爬虫類とは、鱗に覆われた意外と可愛い連中である。
少なくとも現生の大部分の爬虫類には、以下のような共通点がある。
現生の爬虫類は、鱗竜類と主竜形類に大別される。鱗竜類には有鱗目とムカシトカゲ目、主竜形類にはワニ目が含まれる。カメ目はミトコンドリアDNAや核DNAの解析から主竜形類に含まれるとする説と、miRNAの解析から鱗竜類に含まれるとする説がある。
トカゲ(スキンクトカゲ、オオトカゲ、ヤモリ、アガマ、イグアナ、カメレオンなど)、ヘビ、ミミズトカゲが含まれる、爬虫類のイメージどおりのグループ。大きく開く顎と細長い円筒形の胴体、2本のチンコを持つ。
三畳紀後期にはすでに現生のトビトカゲに似たもの(直接の類縁関係はない)が現れるくらい確立したグループだったが、有鱗目はむしろ大型爬虫類の減少した新生代に入ってから繁栄し始めた。
有鱗目の成功は、変温動物であるために体温維持にエネルギーを費やさずに済むことが大きい。
トカゲは絶食に耐えることを生かして小型の食虫動物として成功した。モグラやトガリネズミなど哺乳類に属する小型食虫動物は体温を保つエネルギーを確保するため一日中食べ続けなければならない。
ヘビとミミズトカゲは体温が逃げやすくなっても自分が費やすエネルギーは変わらないため(恒温動物だと体が冷えやすいほど余分な体力がいる)、体を非常に細長くして様々な地形に対応できるようになった。
これらの特徴は、恒温動物である哺乳類には獲得し得ないものである。
現生のものはニュージーランドのムカシトカゲとギュンタームカシトカゲのみ。別名トゥアタラ。
一見イグアナに似ているが、実際はもっとずっと原始的なものである。頭頂部に、頭頂眼というごく小さな第3の目を持つ。邪気眼乙。
かつてはリンコサウルス類という化石爬虫類と一緒に喙頭(かいとう)目と分類されていたが、リンコサウルス類は独立して主竜類に含まれるようになった。
肋骨が幅広くなってできた甲羅と、歯のないクチバシを持つ。甲羅は背骨と肋骨が一体化したカプセルであり、肩甲骨や鎖骨まで肋骨である甲羅の内側に納まっている。つまりカメの甲羅を剥がすというのは人間で言うと背骨と肋骨を(ry
口に歯がなくクチバシになっているのはカルシウムを節約して甲羅にまわすためといわれている。
原始的なものや頭が大きすぎるものは甲羅に頭を引っ込められない。だいたいよく泳ぐものほど甲羅が平べったく軽い。
三畳紀後期にはすでにカメらしい姿をしていた。以前は爬虫類の中で最も原始的なグループ(むきゅー無弓類)の生き残りとされていたが、現在ではむしろ進化段階の高い双弓類に含まれる。
→個別記事:亀
長い吻、丈夫な背中の装甲、水から出しやすい上寄りの目と鼻、縦長のひれ状の尾を持つ半水棲の捕食者。
完全に仕切られて酸素供給能力が高まった心室(2心房心室の心臓)や、水中で食事しても窒息しない口の仕組み、鳥類に近い高効率の肺、あまりがに股にならずに走れる脚を持つため、運動能力は高い。
アリゲーター、クロコダイル、ガビアルの3つの科に分類されるが、全て何らかの動物を捕食し、それぞれの食性に合わせて吻部の形態を適応させている。大まかに言って魚をよく食べるものほど吻部が細長い。
中生代にはもっと多様な形態のものがおり、今のワニによく似たもの、脚がすらっと長く陸生のもの、完全に遊泳性のもの、草食のもの、プランクトン食性のものまでいた。
→個別記事:ワニ
この項目をご覧の方々の多くは、中学の理科や高校の生物で「両生類から爬虫類が進化し、爬虫類から鳥類や哺乳類が進化した」と教わったことと思う。しかし、このような「段階的により高度なものになっていく」というビジョンは、現在の分類学では過去のものとなっている。
「現生の爬虫類は、鱗竜類と主竜形類に大別される。」と記したが、化石種全てを含めると、いわゆる「爬虫類」は、「単弓類」とそれ以外に真っ二つに別れる。この単弓類が哺乳類の祖先となったグループであり、それ以外の「爬虫類」に含まれる恐竜から鳥類が進化した。
単弓類とそのほかの「爬虫類」にはほとんど共通点が無く、両生類から両者が別々に進化したとも考えられるほどである。そこで現在は、単弓類を爬虫類に含めず、さらにそれ以外の「爬虫類」を「竜弓類」、そのうち中竜類を除いたものを厳密な意味での爬虫類と呼んでいる。
AAで表すと、以下のような系統樹が描ける。絶滅した分類群を─×で示す。(爬虫類)から先が厳密な意味での爬虫類である。かつては哺乳類と鳥類を除く有羊膜類全体を爬虫類としていた。
四肢動物┬両生類
└有羊膜類┬単弓類┬─×
│ └哺乳類
└竜弓類┬中竜類─×
└(爬虫類)┬無弓類─×
└双弓類┬鱗竜類┬魚竜や首長竜─×
│ └トカゲ
└主竜形類┬カメやワニ
├翼竜─×
└恐竜┬×
└鳥類
要するに、哺乳類は爬虫類とあまり関係がない。ついでに言うと、どっちが優れているとか劣っているというものでもない。教科書にもちゃんとそういう風に書いてほしいものだが…。
とか言っていたら最近の教育指導要領では爬虫類から哺乳類が進化したと教えるのを止めているようだ。
その他
掲示板
97 ななしのよっしん
2023/10/12(木) 16:44:57 ID: wSv3QAzcZJ
>>89
コウモリの翼と鳥の翼は共有派生形質ではないので、鳥類の階級と翼手類の階級には進化分類学上何の関連もない
コウモリが哺乳類から外れないのは翼手類のみが獲得した共有派生形質が他の哺乳類と区別するに足る特徴として評価されなかっただけに過ぎない
仮に哺乳類が現行分類から翼手類を除く側系統群になったとしても、翼手類以外の分類群との関係には何の変化も起きない
側系統である爬虫類は爬虫類全体の直近の共通祖先の子孫であり、かつ鳥類全体の直近の共通祖先の子孫ではない種として定義できる
新たな分岐が見つかった場合でも共通祖先の有無、共有派生形質の獲得歴の有無で判別できる
爬虫類と鳥類の境界の分岐であっても少なくとも単系統である鳥類に含まれるかどうかが決まった時点で自動的に分類が成立する
ワニとヘビの直近の共通祖先はワニとヘビの共有派生形質を持ち、鳥類特有の共有派生形質を持たない事が言える
多系統である恒温動物や翼のある動物などは共有派生形質や共通祖先を持たない
ニワトリとコウモリの直近の共通祖先は恒温動物とは限らない
(省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)
98 ななしのよっしん
2023/10/12(木) 17:18:29 ID: wSv3QAzcZJ
>>96
スッキリするのはいいが竜弓類とはどんな生物か聞かれた時に爬虫類と鳥類です以外のスッキリした答えは持っておけよ
99 ななしのよっしん
2023/11/03(金) 09:59:58 ID: Y9E1+0Tp0d
サバンナモニターはトカゲ界のツノガエルと言っても過言ではない
こいつは栄養の偏りや食べすぎて簡単に死ぬ所が共通している
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最終更新:2024/03/29(金) 04:00
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