ヒエログリフ (hieroglyph) とは、かつて古代エジプトで使用されていた象形文字。
日本語では聖刻文字等と呼ばれる。欧米では象形文字全般を表す言葉として「ヒエログリフ」が用いられる事がある。UnicodeではU+13000-1342Fの位置に収録されている。
神殿、石碑、パピルスの紙等に書かれ、最初の使用例として紀元前3200年頃、最後の使用例として紀元400年頃の物が確認されている。以後エジプトではギリシア文字やアラビア文字が主流となったためヒエログリフは使用されなくなり、長い間それらの読み方も忘れ去られていた。しかし1799年にエジプトで発見されたロゼッタ・ストーンにはヒエログリフとギリシア語の対訳が記されており、19世紀にフランス人学者ジャン=フランソワ・シャンポリオンがこれを解読し、ヒエログリフの読み方が判明した。
文字の種類は字体違いを含め3000種あると言われるが、常用されたのはそのうちの500~600種である。初期の頃は表意文字ばかりであったが、後にその文字の音だけを借りて表音文字として記す事も行われるようになった。ただし表記されたのは子音のみで、現在では母音の正しい読み方が分からないため、/e/ 等を挿入して読まれる事が多い。また、同音で意味の違う単語を表すために「限定符」として用いられる文字もあり、それらはほとんど発音されない。
表記の方向は右横書きが主流であったが、左横書きや縦書きも行われた。横書きの時、左右どちらから読むかは人物・動物をかたどった文字が向いている方向で判別でき、その向いている先が文頭を表している。王の名前を記す時は、その語をカルトゥシュと呼ばれる長円の枠で囲む。
その後ヒエログリフの字形を省略して書く事が行われるようになり、行書体に当たるヒエラティック、草書体に当たるデモティックと呼ばれる表記体系が生まれた。
音価は英語で使用される近似音を示している。この他に、複子音を表す表音文字もある。
文字 | 音価 | 絵の意味 | 文字 | 音価 | 絵の意味 | 文字 | 音価 | 絵の意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
/ɑː/ | ハゲタカ | /m/ | フクロウ | /s/ | 布 | |||
/ɑː, iː/ | 葦 | /m/ | 台座 | /ʃ/ | 池 | |||
/j, iː/ | 2本の葦 | /n/ | さざ波 | /k/ | 山腹 | |||
/j, iː/ | 2本の斜線 | /n/ | 赤冠 | /k/ | バスケット | |||
/ɑː/ | 腕 | /r/ | 口 | /ɡ/ | 壺の台 | |||
/w, uː/ | ウズラの雛 | /h/ | 葦の囲い | /t/ | パンの塊 | |||
/w, uː/ | 渦巻き | /h/ | ランプの芯 | /tʃ/ | つなぎ縄 | |||
/b/ | 足 | /x/ | ふるい | /d/ | 手 | |||
/p/ | 床几 | /x/ | 獣の腹と尾 | /dʒ/ | コブラ | |||
/f/ | マムシ | /s/ | かんぬき |
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最終更新:2024/04/19(金) 01:00
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