ファイムルえいゆうき_がいでんとは (ファイムルエイユウキガイデンとは) [単語記事]

「ファイムルえいゆうき　がいでん」とはツクール作品である。

概要

チーム・The Bの実況動画「他人ツクールシリーズ」の第8～15回目で取り上げられた、RPGツクール SUPER DANTEによる作品。通称は「ファイムル編」。作者はとさかも、けんめい！氏。

中古販売されているツクールの中では類稀である、その驚きの作品完成度と、王道的なストーリー展開、絶妙な台詞回しや（仕様を含めた）小ネタはチーム・The B及び視聴者の心をもれなく鷲づかみしにし、非常に高い評価を得た。

現在では同シリーズの「殿堂入り作品」のひとつとして語り継がれると同時に、「ガダマンクス」「としえ」同様、同シリーズの定番ネタのひとつとされ、たびたび引き合いに出されている。

たにツクアンケート「たにツク of Best 2008」部門にて第3位を獲得。たにツクアンケート「たにツク of Best 2009」部門では第11位を獲得した。

本伝にあたる「ファイムルえいゆうき」は所在が不明であるが、シリーズファンによる二次創作によって補完されている。

ストーリー

悪魔によって城や街ごと別世界へ飛ばされてしまったファイムル達が、元の世界に戻るために冒険する物語。
本伝では、剣の達人であるファイムルが、ラーシィ、ブラック、アルーザ、フォレスト、ジークロンという仲間を加えつつ、世界を回り様々な冒険を経た（と推測できる）。
外伝である本作では仲間の一人であるブラックの悪の分身を倒すため、敵の本陣「ブラック城」を目指して旅立つ。

本作の特徴

本作は「外伝」である都合上、メインキャラクターが全員仲間になっている状態から始まり、人物紹介も行われない。
ストーリーはしっかり作られてはいるものの、物語は既に佳境に入っており、プレイした中村の言葉を借りれば「30巻ある漫画を25巻から読み始めている感じ」である。
テキストは、容量の都合なのか、台詞を発するキャラ名が「ファ」「ブ」など省略して書かれる。また、句点や改行の工夫がなされていないため、少々読みにくい。
敵味方問わず、キャラクターの発する台詞が独特で個性的。
ゲームバランスについてはあまり良くない。全てのキャラがレベル95（ジークロンのみ90）の状態からスタートするため、相対的に敵が弱く、ボスも弱い。おそらく作者はテストプレイの都合上キャラの初期レベルを強く設定し、そのままバランス調整をしていなかったともの思われる。
敵の獲得経験値は多めに設定されており、比較的速くレベルアップできるようである。
（これはツクールの仕様で仕方の無いことではあるが）敵のエンカウント率が非常に高くストレスになりがちである。
（これもツクールの仕様なのだが）レベルが99になってカンストすると後述の「レベル99の罠」が発動し、プレイヤーに多大なストレスを与える。

とはいえ前述の通り、未完成のまま放り出されることが当たり前の中古ツクールの中で、珍しく完結し、しかも物語作品として楽しめる正当派 RPGとしては、充分評価に値するといえるだろう。

登場人物・モンスター

ファイムル　
- 主人公。剣の達人。ラーシィを慕っているが、素直に好きとはいえない性格。ラーシィがさらわれたショックで一度パーティを離脱するが、すぐに立ち直り復帰する。「えんりゅう神の城」で「りゅうえん神のしれん」に打ち勝ち、「せいえんけん『ファイムルソード』」を手に入れる。
- 装備品は火に関係したものが多い。
- 「うるせぇーーー！！！ほっといてくれっあんなおんなどうなろうとしったこっちゃねえぇぇぇ」
ラーシィ　
- ファイムルの仲間でメインヒロイン。どこかの国のお姫様であるらしい。キーアイテム「シャイニングスタージュエル」を所持する。ストーリー中盤で彼女が黒幕・なんとかライザーディブライザーの力を封じ込めた「鍵」であったことが判明し、連れ去られてしまう。後に助け出されるが、そのことがディブライザーの完全復活に繋がってしまうのだった。
- 装備品は光に関係したものが多い。
- たにツクアンケート「第1回ヒロイン人気投票」にて第5位を獲得。
ブラック　
- ファイムルの仲間で剣士。邪悪な分身「ブラック・ネオ」と分離しており、本作でそれを倒し、融合して「ニューブラック」として覚醒する。覚醒後は「ダークマスターソード」が使いこなせるようになった。
- 装備品は闇に関係したものが多い。
アルーザ
- ファイムルの仲間でクールな性格の男。「フィール姫の城」（仮名）の主（城を指して自分の家だと言っている）だが、親しい関係にあるフィール姫は呪いに侵されている上、城も敵（カーム）の手に落ちていた。キーアイテム「フルムーンストーン」の所持者。
- 装備品は氷に関係したものが多い。
- （暖炉の火に向かって）「どけっけしてやる！！！　でゃゃゃゃゃゃぁぁぁぁ！！！」
フォレスト
- ファイムルの仲間でサブヒロイン。男口調で姉御肌な女性。ジークロンと共に「ブラック城」へ偵察に向かうが、捕まって牢に入れられてしまう。
- 装備品は森に関係したものが多い。
- たにツクアンケート「第1回ヒロイン人気投票」にて第9位を獲得。
ジークロン
- ファイムルの仲間。空を飛ぶ能力を持つ。フォレストと共に「ブラック城」へ偵察に向かうが、捕まって牢に入れられてしまう。
- 装備品は嵐に関係したものが多い。
- 「たすぅけぇてぇぃぇぃー」

バッバムーラ　
- 緑色の飛竜。ファイムルたちとはなじみの関係のようで、「あかいりゅう」にやられたと思われていたが復活した。合流後は乗り物となるほか、仲間として戦闘にも参加する。
りゅうえん神
- 竜の神様。「えんりゅう神の城」の主にして、「バーニングサンクリスタル」の所有者。ファイムル達を呼びよせ、「せいえんけん『ファイムルソード』」の封印を解くため彼らに「りゅうえん神のしれん」を課した。仲間に「竜ふう神」「竜らい神」「竜すい神」がおりそれぞれ彼らの力を試している。彼らの力を認め「バーニングサンクリスタル」とパワーアップした「ファイムルソード」を託し、彼らを敵の本拠地「じくう城」へとワープさせた。
ニカルせんにん
- ファイムルたちの協力者。黒幕ディブライザーの秘密を知って彼らに助言を与えるも、敵に覚られやられてしまう。後に復活して「じくう城」で再会し、彼らの防具をパワーアップさせた。

マッスルオーガ　
- ディブライザーの部下。脳筋。「よるのたに」でアルーザたちに襲いかかるも、駆けつけたファイムルに挟み撃ちにされ倒された。
- 「クックソどちらをこうげきすればいいんだ･･･」
カーム（スカルグロー）
- ディブライザーの部下で、「フィール姫の城」（仮名）を乗っ取った張本人。
ファイヤーデビル
- ディブライザーの部下で「ほしの城」の城主。ラーシィを捕らえていた。口調が小物臭い。

ディブライザー　
- 本作のラスボス。ファイムル達の世界を時空の狭間に隠していた悪魔。元々は封印されていたが精神態で復活し、完全復活のための「鍵」を探していた。そしてファイムルたちの戦いを見てラーシィがその「鍵」であることを知り、彼女をさらう。その後、ラーシィが救出される際に完全復活を果たした。

その他用語集

フレッシュウォタ
- 毒と麻痺を回復するアイテム。文字制限の関係で「ー」がない。
3つのいし　
- ディブライザーを倒すために必要な三つの石。「バーニングサンクリスタル」、「シャイニングスタージュエル」、そして3つめは・・・「グッグアー」「フルムーンストーン」。
神黒剣！魔戦王撃　
- このゲームには珍しい漢字表記の呪文。ブラック専用技…のはずだった。
ラスパーラーガー
- 本作における最強の呪文。ラーシィの専用技…のはずだった。
ファイムルワープ　
- 複数あるワープゾーンからひとつを選んで進んでいくワープトラップ。だが本作のそれはワープポイントが透明で、選択肢が多い上に入り口に戻すものもあり、しかも正解ルートは非常にわかりにくい所に設置されていた。
レベル99の罠
- これはツクールの仕様になるが、このゲームでは呪文を覚えない設定にはできないため、キャラが最高レベルであるレベル99に達すると一度に全ての呪文を覚えてしまう。さらに、一人につき覚えていられる呪文は最大10個までで、それ以上覚えた場合は古いものから順に忘れてしまう。
- これらの性質により、呪文を覚えては忘れるを繰り返す、メッセージ送りの連打地獄がプレイヤーであるチーム・The Bを襲った。キャラの呪文欄も大幅に入れ替えられたが、結果的に最強の呪文を皆が覚えられたため支障はなかった（没個性化したが）。