光害 単語

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光害ひかりがい・こうがい)とは、人工照明が起こす「うおっまぶしっ」な被害の総称である。

概要

光害(ひかりがい)とは、良好な「環境」の形成が、人工の不適切あるいは配慮に欠けた使用や運用、漏れによって阻されている状況、又はそれによる悪定義する。

環境省 光害対策ガイドライン 平成18年12月改訂版exit

夜景

ほんの150年くらい前まで、っ暗なのは当然だった。火で照らすことができる範囲はとても狭く、明かりには遠く及ばなかった。しかし今やのように明るく、が出ていても気づかない人が多い。地から離れてもはそこかしこにあり、人口密集地の方向のは煌々といている。

この状況が自然からかけ離れているという警鐘はくから鳴らされており、20世紀初めのアメリカでは既にが上がっていたとされる。だが同で光害(light pollution)が対策の必要な問題と認識され始めたのは1950年代で、取り組みが本格化したのは1980年代である。

日本では1970年代に「光害」という言葉が登場してたちの間で問題となった。環境庁(当時)は大気汚染調の一環として1987年から夜空の明るさを全で調するようになり、1994年環境白書に「光害」を盛り込んだことでこの用市民権を与えた。

なお、「光害」は元々「こうがい」と音読みされていたが、「公害」と紛らわしいことから「ひかりがい」とも言われるようになった。環境省は「ひかりがい」と読んでいる。

原因

いくらなんでも今さら「電気を全部消せ」という訳にはいかない。でも照明が本当に必要なところだけを照らしていれば、光害はかなり抑えられる。そこで「駄にを明るくしてしまう要因」を考えると以下のように列挙できる。

  • 外に漏れる屋内照明カーテンを閉めることは環境のためにもなるのだ。
  • 上方照射サーチライトが分かりやすいが、普通でも構造次第では半分以上のが上に放たれている。
  • の反射。たとえを下に向けても、タイル舗装などは土よりはるかに反射率が高い。またビルのようにを反射することはでも問題になることがある。
  • なくていい場所や不要な時間帯におけるの使用。店舗の24時間営業がこの観点から問題視されることもある。

突き詰めれば「もっと効率よくを使おう」ということになるので、光害対策は省エネにもつながる。ただ、省エネに効果的だとしてLEDが積極的に導入された結果、かえって照明が増えて光害が増えているという報告もあるので難しい。

光害の影響

天体観測の邪魔

見せられないよ!

光害がクローズアップされるようになった発端がコレ。

今この記事をご覧の方のうち、自宅から天の川を見ることができる人は、多く見積もっても半分に満たないはずだ。都市部のは淡いなどのきを見事にブロックしてしまう。そのため本格的な天体観測写真をしたい人は遠征を強いられるのだ。そして見に適した場所となると公共交通機関が通ってなかったりするので、が必須である。

また夜空に覆われると、天文学者たちはお先っ暗となる。古くからあった文台の近くに大きなが形成されてしまうのも良くあることで、職員たちはと悲しみに包まれている。日本外にすばる望遠鏡などの大望遠鏡を建てているのは、光害を避けるという理由が大きい。

動植物への影響

光に集まる虫

は多数のを寄せ集めてしまうため、間接的に人間への被害ももたらすことになる。で寄せ集めると言えばイカなどを狙う漁も有名だが、集の多くはだけでなくまでお構いなしに照らすため、渡り鳥に悪がでているのではないかという摘もある。

を好む動物がいれば、夜行動物のようにを嫌う連中もいるので、継続的な照明は生態系を変動させてしまうことにもつながる。有名な例として、米国ロリダ州のウミガメが挙げられる。同州にはウミガメが毎年産卵をするがあったが、照明のせいでが寄りつかなくなったり、折を産んでも孵化した赤ちゃんに釣られて陸に向かってしまったりする事態が相次いだ。このため産卵期間中はウミガメに配慮した照明を使うなどの対策が行われている。

植物を受けやすい。日中太陽植物エネルギーだが、の暗さも正常な成長に必要なのだ。特に稲がに敏感でダメになりやすいという報告がある。

人間活動の阻害と健康被害

目が、目が〜!

医学記事 ニコニコ大百科:医学記事
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

は私たちの安全を守ってくれるはずなのに、ときとして危険なを及ぼすことがある。

道路沿いに不適切ながあるとドライバー歩行者ませたり注意を逸らせたりするため危険である。広告照明に加え、日中建物の反射も問題となりやすい。

また、住宅の中に差し込むはプライバシーの侵と安眠妨につながる。そうでなくても現代人は間の活動が増えていて、その間にを浴び続けているため体内時計が狂いやすいと言われている。

さらに、先述したとおり近年はLEDの使用が増えているが、残念ながらLEDにはダメージを与えやすいい波長、いわゆる「ブルーライト」が多く含まれるという問題がある。あなたがこの記事を読んでいるその画面も健康を与えてしまうかもしれないのだ。光害問題全般がそうであるように、は適切な量に抑えて必要のないときは全にシャットアウトすることが大事と言えるだろう。

関連動画

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関連コミュニティ

外部リンク

環境省:「光害ガイドライン、パンフレット等」のページexit

国際ダークスカイ協会 東京支部exit

国際ダークスカイ協会(International Dark-Sky Association)英語サイトexit

関連項目

光害ひかりがい・こうがい)とは、人工照明が起こす「うおっまぶしっ」な被害の総称である。

光害(ひかりがい)とは、良好な「環境」の形成が、人工の不適切あるいは配慮に欠けた使用や運用、漏れによって阻されている状況、又はそれによる悪定義する。

環境省 光害対策ガイドライン 平成18年12月改訂版exit

夜景

ほんの150年くらい前まで、っ暗なのは当然だった。火で照らすことができる範囲はとても狭く、明かりには遠く及ばなかった。しかし今やのように明るく、が出ていても気づかない人が多い。地から離れてもはそこかしこにあり、人口密集地の方向のは煌々といている。

この状況が自然からかけ離れているという警鐘はくから鳴らされており、20世紀初めのアメリカでは既にが上がっていたとされる。だが同で光害(light pollution)が対策の必要な問題と認識され始めたのは1950年代で、取り組みが本格化したのは1980年代である。

日本では1970年代に「光害」という言葉が登場してたちの間で問題となった。環境庁(当時)は大気汚染調の一環として1987年から夜空の明るさを全で調するようになり、1994年環境白書に「光害」を盛り込んだことでこの用市民権を与えた。

なお、「光害」は元々「こうがい」と音読みされていたが、「公害」と紛らわしいことから「ひかりがい」とも言われるようになった。環境省は「ひかりがい」と読んでいる。

いくらなんでも今さら「電気を全部消せ」という訳にはいかない。でも照明が本当に必要なところだけを照らしていれば、光害はかなり抑えられる。そこで「駄にを明るくしてしまう要因」を考えると以下のように列挙できる。

  • 外に漏れる屋内照明カーテンを閉めることは環境のためにもなるのだ。
  • 上方照射サーチライトが分かりやすいが、普通でも構造次第では半分以上のが上に放たれている。
  • の反射。たとえを下に向けても、タイル舗装などは土よりはるかに反射率が高い。またビルのようにを反射することはでも問題になることがある。
  • なくていい場所や不要な時間帯におけるの使用。店舗の24時間営業がこの観点から問題視されることもある。

突き詰めれば「もっと効率よくを使おう」ということになるので、光害対策は省エネにもつながる。ただ、省エネに効果的だとしてLEDが積極的に導入された結果、かえって照明が増えて光害が増えているという報告もあるので難しい。

天体観測の邪魔

見せられないよ!

光害がクローズアップされるようになった発端がコレ。

今この記事をご覧の方のうち、自宅から天の川を見ることができる人は、多く見積もっても半分に満たないはずだ。都市部のは淡いなどのきを見事にブロックしてしまう。そのため本格的な天体観測写真をしたい人は遠征を強いられるのだ。そして見に適した場所となると公共交通機関が通ってなかったりするので、が必須である。

また夜空に覆われると、天文学者たちはお先っ暗となる。古くからあった文台の近くに大きなが形成されてしまうのも良くあることで、職員たちはと悲しみに包まれている。日本外にすばる望遠鏡などの大望遠鏡を建てているのは、光害を避けるという理由が大きい。

動植物への影響

光に集まる虫

は多数のを寄せ集めてしまうため、間接的に人間への被害ももたらすことになる。で寄せ集めると言えばイカなどを狙う漁も有名だが、集の多くはだけでなくまでお構いなしに照らすため、渡り鳥に悪がでているのではないかという摘もある。

を好む動物がいれば、夜行動物のようにを嫌う連中もいるので、継続的な照明は生態系を変動させてしまうことにもつながる。有名な例として、米国ロリダ州のウミガメが挙げられる。同州にはウミガメが毎年産卵をするがあったが、照明のせいでが寄りつかなくなったり、折を産んでも孵化した赤ちゃんに釣られて陸に向かってしまったりする事態が相次いだ。このため産卵期間中はウミガメに配慮した照明を使うなどの対策が行われている。

植物を受けやすい。日中太陽植物エネルギーだが、の暗さも正常な成長に必要なのだ。特に稲がに敏感でダメになりやすいという報告がある。

人間活動の阻害と健康被害

目が、目が〜!

医学記事 ニコニコ大百科:医学記事
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

は私たちの安全を守ってくれるはずなのに、ときとして危険なを及ぼすことがある。

道路沿いに不適切ながあるとドライバー歩行者ませたり注意を逸らせたりするため危険である。広告照明に加え、日中建物の反射も問題となりやすい。

また、住宅の中に差し込むはプライバシーの侵と安眠妨につながる。そうでなくても現代人は間の活動が増えていて、その間にを浴び続けているため体内時計が狂いやすいと言われている。

さらに、先述したとおり近年はLEDの使用が増えているが、残念ながらLEDにはダメージを与えやすいい波長、いわゆる「ブルーライト」が多く含まれるという問題がある。あなたがこの記事を読んでいるその画面も健康を与えてしまうかもしれないのだ。光害問題全般がそうであるように、は適切な量に抑えて必要のないときは全にシャットアウトすることが大事と言えるだろう。

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環境省:「光害ガイドライン、パンフレット等」のページexit

国際ダークスカイ協会 東京支部exit

国際ダークスカイ協会(International Dark-Sky Association)英語サイトexit

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