ネル声とは、亞北ネル(VOCALOID派生キャラ)の歌唱時に使われる督唱(調教)規格のことである。
亞北ネルはVOCALOID派生キャラであり、独自の音源を持たない。これは本来なら音楽制作において致命的な欠点と言うべきものだが、しかし亞北ネルと言うキャラクターを通して音楽を楽しみたいと願う多数の人々の声に応えようと、さまざまな模索がなされて来た。
その結果として誕生した督唱の規格が、この「ネル声」である。
その始まりについては2008年に発表された一行Pの楽曲「おK、緑は、敵だ。」に求めることが出来る[1]。
この楽曲では(キャラクターとしての)鏡音リンと亞北ネルにそれぞれソロパートがあり、この部分に関しては、二人の声を区別するため「督唱する際に、その音源ソフトを唄わせる際の平均的な声の高さなどを避け、新たな音声を引き出してそれを派生キャラの声とする」手法が使われた。
手法自体は特に特殊な機材、技術を使ったものではなかったが、それにもかかわらず、音源としては鏡音リンしか使っていないと理解している視聴者からさえも、亞北ネルのパートは「もうネルの声にしか聴こえない」などの賛辞が相次ぐほど絶大な効果を挙げた。
歌の成功については、当然のことながら一行P自身の力量が大きくものを言った。しかし同時に「きちんと作られた"派生キャラの声"」がもたらした衝撃も非常に大きいものがあり、これ以後ネルを始めとしたVOCALOID派生キャラに歌唱させる際には「声を作る」ことが広く採用される切っ掛けとなった。
現在では、他のキャラクターの支持層にも受け入れられるようになったこの手法は、「"独自の声"を発する派生キャラ」像を打ち出すなどの効果も発揮しており、歌に、トークロイドなどにと広く採用されている。
発祥となった亞北ネルにおいては、単に"声"を変えるに留まらず、初出作品のイメージを受け継ぐ形でやや「低い声」に表現する例が多く見られ、その低音に督唱されたVOCALOIDの声をもって一般に「ネル声」と呼ばれている。
また、MEIKOファンから絶大な信頼を得ている斜め上P、駅名記憶向上委員会タグを定着させた環境P、作成曲をすべてネル声規格で成し遂げたネル廃Pなど、実力派のボカロPによって数多くの作品が作られた実績もあって、現在ではファンの間でも比較的高い知名度を誇っている。
このネル声の使用によって、「ネルらしい声」を生み出そうとする際に音源ソフトを選ぶ必要がなくなり、今日ではどの女声ソフトの使い手でも新たなネル歌を作る事が出来るようになった。
当然の事ではあるが、楽曲製作者の自由な創作を妨害しないよう、この「ネル声」を採用するか否かはそれぞれ製作者の任意にまかされている。また再現する際の一応の目安として発表されている規格も有るが、それも絶対のものではない。
何故なら、ネル声は最もネルらしさを表せる手法の一つとして確かに認知されている。しかし、作り手が自由に歌を作り、聴き手が自由に歌を楽しめる環境の方がもっと重要であることは、ネルファンの間でもよく認知されているからである。
また本来のネル声は比較的低い声ではあるものの、一部ではむしろ「高い声」に督唱をほどこし、これをネル声とする傾向も見られるようになっている。当然ながらこの「低い声」と「高い声」、そのどちらを採用するかについても特に決められている訳ではなく、製作者のイメージに任されている。
VOCALOID | 調声の例 | 初出者 | 備考 | 動画 |
---|---|---|---|---|
鏡音リン | GEN=93 | 斜め上P | Act2 | |
初音ミク | GEN=93 BRI=127 CLE=34 | 環境P | VOCALOID2 | |
Soft:BRE0.BRE6.CLE-14. GEN29.OPN0 |
場末P | Append (動画は削除済み) |
||
GEN=38 | オワタP | 説明は17分ころ | ||
開発コードmiki | GEN=95 | 場末P | ||
Lily | GEN=50 | 場末P |
※これ以外にも公表されたネル声の例が有りましたらぜひお知らせ下さい。
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最終更新:2024/04/18(木) 17:00
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