トゥアハー・デ・ダナンとは、
艦種 | 強襲揚陸潜水艦 |
全長 | 218m |
全幅 | 44m(潜舵除く) |
排水量 | 水上:30,800t 水中:44,000t |
主機 | PS方式パラジウム炉三基 電気駆動/二軸・210,000hp |
最大速力 | 通常推進のみ使用時………30kt 通常推進・EMFC併用時……40kt 超伝導推進・EMFC併用時…65kt+ |
通常武装 | 533mm魚雷発射管×6 多目的垂直ミサイル発射管×10 弾道ミサイル発射管×2 SUBLARS潜水艦発射ロケット・システム Mk48Mod6ADCAP魚雷 アド・ハープーン潜対艦ミサイル トマホーク巡航ミサイル マグロック潜対潜ミサイル ADSLMM自走機雷 |
ミスリル西太平洋戦隊の旗艦にして最大の戦力。艦長は再設計者でもあるテレサ・テスタロッサ大佐、副長は英国海軍出身のリチャード・ヘンリー・マデューカス中佐。
元々はソ連が輸送潜水艦「プロジェクト985」として開発していた艦だったが、90年代初頭に同国で起きた政変と内戦により建造は頓挫。セヴェロドヴィンスクの造船所に放棄されていた所をミスリルが密かにちょろまかし(表向きにはプロジェクト985は正式に建造中止が決定し、北極海まで曳航されて爆破処分されたという事になっている)、ウィスパードであるテレサ・テスタロッサとバニ・モラウタの手により大幅な再設計(実際には一からの新造に近かった)を施され、現在の姿と成った。
潜水艦としては他に類を見ない程の巨大な船体(劇中では横たわる超高層ビルに喩えられた程)を持つ。潜水艦という静粛性・隠密性が何よりも重要になる兵器において、巨体であることは非常に大きなマイナスであるのだが(改装前は「悪ければ初陣で撃沈、良くても拿捕されて終わり」と散々な言われようだった)、二人のウィスパードによって建造当時の世界の技術水準を遙かに上回るブラック・テクノロジーが惜しげも無く注ぎ込まれた為、その巨体がそのまま利点へと変貌を遂げた。
戦闘ヘリやASといった大型兵器を多数収容可能かつ、それらを搭載したまま世界中のありとあらゆる所へ何者にも探知されることなく移動でき、必要な戦闘行動を達成したら追跡不可能な速度で即座に撤収可能と、まさに潜水艦の常識を根底から覆す超兵器といっても過言ではない。最大戦速65ktは、約120km/hと艦船としても桁外れの速力を有し、就役から数年が経った現在でも各国の最新鋭艦を圧倒する常識外れな性能を誇る。
ちなみに、本艦はミスリル関係者からは専ら「デ・ダナン」や「ダナン」と略称される他、米海軍からは「トイ・ボックス」のコードネームで呼ばれている。型式番号TDD-1は「トゥアハー・デ・ダナン級強襲揚陸潜水艦」の一番艦、ネームシップの意味も持つが二番艦の建造計画は無い。
ミスリル西太平洋戦隊による作戦の多くにはTDDが運用される。そのせいもあってか、TDDは西太平洋戦隊第二の拠点のような扱いをされており、また実際に拠点としての役割を果たすだけの機能やキャパシティも持っている。
以下ネタバレ反転長編七巻「つづくオン・マイ・オウン」でミスリル全戦隊が壊滅的な被害を受けて以来、TDDがほぼ唯一の本格的なミスリル残党の活動拠点になっている。
電磁流体制御装置。「スマート・スキン(賢い肌)」とも呼ばれる。船体表面に無数に配列された超小型の超伝導デバイス群が、フレミングの左手の法則で海水を任意の方向に誘導する。水の抵抗を無くす他、乱流の発生を抑える効果が有る。
他の推進手段を使わずとも、このEMFCだけで水中をほぼ完全無音の状態で前後左右自由に移動する事が出来る(EMFCのみの場合は精々5kt程度の低速ではあるが)。EMFCと各所の推進器をフル活用する事で、(艦体負担はさておき)200mを超す巨体をいきなり横滑りさせるなどの常識外の機動力を発揮できる。
ちなみに、作者曰く、似たような装置は現実にNUWC(米海軍水中戦センター)で研究中との事。
詳しい原理はWikipediaの当該記事を参照。
TDDの超伝導推進はこれの応用技術で、通常魚雷を振り切れる程の高速性能を実現している。
船体尾部に二基備えるスクリュー・プロペラ。十数層の形状記憶合金で出来ており、自艦の速度域に応じて常に最適な形状へと変形する。
これにより、船体が受ける水の抵抗と発生する騒音は最小限に抑えられている。カバーで覆われているので、外から変形は見え難い。通常推進といえば専らこのスクリューによる推進を意味する。
船体中部に大型の物が一対、前部に小型の物が一対備えられている。スクリュー同様、多層形状記憶合金製で、軸となるフレームを中心に、かなり自由に伸びたり縮んだりする事が可能。乱流の抑制とそれによる水の抵抗及び騒音の削減に大きな効果を発揮している。
その外観は「潜舵」と言うより「翼」に近い。
全長70mの飛行甲板。本艦を強襲揚陸潜水艦たらしめている最大の要素でもある。
艦載機の発着艦時には船体前上部の船殻が中心から左右にスライドして姿を現す。二基の蒸気カタパルトが備えられており、ここでヘリやVTOL戦闘機の発着艦が行われる他、XL-2緊急展開ブースターを装備したM9 ガーンズバックやARX-7 アーバレスト等のアーム・スレイブの艦上射出も可能。
直下には大小のエレベーターで繋がれた主格納庫が位置しており、FAV-8スーパー・ハリアー戦闘機やAH-64E戦闘ヘリ、MH-67多目的ヘリ、AS等が収容されている。
主機として三基搭載している常温核融合炉。原子力潜水艦の原子炉と同様に、水を加熱して水蒸気を発生させ、それでタービンを回して電力を得るPS方式を採用している。
この方式はM9等の第三世代型ASが搭載するイージス方式のパラジウム・リアクターと比べ、得られる出力が大きく、余った蒸気を飛行甲板の蒸気カタパルトに利用する事も出来る。
しかし、このPS方式はイージス方式よりサイズと重量が増大してしまう他、10年以上無補給で稼働出来る核分裂式の原子炉と異なり、燃料ペレットを最大まで充填しても八ヶ月程で燃料切れを迎えてしまうという欠点も有る。
艦の頭脳とも言うべき人工知能。その規模は大型哺乳類の中枢神経系に匹敵し、単なる軍艦の制御システムを大きく引き離している。アメリカ軍の通信システムを手玉に取る事さえ可能。
普段は操艦の補助や戦略情報の分析、戦況の考察等を行っているが、非常時には「完全自動モード」を起動して艦長一人で操艦を行う事もできる。しかし、その機能を逆手に取られてまるごと乗っ取られたこともある。
発令所の真下、第三甲板に在る。普段は艦長であるテッサ以外の者が立ち入る事は出来ない。また、一般隊員には何があるかも伏せられており、艦内見取り図にも聖母礼拝堂という呼称以外は知らされていない。
ここにはダーナの心臓部ともいえる中枢コンピュータ室と「TAROS(「Transfer And Response Omni-Sphere」。オムニ・スフィア転移反応)」と呼ばれる装置が安置されており、ウィスパードがこの装置を使うと自分の精神を艦と同化させ、艦の全制御システムを一手に掌握する事が可能。
浮上時に使用する、ECSの展開を行うマスト。高層ビルを横倒しにしたような巨体といわれる船体のため、普通に浮上すればレーダー・目視共に目立つことこの上ないのだが、このマストを伸ばしECSを展開する事で浮上時でも安全に部隊の展開や回収が行える。ただし、不可視モードのECSと同じ弱点として雨天や荒天時は水分により広告塔のように目立ってしまう事が作中で述べられている。
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最終更新:2024/04/23(火) 23:00
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