献帝単語

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献帝(劉協)とは、三国志に登場する人物である。

漢王朝最後の皇帝として知られている。

概要

姓は、名は協、字は伯和。生年181年234。

霊帝次子で、少弁の異母親は王美人。妻は皇后、曹節(曹皇后)、 董人など。

董卓曹操から傀儡(かいらい。操り人形)の如く扱われ、曹丕譲し、後漢は滅亡した。

母親同士の争い

霊帝に寵された王美人だったが、181年に同じく霊帝の子・弁を持つ何皇后(何太后何進の異)と対立。跡争いとなり、殺されてしまう。結果的に弁が皇帝の位(少)につき、劉協は陳留王となった。

陳留王

189年、何進宦官に謀殺され、宮殿混乱弁と劉協は宦官に連れ去られてしまうが、途中で董卓に保護された。

怯えるばかりの弁とは対照的に、劉協は今回の出来事を含め正確に説明、なおかつ董卓に対して動じないばかりか、弁にひれさせたため董卓は彼を気に入り、皇帝に擁立させることを決心させる。聡明の片鱗を魅せたこの時が献帝の全盛期であったとさ。

同年、後漢・第14代皇帝として即位した。

傀儡として

董卓は何皇后弁を殺し、自分に反する者たちをも悉く殺。元いた陽は焼き払われ、長安に遷都させてしまう。皇帝の位こそついているものの、この時まだ10代となったばかりのには何もできなかった。

董卓呂布に殺された後は、彼の配下である李傕郭汜らに擁立された。後に董承らに引き連れられて陽へ戻るが、今度は曹操に保護されて)へ移された。

勢いに乗った曹操が勢を広げる一方、に近しかった者達は追い出されてに実権はなかった。それを憂いた董承や王子服皇后などが曹操排除を画策するが失敗して殺され、は孤立を深めていった。その後、殺された董人や皇后に替わり、曹操である曹節が皇后になった。

216年、曹操王に封じた。

禅譲

2201月曹操が死去し曹丕王を継ぐ。同年10月皇帝の位を曹丕に譲り、漢王朝は滅亡した。

山陽称号を与えられ住処を山陽県に移された。格が落ちたとはいえ、皇帝のみ使える一人称「朕」の使用を認めてもらえたり、漢王朝を使う事を許されるなど王の存在そのものを消すようなことはされなかった。

234年に死去。は『孝献皇帝(献帝)』と諡した。曹叡は群臣を率いて礼を行った。偶然にも生年が諸葛亮と一緒であった。

蜀呉のその後

曹丕による譲の後、経緯は不明だが、益州にいた劉備の元には曹丕に殺された」という一報が届いた。

情弱益州と許は遠く離れているし仕方がないのかもしれない。
蛇足だが、益州(成都)と許(許)は直線距離でおよそ920km程離れており、日本で言うならば東京-旭川ぐらい離れている。

劉備はこの報に乗っかる形で、喪を発して劉協に愍(びんてい)という諡号を贈った。また、「の命脈を継ぐ」という名から、翌221年に自ら皇帝に即位した。この王などと呼ばれている。
本当は生きてたこと知ってたんじゃね?というのは禁句。 

一方のではこの譲を一応承認し、孫権曹丕から王に封じられた。

こうして中国は本格的に三時代に突入した。

諡号

前述の通り、によって贈られた孝献皇帝(献帝)と、によって贈られた孝愍皇帝(愍)の二つがある。

『献』とは、「博聞にして多だがを究めるに至らない」
『愍』とは、「に政がなく、動乱が長く続く事」

という意味を持つ。この二つの諡に込められた意味をべてみるのも面いかもしれない。

演義では

劉備の事は皇叔として気にかけており、曹操の暗殺に失敗した後も、彼が下を取る事を願っていた。
また一時曹操に降った関羽を偏将軍に封じ、彼を「美」と呼んだ。

その他の献帝

皇帝への諡号は異なる王で同じものが使用されることがあり、「献帝」も後漢以外でも使用されている。ただし、いずれも皇帝の祖先に対し追号されたもので、実際に皇帝の座についたのは後漢皇帝の劉協のみである。

  • - 当初は特、後にその子(から見れば甥)の雄に従い、成の建に大いに貢献。後に第4代皇帝となった息子寿によって追号。
  • 広 - 前の第5代皇帝曜の曾祖曜によって追号。
  • 拓跋 - 鮮卑族拓跋部の大人(部族長)。後に子孫が代および北を建し追号される。
  • 杬 - 明の第12代皇帝、朱厚熜(嘉靖)の。嘉靖によって追号されたが、このことは大礼の議と呼ばれる大論争に発展した。

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最終更新:2024/03/28(木) 17:00

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