《死の影》(しのかげ)とは、マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)のカードである。初出は2010年発売の『ワールドウェイク』。
死の影は-X/-Xの修整を受ける。Xはあなたのライフの総量である。
13/13
1マナ13/13という、信じられないマナレシオをもつクリーチャー。もちろんそのまま使えるわけもなく、自分のライフだけサイズが縮んでしまう。ライフが1なら12/12、ライフが12なら1/1。ライフが13以上なら場に出た瞬間墓地に置かれてしまう。
そのあまりにピーキーな性能から、登場以降長らくカスレアとして扱われていた。しかし、2015年にモダンにて、2点のライフを支払うと0マナで1ドローできる《ギタクシア派の調査》や《通りの悪霊》でデッキを高速で回転させ、《強大化》+《ティムールの激闘》で一撃必殺を狙う、ビートダウンデッキの皮を被った瞬殺コンボデッキ『Super Crazy Zoo』が登場し、《死の影》はデッキの中核として採用された。デッキ自体も大活躍とまではいかなかったものの、当時のモダンのメタゲームの一角に食い込んだ。
その後、2017年に《ギタクシア派の調査》が禁止されてSuper Crazy Zooは衰退するも、このデッキにより「モダンでは少し工夫すれば《死の影》は十分使える」ということが判明。同年のグランプリでは後継デッキの『ジャンド死の影』がベスト8中3人、そして優勝と活躍し、以降も様々なタイプの“死の影デッキ”へと派生していった。
一部では黒のタルモゴイフとジョーク混じりながら呼ばれる、シンデレラクリーチャーのひとつである。
上記したSuper Crazy Zooは、日本のプレイヤーである伊藤 敦氏(以下まつがん)により作られたもので、当初は晴れる屋のデッキ構築記事のテーマ通り、やや電波デッキ寄りのものであった。しかし、改良を重ねた結果、死の影の評価は大きく跳ね上がることとなった。
MTGには発売前にカードを順々に公開していくスポイラーという文化がある。それは再録セットも同様で、時にセンセーショナルに発表するために、カードと結びついた人物にスポイラー役を任せることがままある。
そう、『モダンマスターズ2017年版』において、再録された死の影のスポイラーを担当したのは、まつがんその人であった。
『モダンマスターズ 2017年版』先行プレビューカード公開!
ありがとう、WotC。きっと私は、このプレビューカードを受け取った日のことを生涯忘れないだろう。 なぜなら、このカードが『モダンマスターズ 2017年版』に収録されたのは、私が【Super Crazy Zooを作った】、まさにそのおかげかもしれないからだ。 傲慢な考え方かもしれない。1マナであることの価値がどこまでも高いということを知っているモダンプレイヤーたちならば、私がいなくても似たようなデッキをいずれは見出したことだろう。 けれどもし仮に、「『モダンマスターズ 2017年版』の収録カードを決定する会議」なるものがWotCの内部で開催されたとして……それ自体憶測に過ぎないのだけれども……その会議の場ではきっと、いや間違いなくSuper Crazy Zooのモダンでの活躍もきっかけとなり、《死の影》の収録を決定したに違いないのだ。 それはバタフライエフェクトとすら呼べない、因果のこじつけに過ぎないのかもしれない。 しかし少なくとも私が作ったデッキが契機となって、「何かを変えた」のだとすれば。 私にとってこれ以上の救済はないだろうと、そう思うのだ。 |
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最終更新:2024/04/25(木) 07:00
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