ヘロンの公式 単語

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ヘロンノコウシキ

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ヘロンの公式とは、三角形の三辺の長さから面積める公式である。

概要

三角形面積と言えば、小学校で習う「底辺×高さ÷2」が有名である。しかし、実際に面積める場合は計測から始めなければならず、高さをめる際に垂線をめなければいけない。特に大きな三角形の場合は面倒である。一方、三辺の長さを計測すればヘロンの公式を適用できるので、こちらのほうが手間を掛けずに済む。但し、手計算の場合は計算に手間が掛かるので注意が必要。

日本教育では、公式の導出の過程で三角を用いるので、高校で教えられる。ゆとり教育では発展的な内容となっているのでチート扱いされることもある。計算するだけなら四則と平方根だけでできるので、三角を知らない人でも可である。

三角形の三辺の長さをa,b,cとし、s = (a+b+c)/2とする。このとき三角形面積Sについて次の式が成り立つ。

S = {s(s-a)(s-b)(s-c)}

つまり、次の手順で計算すればよい。

  1. 三辺の長さを合計し、2で割る。
  2. 1.でめた値から、一辺の長さを引く。
  3. 1.でめた値から、他の一辺の長さを引く。
  4. 1.でめた値から、残りの一辺の長さを引く。
  5. 1.~4.でめた値の積をめる。
  6. それの正の平方根める。

ね、簡単でしょう?

証明用の図

証明

まずは三角を用いない明を紹介する。

辺AB,ACを延長する。
BACの2等分線を引く。
三角形ABCの内接円Iを描き、
辺ABとの接点をP,辺ACとの接点をQとする。
辺BCに接する傍接円I'を描き、
直線ABとの接点をP',直線ACとの接点をQ'とする。
内心IとB,P,Qを、傍心I'とB,P',Q'をそれぞれ結ぶ。 

辺BC,CA,ABの長さをそれぞれa,b,cとし、
s = (a+b+c)/2とする。
円I,I'の半径の長さをそれぞれr,r'とする。
円の接線の性質から、次が成り立つ。

  • 円の中心と接点を結ぶ線は接線に垂直である。
  • 円の外側の1点からは接線が2本引け、接点までの距離は等しい。
  • 円の外側の1点と中心とを結ぶ線は、2本の接線で作られるを2等分する。

まず、ABC面積Sを式で表す。
IBC,ICA,IABに切り分けると、底辺の長さはそれぞれa,b,cで、高さはすべてrである。
よって、S = ar/2+br/2+cr/2 = (a+b+c)r/2が成り立つ。
従って、S = rsが成り立つ。 …(1)

次に、線分AP,PB,BP',AP'の長さをめる。
ABCの3辺の和は2sであり、a = BC = BP+CQなので、AP+AQ = 2s-2aである。
よって、AP = s-aが成り立つ。
同様にして、PB = s-bが成り立つこともわかる。
BC = BP'+CQ'より、AP'+AQ' = 2sが成り立つ。
よって、AP' = sが成り立ち、BP' = s-cが成り立つ。
以上をまとめて書くと、

  • AP = s-a
  • PB = s-b
  • BP' = s-c
  • AP' = s

となる。…(2)

続いて、APIAP'I'を示す。
半直線AI,AI'はいずれもBACの2等分線なので、3点A,I,I'一直線上にある。
また、3点A,P,P'も同一直線上にある。
よって、PAIとP'AI'は共通。
点P,P'はそれぞれ円の接点なので、APIAP'I'はいずれも直である。
2つのが等しいので相似が成り立つ。
よって、AP:PI = AP':P'I'が言える。 …(3)

次に、BPI∽I'P'Bを示す。
線分BIはPBCを、線分BI'はP'BCをそれぞれ2等分するので、
よって、PBIとP'BI'の和は直
一方、I'P'Bは直三角形なので、P'I'BとP'BI'の和も直
よって、PBIとP'I'Bは等しい。
また、BPIとI'P'Bはいずれも直
2つのが等しいので相似が成り立つ。
よって、BP:PI = I'P':P'Bが言える。…(4)

(2)の第1,4式と(3)より、s-a:r = s:r'が成り立つ。
(2)の第2,3式と(4)より、s-b:r = r':s-cが成り立つ。
第1式よりr' = rs/(s-a),第2式よりr' = (s-b)(s-c)/rとなる。
よって、rs/(s-a) = (s-b)(s-c)/rが成り立ち、r2 = (s-a)(s-b)(s-c)/sとなることがわかる。
r > 0より、r = {(s-a)(s-b)(s-c)/s}が成り立つ。
(1)に代入して、S = {s(s-a)(s-b)(s-c)}を得る。 

別証

今度は三角を用いて明する。

一辺の長さをaとし、そこから対までの距離をhとすると、

S = ah/2

他の一辺の長さをbとし、間のをCとすると、

h = bsinC

0° < C < 180°なので、

sinC = (1-cos2C)

Cの対辺の長さをcとすると、余弦定理より、

cosC = (a2+b2-c2)/(2ab)

あとは下の式を上の式に順々に代入して、ひたすら因数分解するだけだから、各自でやっといて。おっと、カンニングexitすんなよ。

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