統合失調症 単語

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トウゴウシッチョウショウ

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医学記事 ニコニコ大百科:医学記事
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

統合失調症(とうごうしっちょうしょう)とは、幻覚妄想などの陽性症状、自閉や感情鈍麻などの陰性症状を徴とする精神疾患。俗に、統失(とうしつ)と呼ばれる。インターネットスラングとして、しばしば糖質と表記される。かつては分裂病(せいしんぶんれつびょう)と呼ばれていたが、誤解を招き、患者への偏見差別につながるとして称された。

ニコニコ大百科Wikipediaなど、インターネット上のフリー辞典は、でも(医学を専門としていない方も)編集できるため、情報みにして自己判断しないこと。心配な方は、近くの医療機関で相談すること。→病院検索ホスピタexit

概要

統合失調症は、思考、感情、意欲など人格全体にを及ぼす精神疾患幻覚妄想などの陽性症状、自発性減退や感情鈍麻などの陰性症状を示し、思考や行動障害される。増悪と回復を繰り返し、人格崩壊に至る例もある。ただし、そのような例は多くはなく、治る見込みのある疾患である。

後に、症状の中で自閉特性だけが特化したものは「自閉症」として分けられるようになった。

10代から30代にかけて好発し、性差や人種差はない。また、有病率は1%100人中1人)程度であり、まれな疾患ではない。統合失調症の発症機序は全に明らかにはされていないが、遺伝的素因(先的要因)と環境的要因(ストレスなど)の両方が関与している。メタアナリシスによれば、統合失調症の遺伝率は81%

症状

統合失調症のな症状は、陽性症状と陰性症状の2つ。陽性症状は急性期に、陰性症状は慢性期に顕著だが、慢性期でも増悪すると陽性症状を呈する。このほか、役割を遂行するの低下や記憶の低下などの認知機障害をきたす。ただし、症状には個人差があり、すべての患者が同じ症状を呈するわけではない。

  • 陽性症状 - 幻覚妄想、自意識障害、思路障害奮など。一見して異常と分かる症状。
    • 幻覚 - 幻聴嗅、味、触、体感幻覚など、存在しないものを感覚として捉えてしまうこと。「かが自分に話しかけてくる」「自分の噂話がされている」という、言幻聴が多く見られる。ほかにも、「生臭い匂いがする」「気持ち悪い味がする」「かに触られている」「内臓が溶けている」などと感じる。
    • 妄想 - 被害妄想、関係妄想、心気妄想、誇大妄想など。幻覚なんとか説明づけようとして妄想を形成する可性がある。「周囲の人間が自分を陥れようとしている」「かが自分を監視している」「電磁波で攻撃されている」「料理が入れられている」「大きな病気っている」「自分はである」などと思い込んでしまう。
    • 意識障害 - 思考奪取、思考吹入、作為体験(させられ体験)など。「自分の思考が他人に抜き取られている」「他人の思考が自分に入り込んでいる」と考える。また、「他人が自分の思考や行動を操っている」と感じる。
    • 思路障害 - 連合弛緩、滅裂思考、言葉のサラダワードサラダ)など。思考を適切に統合できなくなり、発言が支離滅裂なものとなる。
  • 陰性症状 - 自閉傾向(引きこもりなど)、感情鈍麻・坦化、疎通性の障害(意思疎通が困難になる)、自発性の欠如、意欲低下など。本来備わっている機が減弱ないし喪失することで現れる症状。数年にわたり継続することがあり、治療が難しい。
  • 認知機障害 - 遂行機が低下する。すなわち、的や問題に対して、計画、判断、実行、解決するが低下する。そのため、無計画で非効率的な行動をしたり、行動そのものが取れなくなったりする。注意記憶などが低下するケースもある。

病型

統合失調症は、症状によっていくつかの病に分類されている。妄想はか、緊の3つが代表的。

  • 妄想 - 30代に好発。幻覚妄想を呈することが多い。人格準が低下することは相対的に少ない。
  • (解体) - 10代に好発。感情や行動の変化が著しく、会話が支離滅裂になる。幻覚妄想は少ない。治療のまま放置すると、人格が荒することもある。
  • - 外部からの刺に反応しなくなったり、不自然な姿勢で静止したり、的なく同じ動作を繰り返したりする。
  • 分類不能 - 複数の病の条件を満たす、またはいずれの条件も満たさないなど、特定の病に分類できないもの。
  • 残遺 - 陽性症状がほとんど見られなくなり、陰性症状がな症状として持続している状態。ほかの病から残遺に移行する。
  • 単純 - 陽性症状がほとんど見られず陰性症状のみが進行していく。残遺との違いは過去に陽性症状がみられたかどうか。

治療

陽性症状と陰性症状には、神経系の機異常が関与すると考えられている。

統合失調症の物療法では、陽性症状を抑える的でドパミンD2受容体遮断作用をもつ物を、陰性症状を抑える的でセロトニン5-HT2A受容体遮断作用をもつ物を用いる。基本的には単剤投与。第一選択は非定抗精神病薬である。詳しくは、抗精神病薬の記事を参照。

抗精神病薬による治療を軸に、症状の程度に応じて精療法やリハビリテーションも行われる。

ちなみに、抗精神病薬のなかった時代、統合失調症の治療としてロボトミーが行われていた時期がある。ロボトミーは、前頭葉の神経を切断することで、統合失調症を善させるというもので、1949年ノーベル生理学・医学賞が授与されるなど革新的な治療法だった。しかし、患者の人格変化や、知の低下などの不可逆的な障害をきたすため、現在は行われていない。

罹患者

統合失調症を発症した人物。ただし、推測によるもの、医師による診断を受けていないものを含む。

著名人

生年順。

関連疾患

統合失調症と似た症状を呈するが統合失調症とは異なる疾患、統合失調症を内包した疾患概念などをいくつか例示する。同一視しないように注意。治療にあたり、鑑別が必要な場合がある。

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