ヘルツォークツヴァイ(Herzog Zwei)は1989年に発売されたメガドライブ用ソフト。開発、販売は今は亡きテクノソフトである。PC用ゲーム「ヘルツォーク」の続編として制作された。
アクティブシミュレーション(なにそれ?)という分類がメーカーによってなされていたが、今で言うとRTS(リアルタイムストラテジー)である。
リアルタイムストラテジーという言葉すら存在しなかった当時にして、既にRTSとしての特徴を備えており、現在のRTS本流のフォーマットを完成させたと言われるDuneII(1992)の数年前に発表されていたことから、黎明期RTSの一つとしてRTS史を語る場合にはまず言及される作品である。
当時はそこまで話題にならず、売上的にも芳しくなかったようだが、画期的なゲームであること、対人戦の熱さ、CPUのアホさ、「テクノソフトGAL’sクラブ」の微妙さなどからコアなファンを多く生み出した。
アーリア共和国の民衆は、財政界と手を結び堕落した権力者達の圧政により、しいたげられ苦しんでいた。
混乱の中、政府軍の一将校であったルードヴィッヒは、そんな体制に反感をもつ同志を集めた革命軍を組織し、政府に反旗をひるがえした。それはアーリアの建国以降、記録にないほどの大規模な反乱であった。
それに対して政府は、ルードヴィッヒの友人でありライバルであったヴァールサガァ将校を軍指令官に任命し、革命軍の壊滅にあたらせた。
今、広大なアーリアの地を二分した、男達の熱き戦いが始まろうとしている。ヘルツォークツヴァイ説明書より
プレイヤーは、ロボットと戦闘機に変形するメカを操り、ユニットを生産し軍備を整え、マップ上に点在する基地を制圧していく。最終的には敵本拠地を破壊することを目的とする。
プレイヤーメカは、戦闘機形態時にユニットを輸送することができ、効率的なユニット生産と迅速な輸送による基地制圧が勝利の鍵を握る。ユニットへの指令は生産時とプレイヤーメカによる輸送時にしか与えられない。
昨今のRTSに馴染んでいる方は、マウスカーソルがプレイヤーメカになったと思えばいい。
また、プレイヤーメカは他ユニットにくらべ非常に高い戦闘力を持っており、それが敵ザコユニットを蹴散らす光景はシューティングゲームさながらである。この点において現在の主流派RTSとは異なるゲーム性をもつことから、場合によってはシューティングゲームに似た何かに分類される場合もある。
特筆すべき点として、このゲームは画面分割による対人戦モードが用意されていることがあげられる。これによりRTSにおける熟達した人間同士の戦いはバカなAI戦と比べると異次元の熱さを含有することを多くの人間に知らしめたのである。
但し、この対人戦を体験するには、メガドライブというマイナーハードの、取っ付きにくいけったいなマイナーゲームに付き合ってくれる友人、親類が周囲にいることが条件であった。ネットによる通信対戦など無い時代、このハードルをクリアするという僥倖を得た者がどれくらいいたのかは定かではない。
メガドライブの時代が終わり、サターンも終焉を迎え、ドリキャスが討ち死にし、遂にはテクノソフトが遺憾なことになってなお、市井のヘルツォーカーの間で絶望的なリメイク要求が散見されていた本作であるが、20年の時を経て2012年にまさかの事実上のリメイクが果たされた。
タイトルは「AirMech」。米国Carbon Games社開発によるPC用RTS(プレイ無料)である。(2012.7月現在はまだベータ版)
現代の3D技術によって描写され、ネット対戦、チーム戦を備えるヘルツォーク・ツヴァイそのまんまのゲームはまさにヘルツォーク・ドライ(Drei:ドイツ語で3の意。Zweiは2である)の名を冠するにふさわしい。
blogやフォーラムで「I love Herzog Zwei!」だの「Herzog Zwei is great game!」などと日常的に叫んでいるCarbon Games開発者の言葉によれば「ヘルツォークツヴァイに強くインスパイヤ()された」作品であるとのことである。
ちなみにAirMechはヘルツォークツヴァイの権利者から許諾を受けているわけではない。このことはフォーラムでもたまに突っ込まれているものの、本人は「Herzog to AirMech is like Quake to Halo.」などと開き直っている。そんなレベルではない気がするが、まあ別にいいや。
2015年5月には「AirMech Arena」というタイトルに変更されたうえで、プレイステーション4とXbox Oneの2つのコンシューマーハードでも配信が開始された(ニコニコ大百科ではこちらのタイトルで記事が作成されている)。
Herzog Zwei - There is No Time to Lose |
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掲示板
5 ななしのよっしん
2017/03/25(土) 02:26:44 ID: njE0KRhHvF
3D復刻シリーズで頑張ってるセガがテクノソフトの権利を取得したらしいので通信大戦可能な移植にほんわか期待したいところ。対人戦泥沼になりそうなのでデフォルトのルールの他にカスタムできたら本当に化けそう。
6 ななしのよっしん
2020/08/25(火) 21:06:06 ID: q7y5TLYw1z
2020年にまさかのSwitch移植。
パラメータは横に、ミニマップも常に表示。
しかもネット対戦やトレーニング付き。
7 ななしのよっしん
2022/06/06(月) 19:20:04 ID: W7iSc4/iQG
ニンテンドースイッチも持ってない身としては是非メガドラミニ2に収録して頂きたいが、どうなんだろう。
コアなセガファンほど印象に残るゲームとセガの関係者自身さえ言っていたらしいことに一縷の望みを託したいが。
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最終更新:2024/04/25(木) 00:00
最終更新:2024/04/25(木) 00:00
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