マスケット銃とは銃の一種[1]であり、正式名称はマスケット(英語:Musket フランス語:Mousquet スペイン語:Mosquete)。先込め式[2]の単発銃である。炸薬の点火方式はマッチロック式(火縄式)、ホイールロック式、フリントロック式(火打石式)等、複数ある。
日本ではライフリングのない先込め式銃は、火縄銃の区分に入る。
マスケット銃は弓よりも遥かに扱いが簡単で、素人でも一ヶ月の訓練で戦える程度に使いこなせ、しかもクロスボウと違って装填に力は不要だった。銃剣が発明されてからは白兵戦や対騎兵戦闘も可能となった。また、槍やSA80と違い、引き金を引けば銃弾が出るというメリットもあった(前装式ゆえに、後世の後装式銃と違い決して『ジャム』という現象が起こりえない)。
しかも不発にて銃弾が銃口からでなくても、すぐさま再コックして引き金を引けばやり直せるという安全性の高さも人気の理由であった。
マスケットの欠点としてまずあげられるのは、その命中率である。
実際の命中率に関しては学者でも諸説あるが、とある学者などは1000‰表示なのにコンマ以下になる数値を命中率として提示している。わからない人のために説明すると、千発に一発の命中率すら期待できないという事である。
この悲惨な命中率は、兵士たちの訓練不足以上にマスケット銃の構造的欠陥に起因する。
その構造的欠陥を論理的に説明するためには、弾薬の燃焼で発生したエネルギーから弾丸の回転に使用可能な余剰エネルギーを算出し、そこからその余剰エネルギーにより発生可能な弾丸の回転とその最高速度がもたらすことができるマグナス効果に関する計算式を使用しないといけないのだが、それはめんどくさいのでここには書かない。が、結局どういうことかというと、マスケット銃から発射された弾丸は野球の変化球以上に回転しており、そのため野球の変化球以上に曲がることが可能なのである。
どのくらい曲がるのかは未知数だが、一説をあげるとオーストリアの学者は100mの距離にて最大70cm曲がることが可能だとしている。もし狙いから70cmも銃弾がそれた場合、人体のどの部分を狙ったとしてもほぼ確実に外れることが明白である。
では、どうすればマスケットで戦果を出せるのか。この命題にはいくつかの解決法が示唆されている。主なものとして
などがある。ただし、根本的な解決はミニエー弾[8]の発明によるライフリングの普及を待たねばならない。
他の欠点としては、先込め式(マズルローダー)であることから、棒立ちの状態でなければ装填が著しく難しくなること[9]、素早く銃弾を装填しての連発が不可能、雨に弱いという点がある。連発の問題については、クロスボウと同じく部隊を数列に分けて順番に撃たせるor弾薬装填、雷管装着、発射を3人に役割分担させる、または機構的に連発が可能なマスケット銃を開発するなどの対策がとられたが、最終的には雷管や薬莢の発明によって元込め式(ブリーチローダー)が現実の話となるまで解決しなかった。
現代携行小火器としての銃の主流は連発が可能な連発銃であり、単発銃であるマスケット銃は歴史上の資料、美術工芸品としての鑑賞用、競技用、儀礼・祭典用として存在する。
日本の各地には「火縄銃~会」等の火縄銃演武団体存在する為、大きな祭典・イベントでは火縄銃の射撃実演が鑑賞可能である。蝉丸pも所有者
ただし、マスケット銃が歴史から姿を消したわけではなく、最近では反アメリカ抵抗勢力がアフガニスタンにて使用しており、アメリカ軍が彼らより没収した武器の中にマスケットをいくつか見つけることができる。また、中東某所にて老年の特殊工作員が使用したとの情報もある。
言わずもかなだが、火縄銃は鉄砲刀剣類所持取締法(銃刀法)に抵触する。具体的には第二条の
および
の両者を満たすのが理由とされる。
ただし、十四条が
都道府県の教育委員会は、美術品若しくは骨とう品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲又は美術品として価値のある刀剣類の登録をするものとする。
としているため、「古式鉄砲」は美術品として所持することは認められている。
とある。マスケットは構造上、発射機構が管打式以降になりえないため、全てのマスケットは古式鉄砲に含まれる。
よって、マスケットの所有自体は都道府県の教育委員会の許可さえでれば所持はできるといえる。これは犯罪歴や危険思想などが見られない場合、比較的簡単に通ることができる。ただ譲渡が基本的に禁止されているため、やはり所持は簡単ではない。
日本前装式銃射撃連盟のサイトの条件を見ると、マスケットの発砲には猟銃用火薬類許可書、猟銃用火薬類消費許可書、および公安委員会講習修了証明書もしくは銃砲所持許可証の保持が必要である。
鉄砲所持許可証は筆記試験および教習射撃にて順当な結果を収めなければならなく、それ以上に銃の取り扱いに関する安全性が重要視される。また、所持許可と同じように犯罪歴や危険思想などのチェックも入る。他にも全講習課程は数万円の講習料を必要とする事実がある。それと同時に所持志願者は黒色火薬の使用許可を取るため、猟銃用火薬類許可書、猟銃用火薬類消費許可書も必要とする。
日本前装銃射撃連盟 公式ホームページ
http://www.mlsa.jp/
掲示板
173 肉太郎
2021/12/02(木) 22:00:24 ID: MXX/Q/updj
つまり米に行けって事
174 ななしのよっしん
2022/06/13(月) 15:37:31 ID: cv8mGkHrhZ
>>170
>>171
理想的な条件でも、必ずしも弓矢の命中率は高くないし、(公算射撃で矢の雨を降らせる運用を除けば)命中を期するには十分引き付けて撃つ必要があることを忘れてはいけないんだよな
確かにマスケットの命中率は絶対的な数字だけでいうとゲロマズだが、弓矢もマスケットの有効射程の内側じゃないと、直撃は期待しにくいことを忘れてはいけないね
それに、とりわけ改良されたマスケットがそうなのだが、マスケット銃兵は列をつめて戦列として運用でき、槍や銃剣と連携しやすいのに対して、基本的に弓兵は互いの間隔をかなり開けた散兵(ないし、かなり緩やかな戦列)としてでないとうまく運用できないという問題もあるな。同じことは投石などにも言える。
まあ、要するに、一見して飛び道具という共通点があるように見えるが、銃と弓矢は、実は「異種競技」なのよね
175 ななしのよっしん
2022/07/13(水) 18:27:28 ID: UTjfmYxB8I
安倍晋三射殺事件の犯人の密造銃も定義上はマスケット銃になるのかな。
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最終更新:2024/03/29(金) 00:00
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