北陸本線

北陸本線（ほくりくほんせん）とは、滋賀県の米原駅から福井県の敦賀駅を結ぶ西日本旅客鉄道（JR西日本）の鉄道路線である。
かつて北陸本線であった敦賀駅から新潟県の直江津駅までも記載する。

概要

北陸本線 基本情報 運行事業者 西日本旅客鉄道 路線総延長 45.9km 路線記号 A (琵琶湖線区間、 北陸線長浜～敦賀) 総駅数 12駅（旅客駅） 1駅（貨物駅） 使用車両 221系、223系など 軌間 1067mm 最高速度 130km/h

北陸本線は滋賀県米原市から北上し、日本海沿線の福井・金沢・富山の各都市を結び新潟県上越市まで至る路線であった。

全線複線であるが、電化方式は

• 米原～敦賀：直流1.5kV
• 敦賀～糸魚川：交流20kV・60Hz
• 糸魚川～直江津：直流1.5kV

と交流区間が直流区間に挟まれる形となっている。

このため車両は交流・直流双方で使用可能な電車がほとんどになり、運行形態にも影響がある。また、交流区間では他路線の直流区間の列車が流用できないため、かつては国鉄時代の電車が多数を占めていたが、最近では置き換えが進みJR車のほうが多くなっている。

なお米原～長浜間はJR東海道本線米原～京都間と合わせて「琵琶湖線」と愛称が付けられている。長浜～敦賀間はそのまま「北陸線」として案内される。ラインカラーと路線記号は「琵琶湖線」区間と「北陸線」長浜～敦賀区間で共通であり、カラーは青色で路線記号は「A」となっている。

現在は全区間で車掌が乗務しているが、2014年10月18日から第3セクターへの移行準備の関係で金沢駅～富山駅間は日中の間はワンマン運転となった（倶利伽羅駅のみ車内で運賃収受実施）。
2015年3月14日の北陸新幹線開業に伴い金沢駅以東が第3セクターに移管された為、北陸本線としては米原駅から金沢駅までとなった。2024年3月16日の北陸新幹線敦賀開業の際には北陸本線は米原駅～敦賀駅間となった。（もしかしてこういう状態になる事見越して敦賀駅まで直流化した？）

特急銀座

北陸本線は並行する新幹線が存在しなかったため、他の路線と比較しても特急の本数が多く「特急銀座」とも呼ばれていた。主な特急は北陸と大阪を結ぶ「サンダーバード」、名古屋方面への「しらさぎ」がそれぞれ大体1時間に1本運行されていた。

しかしながら、普通電車のダイヤが特急列車の合間を縫って組まれているため、運転間隔も不均等であり特急退避のための待ち合わせ時間も非常に長く不便であった。JR西日本金沢支社としては通勤でも特急を利用してくださいと言いたいのだろう。北陸新幹線敦賀開業で特急は新幹線に移行して追い抜く列車は貨物だけになった事、第三セクター化後はJR時代の収入源の特急がなくなり経営的に厳しくなる為利用者増加に繋げる為武生～福井間等の一部区間では増発も行われ、多少は便利になった。
また、普通列車の乗客の流動は福井駅や金沢駅などのターミナルで大半が区切られるため、主要駅での接続があまり考慮されていないところも多く、青春18きっぷを使って長距離を移動するのもやっぱり不便である。 こちらも北陸新幹線開業後は増発で多少は便利になった・・・が、越美北線関連以外で青春18きっぷは使えなくなった。

北陸新幹線開業後

北陸新幹線は2015年3月14日に開業したが、同時に実施されたダイヤ改正で北陸本線は大きく変化することになった。

一部区間の第3セクター化

北陸新幹線の並行在来線区間となる金沢駅～直江津駅間は第3セクター鉄道に移行された。移管後の会社は以下の通り。

• 金沢駅～倶利伽羅駅間（石川県区間）：IRいしかわ鉄道
• 倶利伽羅駅～市振駅間（富山県区間）：あいの風とやま鉄道
• 市振駅～直江津駅間（新潟県区間）：えちごトキめき鉄道（日本海ひすいライン）

特急の再編

特急も大幅に運行区間が再編されることになった。下記の特急は以下の通り再編された（北陸本線と関係があるもののみ記載。七尾線直通については「七尾線」の記事参照）。

• 廃止・運行区間短縮
  
  • 「はくたか」→廃止。福井～金沢間を運行する1往復は代替で「ダイナスター」（後述）を運行。
  • 「北越」→運行区間を新潟～直江津～上越妙高・新井に短縮し「しらゆき」に改称。
  • 「サンダーバード」→運行区間を大阪～金沢に短縮（1往復のみ和倉温泉発着）。
  • 「しらさぎ」→運行区間を名古屋・米原～金沢に短縮。
  • 「おはようエクスプレス」→運行区間を福井～金沢間に短縮。
• 新設
  
  • 「はくたか」の代替を含み、福井～金沢間に「ダイナスター」を3往復新設。

上記の影響により、ハピラインふくい区間における普通電車の所要時間短縮・武生～福井間の増発・快速列車の設定・運転間隔の均一化などが行われた。

その他

• 寺井駅を能美根上駅に改称。

北陸新幹線敦賀延伸後

2024年3月16日の北陸新幹線敦賀延伸により、北陸本線は以下の通りとなる。

一部区間の第3セクター化

北陸新幹線の並行在来線区間となる敦賀駅〜金沢駅間は第3セクター鉄道に移行される。移管後の会社は以下の通り。

• 敦賀駅〜大聖寺駅間（福井県区間）：ハピラインふくい
• 大聖寺駅〜金沢駅間（石川県区間）：IRいしかわ鉄道　※転換後は西松任駅が開業。

また、特急は勿論の事、普通列車の敦賀を跨いだ直通運転も廃止になった。（これによりJR西日本車の521系は営業運転で交直セクションを跨ぐことがなくなった。直流化したりするかは不明）

特急の再編

特急サンダーバード・しらさぎは敦賀駅以南のみの運行。サンダーバードは大阪駅～敦賀駅25往復、しらさぎは敦賀～名古屋8往復・敦賀～米原7往復となり、敦賀駅で「つるぎ」に接続する。なお、つるぎと接続できない米原～金沢間のしらさぎ号1往復は全区間で廃止された。この列車の代替列車として米原～敦賀間ノンストップの臨時快速（223系・225系4両使用）敦賀～福井間南条・武生・鯖江停車で運転の臨時快速（ハピラインふくい車521系2両使用）が運転され、敦賀駅で同一ホーム接続となる。
また、「おはようエクスプレス・おやすみエクスプレス」「ダイナスター」は全列車廃止となった。

なお、敦賀延伸後は北陸本線は直流区間のみとなることから、現在使用されている交直流両用車両である681系の廃車や、683系の289系化（直流専用化改造）が行われる可能性がある。既に681系は吹田工場の車両公開のプレスで1編成の廃車が確定している。

使用車両

現在の車両（2024年3月16日現在）

特急・急行

• 681系・683系（サンダーバード、しらさぎ）

普通列車

• 223系・225系・521系（米原駅～敦賀駅）

過去の車両

• JR東日本485系（北越）
• 583系（きたぐに）
• 北越急行681系（はくたか）※車両はJR西日本が継承・運行
• 北越急行683系（はくたか）※同上
• EF81形＋24系（トワイライトエクスプレス）
• EF81形＋JR東日本24系（日本海）
• 419系（敦賀駅～直江津駅）
• 457系・471系・475系（金沢駅～直江津駅）
• 413系・415系（金沢駅～津幡駅）※現在は移管されたIRいしかわ鉄道線経由で運行中
• 125系（長浜駅～敦賀駅）
• キハ120形（越美北線直通列車）
• キハ40系（キハ40形・47形）（高岡駅～富山駅）
• 221系（米原駅～長浜駅）

521系	223系	221系
471・475・457系	415系	413系

駅一覧

電化	駅名	■乗換 ○備考	所在地
直流	米原駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：東海道本線（琵琶湖線） ■東海旅客鉄道（JR東海）：東海道新幹線・東海道本線 ■近江鉄道：本線	滋賀県	米原市
	坂田駅
	田村駅			長浜市
	長浜駅	○長浜鉄道スクエア
	虎姫駅
	河毛駅
	高月駅
	木ノ本駅
	余呉駅
	近江塩津駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：湖西線
	新疋田駅		福井県	敦賀市
	敦賀駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：北陸新幹線・小浜線 ■ハピラインふくい：ハピラインふくい線

2024年3月16日分離区間

電化	駅名	■乗換 ○備考	所在地
直流	敦賀駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：北陸新幹線・小浜線・北陸本線	福井県	敦賀市
交流	この間で北陸トンネル(13,870m)を通過
				南条郡 南越前町
	南今庄駅
	今庄駅
	湯尾駅
	南条駅
	王子保駅			越前市
	武生駅	■福井鉄道：福武線（たけふ新駅）
	鯖江駅			鯖江市
	北鯖江駅
	大土呂駅			福井市
	越前花堂駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：越美北線（福井駅まで直通運転）
	*南福井駅	貨物駅
	福井駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：北陸新幹線 ■えちぜん鉄道：勝山永平寺線・三国芦原線 ■福井鉄道：福武線（福井駅停留場）
	森田駅
	春江駅			坂井市
	丸岡駅
	芦原温泉駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：北陸新幹線		あわら市
	細呂木駅
	牛ノ谷駅
	大聖寺駅	○IRいしかわ鉄道・ハピラインふくい境界駅	石川県	加賀市
	加賀温泉駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：北陸新幹線
	動橋駅
	粟津駅			小松市
	小松駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：北陸新幹線
	明峰駅
	能美根上駅	○2015年3月14日寺井駅より改称		能美市
	小舞子駅			白山市
	美川駅
	加賀笠間駅
	西松任駅	○2024年3月16日のIRいしかわ鉄道転換時に開業
	松任駅
	野々市駅			野々市市
	西金沢駅	■北陸鉄道：石川線（新西金沢駅）		金沢市
	金沢駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：北陸新幹線・ 七尾線（IRいしかわ鉄道線津幡駅より直通） ■IRいしかわ鉄道：IRいしかわ鉄道線（富山方面） ■北陸鉄道：浅野川線（北鉄金沢駅）

2015年3月分離区間

乗り換え路線は分離前を記載、現在の乗り換え路線は下記の転換後の路線記事参照。また、転換後に開業した駅は記載しない。

• 金沢駅～倶利伽羅駅間：IRいしかわ鉄道線
• 俱利伽羅駅～市振駅間：あいの風とやま鉄道線
• 市振駅～直江津駅間：えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン

電化	駅名	■乗換 ○備考	所在地
交流	金沢駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：北陸本線（米原方面） ■北陸鉄道：浅野川線（北鉄金沢駅）	石川県	金沢市
	*金沢貨物 ターミナル駅	貨物駅
	東金沢駅
	森本駅
	津幡駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：七尾線		河北郡 津幡町
	倶利伽羅駅
	石動駅		富山県	小矢部市
	福岡駅			高岡市
	西高岡駅
	高岡駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：氷見線・城端線 ■万葉線：高岡軌道線
	越中大門駅			射水市
	小杉駅
	呉羽駅			富山市
	富山駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：高山本線 ■富山地方鉄道： 本線（電鉄富山駅）・富山市内軌道線（富山駅前停留場） ■富山ライトレール：富山港線（富山駅北停留場）
	*富山貨物駅	貨物駅
	東富山駅
	水橋駅
	滑川駅	■富山地方鉄道：本線		滑川市
	東滑川駅
	魚津駅	■富山地方鉄道：本線（新魚津駅）		魚津市
	黒部駅			黒部市
	生地駅
	西入善駅			下新川郡 入善町
	入善駅
	泊駅			下新川郡 朝日町
	越中宮崎駅
	市振駅		新潟県	糸魚川市
	親不知駅
	青海駅
	糸魚川駅	■西日本旅客鉄道（JR西日本）：大糸線
直流	梶屋敷駅
	浦本駅
	能生駅
	筒石駅
	名立駅			上越市
	有間川駅
	谷浜駅
	直江津駅	■東日本旅客鉄道（JR東日本）：信越本線 ■北越急行：ほくほく線（信越本線犀潟駅より直通）

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関連項目

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