東方常敏とは (ヒガシカタジョウビンとは) [単語記事]

東方常敏(ひがしかた　じょうびん)とは、漫画「ジョジョリオン」の登場人物である。

あなた…『覚悟して来てる人』……　ですよね。
この記事を読むって事は、逆に「ネタバレ」を見せられるかもしれないという危険を、
常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね…

つまづいたっていいじゃないか　概要だもの

東方家の長男、32歳。東方憲助の息子にして、東方つるぎの父。妻は東方密葉。
どこかトゲトゲしい服装に身を包んでいて、額～眉から頬にかけて、傷跡のような縦線が走っている。
「相田みつを」を偉大な詩人と呼び、台詞の中でも詩をよく引用しているほど尊敬している。

東方家に定助が引き取られた際は外出していて、その後もシンガポールへ出張していたので憲助が撮った東方家の集合写真にはただ1人、姿を見せていない。そのためシンガポールからの帰国後、即ち東方家のフルーツパーラーで出会ったのが定助と常敏の最初の対面となった。

仕事や日常となれば抜け目のないビジネスマンだが、昆虫には目がない趣味も持っており、自室には無数の標本が所狭しと並んでいるほか出張先でも高価なクワガタを購入している。
性格は息子のつるぎに曰く「ことクワガタに関しては「毎日が夏休みだと思っているタイプの人間」」「（9歳のつるぎより）気持ちが子供」。

憲助と常敏がハイテンションに再会を喜ぶ一方、定助は常敏が持っていたハンカチに憲助の『キング・ナッシング』が自動追跡を行っているさまを偶然目撃した事で、東方家の病気を治癒できる謎の果物の「匂い」が出ている事に気づく。
つまり、東方家を蝕む『岩のようになる病気』を治せるとされる謎の果実（ロカカカの木の実）の存在を常敏は知っている可能性があることを意味する。そのため、そのフルーツにまつわる真実と常敏の真意を突き止めるべく、常敏の愛車であるランボルギーニ・ガヤルドのドライブレコーダーに秘密があるはずと考え定助はつるぎに協力を求め、ランボルギーニの鍵を賭けて常敏にクワガタ相撲勝負を挑むのだが…。

その後、東方邸を建築した八木山夜露をはじめとする『岩人間』たちと何か接点を持っているらしい事も判明し、大年次山愛唱の台詞からすると「身内であろうと、秘密に踏み入った者は始末する」という類の契約を交わしていたらしい。
また、ストーリーが進行しロカカカ密売組織の岩人間のボス・田最環が東方家を襲って定助たちに倒されたところを目撃したり、東方家の母・花都が刑期を終え刑務所から出所したときには他の家族たちと違いただ1人だけ協力的な態度を見せたり、六壁神社でひっそりと過ごしていた岩人間・ドロミテとも密かに協力を要請するなど、他の東方家の面々以上に暗部も多く、必要とあらば人を殺すこともためらわない一面も持つ。
新ロカカカのため一時、プアー・トムに協力したが裏切られ、つるぎと共に彼を果樹園に引きずり出し、定助達を差し置いて新ロカカカの枝を入手した。その後枝を自身の部屋にしまっている。
笹目桜二郎に枝を奪われた時には、つるぎと連携して笹目と協力者の女を自身の能力で殺害した。

作者・荒木飛呂彦が「ダービーのギャンブル対決はジョジョリオンの定助と常敏のクワガタによる決闘へとつながった」と語っている（ジョジョニウム14巻より）。事実、作中での対戦内容だけでなく「顔に縦に走る謎の線がある」「ペットを飼っている」「ギャンブル好き」「歳が10歳以上離れた弟がいる、年齢30代の紳士」「(タイプは違うが)弟より使い勝手の悪そうな能力を持つスタンド」など、第3部で登場したダービー兄（ダニエル・J・ダービー）とは様々な共通項がある。

あの「60度」という温度は…　どこからきている「熱」だ

スピード・キング (Speed King): 常敏のスタンド能力。無機質な表情を湛えた案山子のような外見を持つ。
筆やティッシュペーパーなどの物を介して、表面から体内までを問わずに指定した小さな1点に熱を与え、60～70℃くらいまで加熱させる能力。作中ではこの能力で筆を使って自分のクワガタ・ローゼンベルグの神経に仕込んだワックスを溶かし、ローゼンベルグの戦闘能力を高めた。
また生物の血管を一部のみ加熱する事で出血させるなど、第6部に登場したリキエルの『スカイ・ハイ』のような攻撃方法も見せている（効能は「体温を奪う」それとは逆だが）。その際、スタンドが何かしらの動作を行う素振りを見せることは滅多になく、攻撃されたと気づいてからしばらくした後に、他のスタンド使いが姿を目撃したという描写がみられることもしばしば。
87話までは家族にはスタンドの真の力は明かしていなかったが、後に真価を発揮。
熱の温度を一か所に貯めることができ、その温度より低い物がそこに触れることで、温度が低い方へ熱が移動する能力を見せた。
常敏本人の特技なのかスタンド能力の一端なのか、相手に気配を感じさせずに、背後から熱による攻撃を仕掛けられる可能性がある点も地味に厄介である。
射程距離は10cm程度らしいが、熱伝導自体はかなり離れていても可能である。スタンドは幼少期から植物鑑定人登場時まで能力を見せるのみで、自身で攻撃する描写がなかったため、スタンドそのもののパワー・スピードなどの詳細は不明。; その後ラッシュがバトルで描写された。

ラッシュ時には「SPEEEEEEYIYYYYY」「SPEYAHH!!」という声を出す。; 「ジョジョリオン」単行本10巻で初めて名前と能力が明かされた。
スタンド名の由来は、イギリスのロックバンド「Deep Purple」の楽曲「Speed King」より。第四部に出てくる噴上裕也のスカーフにも書かれている。