ルミノール(Luminol)とは、科学捜査において血痕の検出に用いられる試薬である。
刑事ドラマや推理小説、漫画作品などをよくご覧になる方なら、きっとルミノール試薬、あるいはルミノール反応という言葉を聞いたことがあるだろう。血痕鑑定の方法として知られており、おそらく最も有名な化学発光試験法である。この試験で用いられている化合物こそ、試験法の名前にもなっているルミノールである。
ルミノール化学発光試験は、ルミノールが過酸化水素(H2O2)と反応すると波長460nmの強い光を放出する性質を利用している。可視光線(VIS)の波長領域がおよそ400~800nmであり、460nmの光は青色(紫青色)に相当する。
この反応は金属錯体や酵素によって触媒される。触媒とは、反応の活性化エネルギーを小さくすることで、反応速度を速める性質をもつ物質のこと。血液中には赤血球が存在し、赤血球にはヘモグロビンが含まれている。このヘモグロビンには鉄が結合しており、これが触媒となる。触媒があり、反応速度が速まると発光が強くなるため、血痕かどうか判定することが可能となる。なお、血痕中のヘモグロビンは時間の経過とともに酸化されヘミンに変化するが、ヘミンの方がより触媒能が高く、発光が強くあらわれる。
ただし、実際には血痕のヘモグロビン(ヘミン)にのみ触媒されるわけではなく、たとえばダイコンやキュウリなどに含まれている酵素にも触媒される。そのため、ルミノール試験は予備試験に過ぎない。本当に血痕なのかどうか確認する場合には、本試験としてヘモグロビンないしヘミンの結晶析出検査が行われる。[1]
なお、日本の科学捜査で初めてルミノール試薬を用いた血痕確認試験が行われたのは、1949年に起きた下山事件であったとする説が有力であるが、1937年に起きた新潟一家殺害事件だったとする説もある。[2]
余談だが、しりとりで「る」攻め(末尾に「る」のつく言葉ばかり返す戦略)を採られた場合、ルミノールと返すことでカウンターアタックできる。同様の言葉としてルール、ルーブル、ルシフェル、ルノワール、ルルなどがある。
掲示板
1 ななしのよっしん
2014/12/08(月) 19:31:05 ID: nWr/Grul4I
一応ルミノール消せる洗剤(?)があるらしいけど刑事ドラマで使われた事ないよね。
2 ななしのよっしん
2015/06/27(土) 01:45:37 ID: qwILgZ2BMC
理系ホイホイ。
化学発光の演示実験で使われる試薬はルミノールにオキシドールと苛性ソーダを加えたもの
恐らく科学捜査でも同等のものが使われている(いた)はず
演示実験では触媒としてフェリシアン化カリが使われることが多い
ルミノール試験は非破壊的ではないので後からDNA鑑定などができなくなるという欠点もあるとかいう話
反応機構は厳密には解明されていないとか
仕組みを調べるよりその応用分野を広げていくほうが生産的ということか
3 ななしのよっしん
2022/04/18(月) 20:31:24 ID: p/gNubcYi0
コナンでよく聞くあれですね
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最終更新:2024/04/25(木) 09:00
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