少女キネマとは (ショウジョキネマとは) [単語記事]

少女キネマとは、ニトロプラス所属の小説家「一肇（にのまえはじめ）」による小説である。2014年 2月発売、出版社は角川書店BC／KADOKAWA。2017年 2月25日に角川文庫より文庫化された。

概要

正式タイトルは『少女キネマ-或は暴想王と屋根裏姫の物語-』。表紙イラストは同じくニトロプラス所属のなまにくATKが担当した。帯には乙一と綾辻行人が寄稿している。

タイトルの通り映画（自主制作映画）にまつわる東京にあるとある大学と主人公の下宿先の友楼館を舞台とした青春ミステリー物語である。

2014年 5月に公式サイトが開設された。ニトロプラス制作のあらすじ動画も7月6日に公開された。→【リンク】PV 制作はニトロプラスのポリゴン番長、作詞・作曲・歌はらっぷびと。歌のタイトルも「少女キネマ」。

作者の一肇は演劇・映像関連で働いていた経験がある（桜ishあとがきより）ためその経験を小説に持ち込んだ節もある。また作者の趣味全開で執筆した小説であると語っており、とある原付バイクのシーンのこだわりは顕著かもしれない。

ちなみに文体と舞台の類似から森見登美彦っぽいという声があるが作者は似せる器用さはなく、脱稿後編集者に尋ねられてから、初めて森見登美彦作品を読んで驚愕したのこと。【ソース】

登場人物

十倉和成（とくらかずなり）
- 主人公。熊本から二浪して東京にある星香大学に入学した1年生。20歳。映画嫌い。古風な喋り方をするほかパソコンをもたず生活に最小限の物しか持たない代わりに、所有物に名前をつける趣味がある。
黒坂さち（くろさか　さち）
- ヒロイン。箕城高校3年の女子高生。容姿はおかっぱで清楚。さち曰く5年前より友楼館の屋根裏に住んでいる。以前はホームレスが住んでいたらしい。両親はおらず、高校には奨学金で通っているという。空腹と寂しさから十倉の部屋からカップ麺と小物を盗む。のちに住む場所が見つかるまでという条件で屋根裏にとどまることになった。
亜門次介（あもんつぐすけ）
- 十倉の友人で同じく友楼館に住む大学 1年生の20歳。浪人した理由は2年間自転車一つで東アジアの北から南まで旅をしたため。十倉の部屋へ食べ物をよくせびりにくる。着流しを着ており頑固である。映画を毛嫌いしている。
久世一磨（くぜかずま）
- 十倉の友人で同じく友楼館に住む大学 1年生。名家の出身で家も裕福。良い出逢いを求めておりよく合コンを開くも容姿はいいもののどこか抜けているのかうまく成功しない。キネマ研究会に所属しており、十倉に自分の自主制作映画の主演女優探しを頼む。
才城三紀彦（さいじょうみきひこ）
- 熊本の高校から星香大学に進学した、十倉の親友で星香大学ではキネマ研究会に所属していた。
伊祖島（いそじま）
- 友楼館に住む星香大学3年生で今年30歳になる。これは休学と復学を繰り返しているためだが、実は映像作家として成功しており学生の身分はロケ地の許可を取りやすいため維持しているだけにすぎない。キネマ研究会の顧問的な立ち位置にいる。容姿は魔法使いみたいな黒いコートと特徴的な帽子をかぶっている。
宝塚八宏（たからづかやひろ）
- 星香大学3年生で20歳。友楼館に住むキネマ研究会の部長。ぼさぼさした頭で牛乳ビンの底みたいなメガネを神経質な姿を見せる。
七瀬桐子（ななせきりこ）
- 星香大学 1年生で18歳。黒髪で美人の部類だが毒舌家。十倉と亜門、久世とは語学クラスが同じで同級生だからか年齢が違う十倉たちともフランクに対応する。