ここでは5を取り扱う。
――「狂った果実」1992 フェアリーテール for PC-98/X68000/MSX
1992年に発売。対応機種はPC-9800シリーズ、X68000、MSX用である。何と言ってもこのゲームの特徴は『ギャルゲー史上最悪の鬱ゲー』と呼ばれるほどのシナリオだろう。同じ『鬱ゲー』として知られる18禁ゲームである『神無ノ鳥』とは別方向で鬱である。しかも、ストーリーが一本道なので、(鬱すぎるので)玄人向けとなっている。
なぜ、『ギャルゲー史上最悪の鬱ゲー』と呼ばれるようなゲームに変貌したのか。これについては沙織事件に触れなければならない。詳細についてはWikipediaにも乗っているし、事件を取り扱ってるサイトは各種検索エンジンに問いただせば出てくるのでこちらはかいつまむ程度で済ませる事とする。
(詳しく知りたい人は右記リンクへ→Wikipediaの沙織事件の記事へ)
とある男子中学生が『沙織 -美少女達の館-』というエロゲーを万引きしたことに端を発する。この事件により当時はまだアングラだったエロゲーの存在が世間に晒され、「えっちなのはいけないと思います!!」とブチギレた大人達が非難した結果、被害者であるはずの店舗、さらに開発元のフェアリーテール及び、親会社のジャストが家宅捜索される事態にまで発展。当時の社長が猥褻図画販売目的所持で逮捕される。後にこの事件は「沙織事件」(あるいは会社の頭文字を取って「FJ事件」)と呼ばれ、後のコンピュータソフトウェア倫理機構(所謂ソフ倫)設立へと繋がった。
勿論、本作も普通にエロゲークラスのエロシーンが盛り込まれる予定で、発売前に関係各誌で公開された哲とヒロイン達とのセックスシーンもしっかり二人一緒に描写されていた。そんなときに沙織事件が発生したので哲の全身を消去したり、ヒロイン達の性器が映らないよう修正を施すなど、現代を基準にすればソフトなR-18描写となった。
少女は狂ったぐらいが気持ちいい。 ありきたりのサスペンス・ロマンは食べ飽きた。狂った果実はむさぼりたい。 青い果実のような少女を中心に迫り来る女 達の柔肌。 襲いかかる事件。狂おしいまでのシチュエーションがあなたを芯までしびれさせる。 この結末にあなたのハートは耐えられるか!
ストーリーは主人公が恩師のガーデンパーティーに呼ばれた際、三女・美夏(ロリ)に懐かれたので、父親から美夏の家庭教師を頼まれた。しかし、同じく主人公を気に入っていた次女は強引に主人公を自室に連れ込もうとする。しかし、これが悲劇の幕開けであった…。
一応、差し支えない範囲で紹介するが、ネタバレは反転文字にしておきます。見たい人だけ反転してください。また印象に残った台詞(迷言)も記載しておきます。
主人公。大学内で人気のイケメン。後述の成子とは恋仲なのだが、成子以外の女性にも目を奪われがち。月島教授宅でのガーデンパーティーに出席した際、美夏に懐かれたことから月島教授に彼女の家庭教師を依頼された。実は今作における死亡フラグの一つ。ヤンデレな犯人に魅入られてしまい、不幸のどん底に叩き落される。
哲の恋人。警察にも顔が利くほど権力を持つ親の家庭で育った身であるが、彼女自身はあくまでも慈愛的な性格をしており、良き人物。猫を飼っており、名前はサマンサ。将来の夢は刑事であり、夢をかなえるべく心理学を専攻している。そんな彼女だが実はカナヅチ。その事を犯人に知られてしまう。そして、手始めに愛猫をレンジでチンされて、トドメと言わんがばかりに貯水槽に投げ込まれて溺死。この死が主人公をさらに悲しませるのであった。
月島家の次女…なのだが哲たちと違ってマジメに大学に通っていない。鼻持ちならない性格であり、たびたび美夏をいじめてた。美人と財力を自覚し、それらを利用して男漁りをしていた。勿論、今回のパーティでも哲を誘っていたが、もたれ掛かった自室バルコニーの手摺が外れて転落、転落先にあった燭台が腹にクリティカルヒットしてしまい死亡。これが悲劇の幕開けであった。
月島宅の住み込みメイド。だが、メイド服ではなくて私服+エプロン。月島教授とは遠縁関係である。今回の事件で不安になり…。この時、哲に抱かれていたのだがドアに鍵をかけずにヤリまくっていた為に犯人の怒りを買い(犯人はしっかり見ていた)、焼却炉に生きたまま放り込まれて焼死。
哲の元カノであり成子、育子の友人。やや小悪魔な性格だが、それが災いして哲にフラれてしまった。だが、未練が残っているのである情報をネタに再び哲に抱かれる。しかし、このときの様子を犯人に郵便受けから見られてしまう。後日、青酸カリを仕込まれたワインを飲んでしまい、毒殺される。
主人公達が通う大学の教授で著名人達にも顔が広い。本当はいい人なのだが…。事件の惨状に耐え切れずに発狂。ついには娘を想ってなのか、「全部自分が殺した」という遺書を残し、首吊り死体として発見される。しかし、遺書に不審点がある事から他殺の可能性あり。
哲の同窓生、友人であり、同じく月島教授の教え子。実は秋美の元カレ。どういった理由なのかは不明なのだが、哲が拘留されている間に殺される。殺される前に何者かをゆすっていたことが関係していると思われる。
こちらも月島教授の教え子で同窓生。童顔。島家のガーデンパーティーへ出席するだけです。
同じ大学の友人、大門に大学のノートを借りパクされて困っている。
同じ大学の友人、どう見ても学生じゃなくOL・・・いえ、気のせいです。
同じ大学の友人、ピザ。大学の食堂にいる。いつもカレーを食べている気がする。
事件の容疑者として哲に取り調べでしつこく尋問してくる刑事。
哲いわく“無礼で失礼で、煮ても焼いても、刺身にしてもくえないヤツ”
機動戦士ガンダムのギレンのような顔をしている
月島家の長女で人妻。物語後半では身寄りのない美夏を引き取る。
月島家の三女。どこか人形っぽい女の子で愛犬のシェリルのみに心を開いている。趣味は絵を描くこと。実は月島家で彼女のみ、フランス人の母親を持つ異母妹。頭脳明晰でパワーもあり、さらには独占欲まで強いヤンデレロリ。この為、エロゲロリキャラの中でもかなりの凶悪キャラだったりする。とどのつまり、女性キャラを殺した犯人。冒頭でのやり取りが実を言うとトリガーで、秋美を殺害したことを機に哲への執着を強くする。殺したときの様子をスケッチしており、その絵はプレイヤーを戦慄させた。
古いゲームなんで、中古屋とかネットオークションとかで探した方が早いです。
掲示板
69 ななしのよっしん
2021/05/02(日) 15:34:38 ID: fUnkOTNlka
プレイ動画をみたけどいい意味でその時代を感じさせるキャラクターや話の流れで、違う世界の日常と、それが壊れていく感じがあってよかった
現代が舞台だと「そうはならんやろ」ってなるところが、ファンタジーだとそういうもんで引っかからないのに似てるかも?
あと「セックスとは関係ない会話をする」っていうのが「日常的にそういうことを行う関係」って感じですき
70 ななしのよっしん
2021/05/05(水) 15:35:11 ID: xxCQ7U+BiR
懐かしいな。当時は衝撃だったよ。
この子ヒロインの一人かな?やれたらいいなー、けど年齢的に無理かなー、等と不届きな考えで購入したらあのザマだよ。
思わずフェアリーテイルに別ルートの分岐が無いのかと電話しちまったくらいさ。
鬱ゲーと知って画像や動画みたところでは、あの衝撃は味わえないだろう。
無防備に普通の殺人有りのサスペンスだとたかを括って没入してプレイしてこそのショックだと思う。
71 ななしのよっしん
2023/02/18(土) 14:30:04 ID: +RcJu/aOXC
これより前に2時間ドラマでやった可愛い悪魔、それのインスピレーション元になった悪い種子っていう小説や実写作品あるんだが、このゲームの元ネタもそれらなのかね
同じく少女が殺人犯していく物語
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最終更新:2024/04/20(土) 10:00
最終更新:2024/04/20(土) 10:00
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