大衆小説 単語

タイシュウショウセツ

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大衆小説(or大衆文学)とは、現代的大衆文化の一としてみなされるような文芸小説(≠ラノベ)のことである。

例として、ミステリーとか時代小説とか。ストーリー重視である場合が多い。

今日世界においては芸術と全体化した商業娯楽の区別が漠然としているので、どこまでが純文学小説でどこからが大衆小説なのかというのは、よく分からないっちゃあよく分からないし、一般の読書からするとどうでも良くなりつつある。

事実として、演劇行・映画ドラマアニメ漫画といった近現代の隣接ジャンル世界では、芸術的文学的な価値をとことん志向した(お堅い)作品娯楽性重視の作品をちゃんと分けようとすることが、そもそもほとんどない。確かに文学映画というジャンルがあったり、「この作家人間の生き方や不条理に深く切り込んだ太系の作品をつくりますよね」みたいな話をしたりはするが、フィールドとして分けてしまおうという考えは普通ないだろう。

しかし(日本語の)小説というジャンルでは、文学界(文壇というやつです)が文学るために「純文学」という世界物差しを用意した一方で、それとは異なる評価軸の中で大衆小説が大衆小説として栄えすぎてしまったので、未だに時々「この作品は純文学というには通俗的すぎるしあっち(大衆小説)の作品と見なすべきだ」「あの人は傑出した純文学作家だね」みたいな話もされたりするわけである。

小説を読む側からしてみれば、その作品が心が動かされるものであればどっちでもいいんだけどね。

ざっくりと。

純文学と言えば・・・

大衆小説と言えば・・・

・・・などなど。

作家など

そもそも、セルバンテスにせよドストエフスキーにせよ、昔から優秀な大作家は大衆的に受けるような題材とストーリーの中に高い文学的価値の見出される小説を書くのであって、この人は純文学作家でこの人は大衆小説でみたいな分類は本来ヘンなのである。

最近の作家でもどちらが専門なのかと言われてもわりと困る人達も多いし(山田詠美とか)、現代の文学人として豊かな作品の幅・表現の幅がある松本清張筒井康隆はそれぞれ推理小説界・SF小説界の人気作家でありながら純文界からの評価も非常に高く、芥川賞崎賞を受賞した作品がある。

一応、20世紀的な大衆小説を切り拓き庶民の読書文化を豊かにしていった代表的小説家としては、直木三十五山本五郎吉川英治などがいて、彼らの名を冠した直木賞山本賞吉川英治文学新人賞あたりが大衆小説向けのメジャーな賞としてよく知られている。

大衆小説で生計を立てていく作家の大賞というだけあって、戦後直木賞受賞作家の面々なんかは一般知名度でいえば中堅作家の賞としてみても圧巻である。
久生十(1951)、新田次郎(1955)、山崎豊子三郎(1958)、司馬遼太郎(1959)、池波正太郎(1960)、水上勉(1961)、五木寛之(1966)、野坂昭如(1967)、井上ひさし(1972)、藤沢周平(1973)、田高(1979)、向田邦子(1980)、連城三紀彦1984)、山田詠美(1987)、宮城谷昌光(1991)、大沢在昌(1993)、浅田次郎(1997)、宮部みゆき(1998)、桐野夏生(1999)、重松清(2000)、石田衣良京極夏彦・江香織2003)、東野圭吾2005)、桜庭一樹(2007)・・・などなど、多作かつ息の長い人気を保つ作家たちを輩出している。また、ここに挙げた作家以外にもエッセイストやらタレントなのか何なのかというような活躍をしている人たちも結構多い。世捨て人やのつく変人が多い芥川賞とは趣を異にしていr

もっとも出版市場においては人気ジャンルになっても、横溝正史西村京太郎島田荘司赤川次郎といった専業の推理作家たちや、筒井小松左京星新一らのSF作家勢は、ごくわずかな例外を除いて直木賞は受賞していない。

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