ニューヨーク市警察 単語

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ニューヨークシケイサツ

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今週のおすすめ この記事は第188回のオススメ記事に選ばれました!
よりニコニコできるような記事に編集していきましょう。
だが犯罪者よ、オメーらはニコニコさせない。たっぷり締め上げてやる。 

ニューヨーク市警察(New York City Police Department、NYPD)とは、アメリカ合衆国ニューヨークが設置する自治体警察である。

概要

ニューヨーク市警察はニューヨーク警察機関で、全一の規模を誇る。職員数は4万人近くであり、その規模は日本警視庁に匹敵する。日本人の感覚における「の部局」とべると、相当大きな組織といえるだろう。かつてニューヨーク警察機関としては公共交通警察(鉄道警察隊のようなもの)などいくつかあったが、組織再編で他の警察機関を吸収して現在の形になった。

かつては「マフィアよりもヤクザ」と言われるほど腐敗した時代もあったが、ルドルフジュリアーニが市長になると治安回復に着手し、その一環として警察革が行われた。不良警官を処分するのと並行し、都市圏交通団(MTA)に設置された鉄道警察や住宅団の住宅警察をNYPDに吸収させ、またCOMPSTATという犯罪統計システムを導入するなどし、合理化および強化を行った。

組織管理

NYPDの管理組織は大別して二つ。警本部と、それを監督する警察委員会である。

ニューヨーク市警察委員会(Police Commission)

日本で言うところの公安委員会。警察運営及び治安政策に関してマネジメントを行う。日本公安委員会と決定的に違うのは、警察委員会は基本的にフルタイムで働くということ。また委員も地元の名誉職なのではなく、具体的な施策を実施しNYPDを管理する。

委員会は委員長1名、副委員長1名の他、各専門分野ごとに担当委員を設置。これは企業で言うと社長、副社長、分野毎の担当取締役のようなもの。日本公安委員とは異なり、警察委員全員に階級章と身分バッジがある。本部長が四ツなのに対し、委員で三ツ、副委員長で四ツ委員長は五ツ

(概念を誤解しているところがあるかも、そこは勘弁)

役職 階級章
Police Comissioner
警察委員長
★★★
First Deputy Comissioner
警察委員長
★★★
Deputy Comissioner
(警察委員)
★★★

ニューヨーク市警察本部

実際に警察業務を行う警察本体。本部長(Chief of Department)1名と分野毎に局長(Bureau Chief)12名が置かれ、各局長は各々の局を握する。

近年の組織再編とその傾向

近年、NYPDは大掛かりな組織再編が行われている。この再編によって、警察委員会と警本部の役割分担がより明確になてきた。役割分担の傾向を大まかにめると次のことが言える。

本部長作戦
警察委員長組織管理

警本部の事務は、警察活動の揮統制に関わるものの率が大きくなっている。一方で警察委員会は、組織の維持管理に関わる行政実務を以前よりも多く引き受けている。本部長にとって警察委員長は上役になるわけだが、今や両者の関係は単なる上下に留まらず、警察運営して行く両輪としての分担が明確になった。以下でさらに具体的に見ていく。

支援業務局と内務調査局の委員会への移行

かつて警本部には支援業務局(Support Service Bureau)と内務調局(Internal Affairs Bureau)という組織があった。支援業務局の仕事は、警が使用するハードウェア(車両や通信機器など)の整備と修理を担当すること。内務調局は監察部門で、警察の中にある警察である。何れも組織そのものの維持管理に関わる部署であり、これを本部長監督する立場にあった。近年の再編でこの2局が警本部からなくなり、警察委員会に担当委員を配置、警察委員会が直接握するものとなった。これが意味するところは何か?。

従来の組織では本部長の下に2局があり、局長が配置されていた。つまり本部長フリートアップタイムは、代は、燃費は、通信機はどうなっている」や、警察官の不正に対する捜はどうなっているか」を各局長を介して監督しなければならなかった。現在の組織では、本部長はこれらの業務に対する監督責任から解放されている(不正を防ぐ責任がないとは言ってい)。一方で警察委員長はそれらを監督するようになた。元々財務や法務は委員会が握していたことでもあり、警察委員長が組織そのものの維持管理により大きく関わるようになった。

委員会から減る警察官

従来からあった担当委員の所管においても、必要最低限の者を残して警察官は減少している。

The NYPD Department Advocate’s Office “Civilianized”exit

これは行政法務に関するブログ2008年開された記事。記事の内容を要約すると、警察委員会の法務・内規担当部署が「文民化」しているというもの。ここで言う文民とは警察官以外の職員のこと。同部署で警察官が減り、文民の法曹資格者が多数を占めていることを述べている。

当該部署の仕事として、法規違反の警察官行政裁判所告訴するものがある。軍隊で例えれば、内務調官が憲兵で、法務・内規担当は法務官にあたる。この部署に配属になった警察官仲間内でネズミ野郎」と呼ばれており、多くの警察官ネズミ野郎になることを望まない。文民化は法曹資格者を中核に据えることで専門性を高めつつ、警察官仕事への意欲を減らしかねないネズミ野郎を減らし、多くの警察官警察活動に専念させることに繋がる・・・と先の記事では摘している。

警察委員会は行政・管理において、より専門的で高度な組織になってきたわけだ。

市警実働部隊の強化

こうして警察委員会の行政が強化される一方で、警の方は部隊の強化が行われてきた。現在最新のものが、後述する広域対応局(Citywide Operations Bureau)の創設である。広域対応局は警備警察を担当する部署で、局には戦略活動部隊(SRG)が設置されており、全域において多数の警察官の動員が必要な騒擾やデモに対応できるようになっている。またESU、航空隊、騎隊など特技部隊部隊ごと移された。

組織の維持管理に関する本部長の負担は大幅に減らされたが、一方で警察活動そのものについてのは強化されている。

まとめ

警察委員会の責任は、警察組織を効率的且つ健全に運営し、警察官にきちんと仕事をさせること。その為に必要な様々な環境整備をすることである。これまで取り上げた再編成は、この責任をより合理的に行うためのものと言えるだろう。本部長隷下の実働部隊が強化されたのは、警察官警察仕事をするためのもの。これが先に述べた役割分担のすところである。

職員

警察官(NYPD Finest)

実務に携わる人々。命懸けでを守り、不祥事を起こしてはかれ、交通違反の切符を切っては悪態をつかれ、ウォールデモ参加者を検挙しては銭ゲバの味方呼ばわりされ、それでも愚直に任務に励む人たち。

階級

NYPDの階級は以下のようになっている。但しNYPDに限った話ではないが、辞書訳となる日本警察の階級とは職責が同等とは言い難い。アメリカ自治体警察較するなら、旧警察法時代の自治体警察の階級とその役職を参考にした方がより参考にしやすい可性もないわけではない。また他の警察などと階級呼称が同じでも、組織の中での職責が異なることもしくない。

アメリカ日本のような上級職制度がないので、全ての警察官巡査からキャリアを始める。警視総監も巡査でパトロールをしていた時代があったのだ。選挙や首長によって任命される保安官(Sheriff)を別にすれば、どこの州のどの自治体警察でも、パトカーに乗らずして本部長まで出世した人はいない。

階級

役職 階級章

Chief of Department

警視総監

警察本部長 ★★★

Bureau Chief

警視監

局長 ★★★

Assistat Chief

警視長

管区長など

Deputy Chief

警視正?

Inspector

警視または警視正

分署長

Deputy Inspector

警視

分署長 葉章

Captain

警部

分署長 ┃┃

Lieutenant

警部補

刑事隊長
分署防犯課長
分署警ら隊長

Sergeant

巡査部長

現場監督
(Field Supervisor) 
三つのシェブロン

Detective

Police Officer

巡査刑事

なし

上記のうち、巡査部長~警部までは筆記の昇進試験と人物考を経て選ばれる。それより上の階級は面談を受けた後、警察委員長の決済により選ばれる。

刑事(Detective)は単なる職種ではなく、それで一個の階級になっている。巡査刑事試験に合格して任命されると、刑事の階級とバッジが付与される。刑事はその中で、一級から三級(First Grade~Third Grade)に分かれている。新任の刑事は三級に序せられ、実績により二級、一級へと昇進する。給与はニ級刑事巡査部長と同程度、一級刑事で警部補と同程度となる。一級刑事巡査部長に昇進しても給与準はそのまま維持されるので、巡査部長程度に下がることはない。また刑事局以外の部署へ異動になったとしても、巡査部長への昇進がなければ階級は刑事のままである。

巡査部長現場監督者を担う管理職である。警らや刑事など様々な部門に置かれ、警部補を補佐して巡査刑事に対する監督を行う。

聖職者 (Chaplain)

NYPDには9人の職者が職者部隊(Chaplain unit)に所属している。従軍牧師の警察版であり、欧警察消防ではまま見られる制度。宗教に関わらず全ての職者が部隊に所属し、彼らのうちラビであるカシュ師が職者部隊の先任を務めている。同師は1966年から職者の任に有る。

NYPD職者
宗教 氏名 階級章
ユダヤ教 アルビン・カシュ師
カソリック ロバート・J・ロマーノ
デヴィッド・L・カッサート師
カルロスロドリゲス
ジョセフ・J・ザミット師
プロテスタント ルイス・F・セラーノ師
バーバラ・Y・ウィリアムズ-ハリス師
ギリシャ正教 ジョージアナスタシウス師
イスラム教 ハリード・ラティフ師

現在職者を見ると、最低でもInspector(警視正)相当の階級に任じられているのが分かるが、彼らは通常の揮系統には属していない。

聖職者の服制

基本的にはNYPDの制服に準拠したものを着用するが、職者であるので警察官とは違いがある。

殉職者

NYPDは1845年、それ以前からある警を土台に編成された。以来166年の歴史を刻むが、その中で多数の警察官が職務中に命を落としている。警の公式記録としては、1849年のトーマスリンチ巡査が最初の殉職者である。これは現在に連なる警体制が出来上がって、且つ殉職であると認められたものであるので、非公式なものも含めればさらに数は多い。

1960年代~80年代は殉職者が多かったが、90年代に入り治安善されると殉職者も減少に転じる。

ここ最近はまた殉職者が増加に転じたが、昔とべるとその傾向は大きく異なる。 2001年アメリカ同時多発テロが発生した折には、世界貿易センタービル倒壊により一日で23名が殉職した。さらに2004年以降になると、911テロに起因した何らかの疾病で死亡したとされ、殉職扱いになるものが増加。ここ5年間程度の傾向を見ると、この疾病は殉職の理由として最も多いものとなっている。 疾病による殉職者の階級は巡査が多いが、巡査部長、警部補、警部、警視といった管理職の者も立つ。また所属は20分署警ら課やマンハッタン南部警ら管区、ミッドタウン南分署などマンハッタンに拠点を置く部署の者に限らない。77分署、73分署、104分署及び同刑事分隊、122分署刑事分隊など広範囲の所属に渡っている。 その理由として911に起因した疾病の特性と、事件発生以後の対応が考えられる。まず疾病の特徴は、粉を吸ったことによる呼吸器障害である。次に対応だが、911テロ生時には内各所から応援が駆けつけ、倒壊後は行方不明者の捜索を警総出の状態で行った。つまり当日臨場した、また事故直後から捜索を行った多くの者が粉を吸い込んだために、このような状況になったといえるだろう。粉を吸ったことによる被害はNYPDに限らず、ニューヨーク消防民間の作業員も同様である。 この粉被害が広まった原因としては、すぎる安全宣言があったのではという摘もある。 2011年1月、彼らを救済するための英雄救済法が大統領の署名により成立したexit

勲章

働きに応じてもらえる勲章。軍の勲章と同様に、正規のメダルと、制服に装着する略綬(Citation Bar)の二つがある。略綬は長方形をしており、身分バッジと共にい台に装着し制服の左胸につける。

全部きちんとした授章基準があるが編集者は良く分からなかったので、情報読みたい人は英語版wiki「Medals of the New York City Police Department」exitの項を参照。また日本語の対訳は、今回編集者適当に思いつきでつけたものなので、あまり気にしないでください。

記念章

勲章ではないが、なんらかを記念する的で作られたもの。形状は概ね略綬と同じで、制服への装着方法も同じ。

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応募資格
試験

文民職員

警察の職員は警察官だけではい。NYPDには以下のような文民(非警察官)の職員もいる。

人種構成及び男女比

NYPD全職員の男女男性66%女性34%(2015年)[1]人種構成白人45%に対し非白人は55%となっている。うち警察官男性80%女性20%人種構成は全職員と同じである。

市警察の部局

警察実務に関わる各部局は以下の通り。

警ら局 (Patrol Service bureau)

地域警察を担う警ら局。中で見かける制服お巡りさんの大半がここに所属している。

警ら管区 (Patrol Borough)

警ら局は内を以下の8管区にわけ、それぞれに管区長を設置している。管区内には複数の分署が置かれ、所轄内での治安維持を行う。各管区本部には一隊のタスクフォースがあり、これはパトカーを有する執行隊で、管区内で発生した事案において必要に応じ対処する。

分署 (Precinct)

各地域の治安を担う、日本で言う所轄警察署。警ら局に所属する分署は概ね番号が振られているが、欠番もあるので番号の数だけ分署が存在すると言うわけではない。また警ら局以外の部局も分署に相当する屯所を内に設置している。刑事局は分署に刑事分隊を配置している。

分署長は警部(Captain)、警視(Deputy Inspector)、警視正(Inspector)の三階級が充てられる。日本警察署のように規模に応じて使い分けているということはなく、同じ分署でも異なる階級の分署長が配置されることはしくない。

分署配置

セクター (Sector)

分署の管轄はセクターと呼ばれる地区に細分されており、各セクターパトカーが割り振られる。

具体例としてマンハッタン最北部に位置する34分署のセクターを挙げる[2]。34分署の管轄はA、B、C、D四つのセクター分割されており、各セクターには最低1台のパトカーが割り当てられている。このパトカーセクター専属であり、示があった場合、緊急通報に対応する場合、補修や清掃などで監督者の許可を得た場合の三つを除き、セクターから勝手に離脱してはならない。またセクター定期的に巡回せよ」という規定もある為、ボスコのように死んだフリをするのは規定違反である。

セクターパトカーは固有の線符号が割り当てられる。34分署で言えば、Aセクターに割り振られたパトカー34A(Three Four Adam)、Bセクター34B(Three Four Boy)といった具合。34は分署名であり、AをAdam、BをBoyと呼称するのはフォネティックコードである。セクターに2台以上のパトカーが割り当てられている場合は○○A2のように、セクター名の後ろに識別名が入る。

タスクフォース (Task Force)

各管区毎に一隊が編成されている。分署の警ら当直責任者からの要請を受け、警ら部隊など他の部隊に対する支援を行う。支援の中身は群衆整理や警などの警備的なものから、行方不明者の捜索など多岐に渡る。タスクフォースはパトロール局だけでなく、交通局など他の部局でも編成されている。

装などは基本的にはパトロール警官と変わらないが、制服の左袖に自由の女神を描いた部隊章を装着している。また所属を示す襟章は、「(管区の頭文字)+TF」となっている(例:Manhattan North Task ForceMNTF)。これはパトカーの側面後部に表記される所属も同様。

犯罪対策課 (Anti-Crime Unit)

分署に設置される防犯部隊頭を警備し、管轄の犯罪を抑止するのが的。課長はLieutenant(警部補)があてられる。捜員には私服で活動するものが多く、Police Officerでも私服で任務に就くこともある。

刑事局 (Detective Bureau)

NYPDの刑事部門。日本言うところの都道府県警察刑事部に相当。発生した事件の捜をする刑事の他、科捜研や鑑識班、爆弾処理班なども擁する。

刑事管区 (Detective borough)

刑事局は内を4つの管区にわけ、管区本部は管轄での捜活動を監督する。刑事管区長はAssistnt Chief(警視長)があてられる。

刑事分隊 (Detective Squad)

日本で言うところの所轄署刑事課。内の分署に設置され、管轄内で発生した刑事事件の捜にあたる。分隊長は警部補(Lieutenant)が配置され、この分隊長日本の所轄署刑事課長に相当する。

分隊は上位の刑事管区の監督を受ける。例えばマンハッタンにある第1刑事分隊であれば、マンハッタン刑事管区がこれを監督するというもの。

本部捜査管理部 (Central Investigation and Resource Division)

刑事支援する刑事局の部署の一つ。以下の部門を擁する。

科学捜査部 (Forensic Investigation Division)

刑事支援する部署の一つ。科学技術を用いて捜支援する。

逃亡犯捜査部 (Fugitive Enforcement Division)

逃亡犯のデータを保存し、また補充捜を行い検挙する部署。

特殊捜査部 (Special Investigation Division)

悪事件などを専門に扱う部署。

広域対応局 (Citywide Operations Bureau)

2016年2月に新設された局。組織犯罪対策局 (Organized Crime Control Bureau) を発展的に解散をさせ、他局隷下の部隊を集めて編成された。全域で発生する犯罪、騒擾、テロに対応することを的としている。

広域対応局のな編成は以下の通り。中核を担うのは戦略活動部隊である

緊急対応部隊 (Emergency Service Unit、ESU)

特殊任務課(Special Operations Division)に属するNYPDの特殊部隊SWATのようなものだが、ESUがレスキュー業務を所管している点でLAPDのSWATなどとは大きく異なる。警視庁で言うとレスキュー隊+SIT突入編成」に近い。その為、SWATの装備の他にレスキュー機材を保有している。内で発生した事故悪事件に速やかに対応するため、内10箇所に地区担当の特殊対応分隊を配置し、さらに1分隊を本部直轄の支援部隊としている。また化学兵器による攻撃や有物質の事故を想定したHAZ-MAT(化学防護隊)、警察K-9隊もある。

緊急対応分隊 (Emergency Service Squad、ESS) の配置

鉄道警察局 (Transit Bureau)

ニューヨーク鉄道警察。かつてはNYPDとは別のニューヨーク警察機関だったが、1995年にNYPDに統合され、鉄道警察局となった。統合以前から今日まで、ニューヨーク地下鉄治安維持を担当している。内を四つの管区にわけ、夫々に幾つかの分駐所が設置されている。

公共住宅警察局 (Housing Bureau)

ニューヨーク住宅警察鉄道警察局と同様に、NYPDとは別の警察機関であった。やはり1995年に統合され、警の部局となる。任務は営住宅における治安維持で、内を3つの管区に分けて各管区に分駐所を設置している。

ハイウェイパトロール

NYPDは内を通過する自動車での治安維持のため、交通局にハイウェイトロールを編成している。このハイウェイトロールは伝統を保持しているためか、他の部局の制服警官とは異なる特徴を有する。分駐所は内5箇所に設置。また後述するボランティア警官による補助警察隊も配置されている。

制服

上3つを見てWW2ドイツ軍将兵が思い浮かんだ、ちょっと署まで来てもらおうか。戦車抜きで戦車猟兵大隊送りだ。

分駐所

IMPACT

IMPACTは警ら局や公共住宅警察局の分署又は分駐所に設置されている部隊治安の悪い場所に新人の若い巡査を集中的に配置して、人戦術で治安維持に当たらせるというもの。設置されている地域はブルックリンやクィーンズなど。最近見た動画だと、マンハッタン南部管区にも設置されているらしい。

ここ参照exit

補助警察隊(NYPD Auxiliary Police)

各地の警察には市民ボランティアによる補助警察制度がある。日本人には染みがいが、消防団の警察版とでも言えば良いだろうか。19世紀頃から設置されたアメリカ警察は、保安官(Sheriff)を補佐する市民自警団や警組織を前身とするところが多い。それを考えると補助警察隊は、むしろ警察の原点とも言えるだろう。

NYPDにも補助警察隊がある。但し他都市の補助警察官拳銃を携行し、正規警察官と同様の職務をする場合もあるのに対し、NYPDは拳銃を携行しない点が異なる。当然危険な任務は担えないので、内のパトロールで住民の苦情を聞き、あるいは問題を把握し正規警官に伝えるのがな任務。日本で例えると、交番勤務に戻った巡査部長吉田おばあちゃんに会い、オレオレ詐欺に引っかからないようにチラシを配布したり、いざと言う時は副総監の息子さんか近くの警察に相談するように促したり、「そういえば孫が最近、の近くで変なを見ると言ってねぇ」といった話を聞いたりすることに相当する。

補助警察隊のパトカーには大きく「Auxiliary」と書かれているのが特徴。また両袖のワッペンにも同様の刺繍がされ、警察バッジのものが使われるなど、正規警官とは区別しやすい。とは言え職務中は警察官には違いないので、水風船爆弾を投げつけたりすれば公務執行妨害や暴行で逮捕されるので注意。

参考リンク13分署補助警察隊(13the Precinct Auxiliary)exit

COMPSTAT

冒頭で述べたCOMPSTATは犯罪の統計をまとめるシステムで、治安戦略を策定する為の土台となる。
まずこれexitを見て欲しい。これはネット開されている各分署の毎週犯罪統計で、リンク先のものは第1分署2016年8月29日9月4日までの統計を示したもの。統計を作成するのは本部長直轄のコンプスタット課である。同週前年論のこと、95年、98年などとの較も見られる。統計にある罪名の意味は次の通り。

罪名 和訳 規定条文
Murder 殺人 刑法125
Rape 強姦罪 130
Robbery 強盗 160
Fel.Assault 120
Burglary 侵入罪 140
Gr.Larceny 重窃盗罪 155.30条
G.L.A. 重窃盗罪
(自動車)
同上

G.L.A.は見慣れない略語だが、Grand Larceny Autoの略でGrand Theft Autoと同義のもの。

これで犯罪が増えたりすると、分署長は偉い人から善をめられる。上級の管理職は昇進試験がいが、人物や成績で昇進が決定される。つまり分署長より上を狙うには、治安善という具体的な成果が必要になるわけだ。揮・管理いものは上を狙えない。至極当たり前のことである。

で、治安って良くなってんの?

統計上も犯罪は減っているが、他にも治安善や警察向上を示すデータはある。

一つは殉職者の減少。殉職者の項でも述べた通り、被疑者によって殺される警察官90年代以降は減少傾向にある。これは治安善した一つの安となるだろう。

もう一つは警察官の致死性射撃(Fatal Shooting)の減少(ソースexit)。致死性射撃とは、要は実弾をぶっ放すこと。アメリカ日本と同様に警察官が実包を撃つのは制限されており、自己又は他者の生命に危機がおよんだ場合に限って致死性射撃が認められる。言い換えれば「正当な」致死性射撃が行われた分だけ、ナイフなどで人を殺そうとした犯人がいた、いは猛が襲い掛かってきたということである。NYPDに記録がある1971年以降で見ると、1972年1000件近い致死性射撃があったのに対し、2010年100件を下回った。「それでも100件近くあるのかYO!」というのが日本人感想ではあるが、ともかく1/10まで減少したのだ。ただソースの件数は動物に対する発、不当な発も含まれているので、もしかしたら1972年ニューヨークは野生の王だったのかも知れないし、あるいはにぶっ放しまく(This Comment is Deleted --NYPD--)。
致死性射撃の減少に関してケリー警察委員長「警官が訓練を積み重ねて抑止が強化され、またの装填弾数が増えたから」と述べている。 

とは言え、やはり日本べて治安が良いわけではない。留学、転勤、旅行クイズ王者をすなど、様々な理由でニューヨークへ行く人は気をつけて欲しい。

装備

銃器

警察官が使用できる拳銃は以下の通りである。

リヴォルバー セミオートマチック
勤務・非番両用 S&W モデル64 グロック 19
S&W M10 S&W M5946
S&W .38スペシャル シグ P226
ルガー ポリスサービス6 -
ルガー スピード6 -
ルガー GPNY -
コルト .38スペシャル -
コルト オフシャルポリス -
コルト メトロリタンMk.III -
ダンウェッソン モデルII フィックスドバレル -
非番用 ルガー SPNY S&W 3953TSW
S&W モデル640 S&W 3914DA
S&W 64 NY-1 Kahr K-9
(2006年2月17日までに承認されたもの)
- グロック 26
- ベレッタ 8000Dミニクーガー
- シグ P239 DAO

リヴォルバーが使用できるのは1987年7月1日までに承認されている者、旧鉄道警察所属のものにあっては1995年4月1日までに承認された者に限られる。

非番用として定された拳銃は、勤務用拳銃を見える状態で携行(例:制服ホルスターに収納)する場合に限り、勤務中も携行する事ができる。非番用拳銃のみを勤務中に携帯する事はできない。飽くまで勤務用拳銃の予備である。

NYPDの致死性制圧規定では「警察官はいかなる事情があろうとも、の撃を起こしてはならない。射撃は必ずダブルアクションで行うこと」と定められているので、銃器にはダブルアクションオンリー(DAO)のものや、撃DAO用が定されている場合が多い。

拳銃の携帯義務

拳銃は常に携帯するものと定められており、これは非番時も含まれる。非番用拳銃を購入していない者は勤務用拳銃携帯することになる。拳銃携帯は以下の場合に限って認められる

  • 拳銃の紛失や盗難の恐れがある場合
  • 旅行へ出かける場合
    • 行った先の法律が違うこともある
  • 認可された副業を行う場合
  • 野外活動等何らかの活動を行うに際し、「を持ち込まないで下さい」と示された場合
    • 防犯上や安全上の理由から、の形態に制限がかかることはある。その時は従うべしということ。
  • 強いを飲みそうな場合
    • 飲んで撃ったらあぶないからね。

名誉と不名誉

一の規模と、欲望渦巻く危険な大都会を管轄する警察なだけに、数多の名誉と不名誉がある。数々の大事件やテロに立ち向かい市民の尊敬を浴びる一方で、数々の汚職や不適切な法執行、果ては違法駐の取り締まりに対する逆恨みで市民の怒りも買う。

代表的な不祥事としては、クィーンズ地区での黒人青年射殺事件がある。サイレン及びパトライト、警官を示すレイドジャケットなどを使用しない覆面パトカー私服警官が、被害者らが乗ったを強制的に止めようとして逃げられそうになり、多数の弾丸を撃ち込んで射殺したもの。これらは内規違反となる。(注:刑事裁判では無罪となった)

名誉としては中国人の管理売春組織の摘発などがある。これは中国から騙して女を連れてきて強制的に売春をさせていた、チャイニーズアメリカンの犯らを逮捕したもの。事件のドキュメントではないが、チョウユンファの「NYPD15分署」 でも同じような話が描かれている。また先述のように9/11では単年度としては異例となる多くの殉職者を出し、ビルによる二次被害者もでた。

令状検索システムの犠牲になった老夫婦

NYPDは状を管理・検索するシステムを導入したが、正式運用前のテスト時にとある善良な老夫婦データを入した。これは正式運用開始前に消されるはずだったが、担当者がドジっ娘だったのか開始後もそのまま残ってしまう。お陰で老夫婦には覚えのない嫌疑で数十回も宅捜索が入ってしまった。夫婦は何度も苦情を訴えデータは消されるはずだったが、再びドジっ娘スキルを発揮してデータは残ってしまった(編集者注:華麗にスルーしていた可性も)。しかしこの問題を報道が取り上げたことで発覚し、警察は謝罪しなければならなくなった。

本部長チーズケーキを持って謝罪に訪れると、本部長がやってきたことに気をよくした老夫婦は、孫の写真を見せるなどして喜んだと言う。疑いの晴れ爺さん婆さんは、仲良く平和に暮らしたとさ。めでたし~めでたし~。

ソースexit

2015年警部補昇進試験集団不正事件

今後、ボディーブローのように効いてきそうな事件。2015年4月18日に行われた警部補昇進試験の第一次試験(筆記)において、これを受験した複数の巡査部長が不正をしていたというもの。ニューヨーク行政管理局(Department of Citywide Administrative ServiceDCAS)摘で発覚した[3]。当初は受験者2401名中168名が合格判定を受けた。しかし疑惑を受け半数の80名に対して試験をやり直したところ、これで合格判定を受けたのはそのうち48%だったという[4]

このは広範囲に及んでいる。まず警部補への昇進人事が1年以上滞り、さらに警察だった試験が中止されている。その中には警察官採用試験も含まれており、例年であれば毎平日に実施されるものが、2016年4月以降は全て中止となった。試験が再開されたのは約1年後の2017年から[5]。つまりほぼ1年間採用試験が実施できなかったのである。

メディアの中のNYPD 

名誉不名誉多くの出来事をその歴史るNYPDだけに、様々なメディアで題材として取り上げられてきた。ドラマでは「NYPDブルー」や「サードウォッチ」、「Law&Order」、「刑事コジャック」など。映画では「ブルースチール」「セルピコ」など。小説では「87分署シリーズ」が、アイソラというニューヨークモデルにした架舞台としながらも、NYPDの刑事の活躍をリアル描いた。

日本のメディアでは

関連動画

関連商品

ノンフィクション

映画

ドラマ(CSI:NY)

ドラマ(Law & Order系)

ドラマ(サード・ウォッチ)

ドラマ(刑事コジャック)

マンガ

関連項目

外部リンク

脚注

  1. *Workforce Profile Report 2015 53頁exit
  2. *MAP OF 34TH PRECINCT PATROL SECTORSexit
  3. *NYPD probes potential cheating scandal on lieutenants’ exam - NEW YORK POSTexit
  4. *Judge allows NYPD lieutenant promotions to proceed amid test cheating scandal - DAILY NEWSexit
  5. *NYPD Recruitmentのtwitterよりexit
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