ連にはこれを打ち上げるためのICBMをつくる技術はなかった(開発はしていたようだ。これは後に重量級衛星打ち上げロケットのプロトンになった)。これがソ連が実験内容を公開した第二の理由。ツァーリ・ボンバは国力の誇示以外に使い道のない非実用的な兵器だったのである。
やがて偵察衛星の発達と核弾頭の命中率の強化により強力な水爆を作る必要は薄れ、また目標を広範囲に破壊する手段も多弾頭ICBMが開発されたことで小型の弾頭を多数ばらまく方が効率的だと分かり、米ソの水爆威力の競争も終りを迎えることとなったのである。
こちらの動画は題名がツァーリ・ボンバとなっているが、実際はRDS-37(核出力1.6メガトン)の核実験記録映像である。
掲示板
110 ななしのよっしん
2022/10/23(日) 02:53:20 ID: nx9U0toXqA
リミッターかけないと地軸の角度が狂うおそれがあるからかけたって話を聞いたんだけど本当なんだろうか
111 ななしのよっしん
2022/11/18(金) 00:38:25 ID: +FhgzmtSI7
デカすぎてまず普通の航空機じゃ運べないという
じゃあなんで作ったし…() いや威力ここまで上げられるという技術誇示とかそういう意味ではデカいんだろうけども
112 ななしのよっしん
2024/01/01(月) 21:15:34 ID: vAriNuuh65
仮に実戦投入すれば侵略どころか敵の絶滅しかさせられないからやっぱり無駄。ナチスが先にこさえてユダ公巻き込んで自爆するとこなら見てみたかった
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最終更新:2024/04/25(木) 14:00
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