丵とは、草むら、もしくは掘るのに用いる道具という字である。
漢字として
- 意味
- 草むら、ギザギザ、掘鑿に使う道具という意味がある。〔説文解字・巻三〕には「叢生する艸なり」とある。
- 字形
- 諸説ある。
- 〔説文解字〕は「丵嶽として相ひ竝び出づるに象るなり」と草むらの象形とする。丵嶽の意味は明らかではないが、逆木をノコギリ状に立てることを作鄂(柞鄂)ということから、ギザギザしたという意味であるとされている。叢の初文とする説、掘鑿に使う先端がギザギザした道具の象形で、鑿の初文とする説(白川静)がある。
- 音訓
- 音読みはサク、訓読みは、ほる、くさのむらがり。
- 規格・区分
- 常用漢字ではない。JIS X 0212補助漢字。
- 部首
- 丵は、〔説文解字〕や〔玉篇〕で部首である。説文はほかに業、叢、對(対)を収める。
- 声符
- 丵を声符とする漢字には、糳、鑿などがある。
異体字
- 𦭱は、〔篇海〕にある異体字。誤って草冠になったもの。