レウコクロリディウム単語

レウコクロリディウム

2.8千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

レウコクロリディウム(Leucochloridium)とは、グロさに定評のある寄生虫である。
英語読みロイコクロリディウムとよばれることも多い。
また、本記事では病人の活躍によりレウ子称を用いることがある。

概要

ニコニコ大百科動物
レウコクロリディウム

分類 有襞吸虫目レウコクロリディウム科レウコクロリディウム属
学名 Leucochloridium paradoxum

Leucochloridium→
paradoxum→奇妙な
このテンプレートについて

この寄生虫は特殊な生態を持ち、寄生された側の悲惨な変貌話題になるほか、寄生者が宿神経を支配して奇妙な行動を取らせる例としてよく知られている。詳しくは後述。

聞は一見に如かずなので、初めての人はまず動画をご覧いただきたい。
タイトル通り並々ならぬキモさを持つため閲覧注意

サムネ緑色のイモムシがLeucochloridium。既にこの時点でサムネバイバイである。

それでは、ここからはLeucochloridiumの驚くべき生態について詳しく見ていこう。

宿主

中間宿→オカモノアガイを初めとする、オカモノアガイ科のSuccinea属およびOxyloma属の陸棲巻貝。本記事では便宜上カタツムリと呼称する。

終宿カラススズメ・ツグミなどの小鳥。本記事では便宜上と呼称する。

日本でも北海道沖縄県で発見されているらしい。ヒトに寄生したという報告はないのでご安心を。

※以前、「特命リサーチ200X」で、カタツムリを食べるとヒトに寄生してを侵す恐ろしい寄生虫の特集があったようで、それがLeucochloridiumだと思われているケースがあるが、「広東住血線」という別の寄生虫である。

戦略

この寄生虫は寄生している便にを産みつける。そして端や森林に排出された便をカタツムリ摂食する事でカタツムリ体内に侵入する。

体内でミランジウムを経てスポロシスト(「生活環」の項を参照)を形成したLeucochloridiumはカタツムリの体内で大きく膨らみ、"broodsac"とよばれる特殊な袋状の構造に成長する。"broodsac"には色のついた斑点と起した環状の縞模様があり、この縞はサムネのように非常に手な見たをしている。

"broodsac"の内部では多数の幼生が成長・増殖している。時が満ちると"broodsac"はまるで一本のイモムシのごとくカタツムリの触部分に移動する。この時点で触は巨大に膨らんで異様な貌を呈する。

そしてここからがこの寄生虫の妙なる部分である。"broodsac"表面のカラフルな縞模様が手に脈動するのである。このため、カタツムリの触はまるでイモムシが葉の上を這っているように見える。は普段はカタツムリを積極的に食べることはないが、"broodsac"がの好物であるイモムシに「擬態」していることによりを惹きつけるのである。
カタツムリは普段日なたを嫌い湿気と陰気の強い葉の陰などに隠れているが、Leucochloridiumに寄生されるとわざわざにつきやすい間の日なたに出てくる。このため、この寄生虫自殺を促しているともいわれるのである。神経系を支配して自殺や飢餓を促す寄生虫は、他にはカマキリに寄生するハリガネムシハチに寄生するネジレバネがよく知られている。ところが、寄生されたカタツムリ養分を横取りされることなく、寄生されていないものよりも長生きするのだという。
につつかれた"broodsac"はその体内ではじけ、数の幼を満たす。感染した緑色に染まり、やがてカタツムリ同様伸び始める…ようなことはないが、の体内で成長し、直腸でを産んで一生を終える。

「擬態」というと、ナナフシのように、敵のを逃れるために周囲の環境に溶け込んだり(隠蔽擬態)、あるいはハナカマキリのように、敵のを欺くためにそれを行う(攻撃擬態)などの例が思い浮かぶが、まさか「食べられるための擬態」があるとは前代未聞のことであり、生態学的にも興味深い行動だといえる。似たような行動としては、同じく寄生虫アジギアの幼がボウフラに擬態することで積極的に食べられようとする例がある。

しかし、の腸の中に入り込もうとする、ただそれだけのためにカタツムリを操るというあまりにもヘンテコな生態を持つ生物は他に例がない。コバンザメもびっくりだ。

生活環

Leucochloridiumの生活環を以下に示す。

特殊なのは、普通この類の吸は「セルリア幼生」と「成体」の間で2番の宿(第2中間宿)に移動するのに対して、レウコクロリディウムの場合はカタツムリ一の中間宿であるという点である。


(終宿 (外界) カタツムリ(中間宿

Egg

の中に排出される。

入りのを食べると感染。

ミラシジウム幼生 Miracidium

待機中…

カタツムリ体内で孵化、成長開始。

スポロシスト幼生 Sporocyst

待機中…

カタツムリの体内で成長・増殖中…
スポロシスト(幼生を包む袋)は特殊化して"broodsac"になる

レジア幼生 Redia

待機中…

カタツムリの体内で成長・増殖中…
"broodsac"が触に移動

セルリア幼生 Cercaria

数のレウ子ごと触捕食。この際に少数がに感染する。

レウ子フィーバータイム\(^o^)/

メタセルリア幼生 Metacercaria

の体内で、質の袋に包まれてじっと耐える。
待機中…

成体 Adult

の排出腔で発育して成体になる。口と部の2つの吸盤でしがみつき、大量のを産んで死ぬ。


待機中…

Egg

液状の便と共に排出される。
ふりだしに戻る


待機中…

実は、は肥大した触部分のみを食べるので、カタツムリは生き残る。触は程なく再生するが、すると体内に残ったLeucochloridiumがここに移動するのである。まさに無限ループ

フィクションにおけるレウコクロリディウム

漫画死体宅配便」ではヒトに寄生するLeucochloridiumが登場する。篠田節子小説の災厄」ではレウコクロリディウムと同様の生態を持つウイルスが登場する。

また、ゲームバイオハザード4」に登場する寄生生物「プラーガ」とは宿を操るという共通点があり、作中のメモではそれに対抗するためのヒントとなりうる寄生虫の一つとしてLeucochloridiumが紹介されている。

レウコクロリディウムに関連する楽曲

  • Leucochloridium…レウコクロリディウムの生態を知れば歌詞の意味がよく分かる。

関連商品

関連動画

関連項目

この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

急上昇ワード改

最終更新:2024/03/29(金) 10:00

ほめられた記事

最終更新:2024/03/29(金) 10:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP