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AZ-1とは、1992年にマツダのブランド「オートザム」から販売された2シーター・スポーツクーペの軽自動車である。
1992年9月24日に発表され、同年10月5日に発売されたこの車は、同時期に発売されたホンダ・ビート(BEAT)、スズキ・カプチーノ(Cappuccino)と並べて平成ABCトリオと呼ばれた。
と、トヨタのように自社ブランドを5チャンネル化した。AZ-1はこのうちオートザム店(AUTOZAM)ブランド系列店のフラッグシップモデルとなるべく開発・販売された。
車両の型式番号はE-PG6SA。車名のAZはオートザムの略称であり、その後ろの1について実際の由来は定かではないが、AZ-3やRX-7、RX-8などと同様であれば社内独自規格に基づいた車格を表す物だと思われる。[要出典][1]
リアミッドシップにDOHCインタークーラーターボのF6Aエンジンを搭載し、マンマシンレスポンスを命題として「究極のハンドリングマシーン」と銘打たれて世に放たれた。
エンジン出力64馬力、車重720kgと1tを切り、最高時速は空力の良さも手伝って180km/hを超える。
パワートレインの多くがスズキ・アルトワークスと共用で、エンジンはカプチーノと同型など、一部部品の互換性がある。
いかにもスポーツカー然とした外装はFRP製であり、スケルトンモノコックというフレーム構造にボディパネルを貼り付ける構造をしているため、外装を全て外した状態でも自走可能な剛性を誇る。
車重が非常に軽く、軽自動車規格の小柄なサイズにロックトゥロックが2.2(面舵一杯から取舵一杯までの回転量、通常は3程度)というハンドリングの鋭さも手伝って機敏な走りを見せる。
自主規制枠一杯のエンジン出力から発揮されるその軽快さは下手な普通車以上。
最大の特徴は、国産車ではトヨタ・セラの他に例が無いガルウィングドア。
最もセラのドアは、正確にはバーティカルドアなので正式なガルウィング車としてはAZ-1が国内唯一である。
ハッチバックのダンパーとは比較にならない程強力なダンパーを使用した本格派で、ただでさえ低い車高と車体の小ささが醸し出す異質感との相乗効果で、一気に注目を集める事受けあい。
これは単に見た目のためだけではなく、高いサイドシルによって車体剛性を増すためでもある。
またバケットシート標準装備という点もこの車くらいのものである。
設計統括者は初代ユーノスロードスターの開発主査だった平井敏彦氏。
これほど遊び心が盛り込まれた車を軽自動車価格で発売した事に、マツダの本気が伺える。
その運転の楽しみのみを追求した設計とスポーティなスタイリングから、この車は軽自動車規格の中で作られた国産スーパーカーであると言えるだろう。
この車が企画された当時はバブルの絶頂期、同時期に登場したビート、カプチーノからもわかるように、
各自動車会社が新たな市場開拓を狙って企画した結果が「遊び心に溢れた車を維持費の安い軽で出せば、セカンドカーとして売れる」というコンセプトだった。
中でもAZ-1は最も早く企画され、ビートが1990年、カプチーノが1987年に企画されたのに対しAZ-1は1985年7月から開発が計画されていた。しかし開発陣が凝り過ぎたために販売が遅れ、ABCの中ではAZ-1が一番後手に回ってしまったが、平井氏の指揮によってついに市販が実現した。
こうして満を持して登場したABCトリオだったが、しかし結果は各車とも成功とは言いがたいものだった。
というのも、開発が終わっていざ発売となってみればバブル崩壊、更に各車とも軽にしては価格が高く、「もう少し出せば完成度の高い名車・ロードスターが買える」という点がダメ押しとなって、かなりの客層がそちらに流れてしまった事(当時のロードスター新車価格は160万円ほど)、おまけにAZ-1に限っては先発のBとCにもターゲット客層の大半を取られてしまっていた等の要因が重なり、当初20000台生産予定だったものの、結局4392台が発売された時点で生産が中止されてしまった。[2]
ビートやカプチーノはそれでも累計25000台以上生産されたため、現在でもそれなりの流通量があるがABCの中ではAZ-1がダントツで売上ワーストであり、事故や部品取り等で現存台数が減ってしまった今では希少絶版車という名の絶滅危惧種となってしまっている。
一方、その現存する車両の内、少なくない数がイギリス等に輸出されたらしく、右ハンドル左側通行といった交通ルールの一致やイタリア産スーパーカーのようなエクステリアに「MADE IN JAPAN」の信頼性(しかもヨーロッパ方面で比較的人気があるMAZDA製)、更に小柄な車体が狭い風土に上手くマッチしたためか一定の人気を博したようで、
現在は向こうでも貴重品扱いされているというから世の中はわからない。流石 変態 紳士の国。話がわかるッ!
生産期間 | 1992年10月5日 - 1993年6月 |
乗車定員 | 2名 |
タイプ | 2ドアクーペ |
エンジン | F6A型 657cc 水冷式 直列3気筒DOHC インタークーラーターボ |
最高出力 | 64ps / 6500rpm |
最大トルク | 8.7kgm / 4000rpm |
変速機 | 5速MT |
駆動方式 | MR (エンジン横置き) |
サスペンション | 前 マクファーソンストラット / 後 マクファーソンストラット |
ブレーキ | 前 ディスク サーボ / 後 ディスク サーボ |
全長 | 3295mm |
全幅 | 1395mm (ドア開放時:開閉幅 最大+320mm) |
全高 | 1150mm (ドア開放時:1700mm、ドアミラー含むと+100~200mm) |
ホイールベース | 2235mm |
トレッド前後 | 前 1200mm / 後 1195mm |
最小回転半径 | 4.7m |
新車価格 | 1,498,000円 (標準仕様) / 1,578,000円 (ABS装備) |
挙げるとキリがない。不便自慢でも恐らく日本一。
とまあ、普通の人にはとても売れそうに無い 変態の変態による変態のための この車。
しかし、この車にしかない、唯一無二の長所の数々もあるため、
最近の軽ブームの影響か否か、この車が再評価される向きもある。 この変態共め。
特に前述のABC全滅の失敗に懲りて、この手の車は今後二度と出ないだろうと言われていたが
近年2シーター軽クーペという分野にダイハツ・コペン(COPEN)が新規参入してきた事は実に喜ばしい事だと思う。
ここで少しコーヒーブレイクといこう。
前述でサイドシルが高いとか、そのお陰で車高がとても低いのに剛性が高い、といった話をしたと思う。
一体どういう事なのか? 簡単な図を交えて説明しよう。
まず「剛性」とは何かという所から説明する。
一般的に剛性とは外部から加えられる力に耐える堅牢性、変形のし難さ、といった意味で使われる。
車というものはカーブを曲がる度に遠心力という名の大きな力に晒されるため、
車体が頑丈に出来ていない、つまり剛性が低いと車体そのものが捻じれたり曲がったりしてしまう。
なので、一般的な車はシャーシと呼ばれる土台を頑丈に作って曲がる力に耐えられるように設計されている。
ハードトップの車は屋根側のフレームでも剛性が上がるが、BやCのようなオープンカーだとそうもいかないので
「一枚の底板を基盤にタイヤをつけ、そこから上の物は載せるだけ」という構造が大衆車の基本形と考えて頂こう。
さて、左が一般的なドアの車、右がAZ-1の図になる。黄色の物体が座席、赤枠にピンクの面がドアだ。
単に車の底をペラペラな鉄板一枚だけにしてしまうとあっさり捻じれてしまうので何か補強が必要となる。
そこで考えられるのは2つ。上記の図のように板の中に梁を張り巡らせるか、外枠を高くして囲むかだ。
左が現在でも主流である「床板+骨組」のプラットフォーム型、右がAZ-1の採用するぺリメーター型である。
梁がフロアトンネル、枠がサイドシルという形で実際の部位として現れる事になる。
一般的な大衆車ではAZ-1のような高い外枠というものを付けるのは難しい。何故か?
簡単だ。乗り降りするための開口部が、高い外枠の上から低い屋根の間の隙間という事になると、ダストシュートにでも潜り込むようにその穴をくぐらないと乗れないからだ。これでは不便極まりない。
そのため、ドアが横にしか開かない一般車はここで更に2つの選択を強いられる。
ドアの足元を出来るだけ低くするため外枠を諦めて中の梁で頑丈さを保つか、屋根の高さをうんと高くするかだ。
ところが梁で強度を確保した場合、どうしても居住空間に厚みが出来てしまう。
下敷きの厚みとダンボールの厚みの差を考えてもらえればピンとくるだろう。
最近は前述の屋根側のフレームと一体型にするモノコック構造などで改良されてきてはいるが、どちらにせよ梁の上に物を置いている限り、ある程度は車高が犠牲になってしまう。
一方、外枠シャーシの方は枠の中に入ってしまえば厚みは下敷き並だ。ルーフフレームとのモノコック構造にして、必要なものを詰め込んだ上で余った隙間にも梁を渡してやれば、強度と背の低さが高い基準で両立出来るだろう。
背が低い事によるメリットは測り知れない。空力抵抗が減って加速と燃費が上がり、重心が下がって安定感が上がる。
スポーツカーとして魅力的なこの形を維持したまま、誰でも乗り降り出来るようにするにはどうすればいいか。
天井が低くて邪魔なら、天井ごと開ければいい。そう、AZ-1の開発者が出した結論こそが、ガルウィングドアだ。
AZ-1のガルウィングは、なんとなく付けられたものでは無い。最大の長所を活かすために必要な構造なのである。
こうして出来上がったAZ-1は純正状態でも車高1150mmと圧倒的に低いにもかかわらず、日本の車高最低基準である「地面から底面の一番低い部分まで9cm」という基準まで、まだ3cmほど余裕がある。
このイタリアンスーパーカー並の車高の低さは、国産大衆車としては未だに他の追随を許していないのだ。
カラーバリエーションに「青」があって「鳥」のようなガルウィングドアを持ち、
道行く人が思わず振り返る「スタイルの良さ」を誇り、かつ車高は「ぺったんこ」、
扱い難いが乗りこなせれば素晴らしい運動性を発揮する「クーデレ」っぷり、
快適装備皆無で他に取り柄が無いが「走りだけは誰にも負けない」一途さを持ち、車重「72」0kg、と
…擬人化すれば某アイドルみたいになりそうだ。きっとクラクションを鳴らしたら「くっ くっ」と鳴くことだろう。
ちょっとした発見があれば随時追加していきます。
でも
よってAZ-1が一番よい(キリッ
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最終更新:2024/04/25(木) 12:00
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