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芥川賞

芥川賞とは、日本文学会(文藝春秋社)が催する、日本で一番有名な純文学の新人賞。

最新の受賞作は、山下澄人「しんせかい」(第156回)。

概要

正式名称は「芥川龍之介賞」。選考は年2回、1月7月直木賞と同時に行われる。発表とともにNHKで速報が流れる文学賞芥川賞直木賞だけ。そのため、特に本好きでもない普通の人でもたいてい存在は知っている。

普段あまり本を読まない人の中には、その知名度や扱いの大きさから「日本で一番良い小説を選ぶ賞」だと思っている人も多いのだが、実際は、期間内に要文芸誌(『新潮』『群像』『文界』『文』『すばる』の五誌。それ以外では『早稲田文学』などから補作が出ることもあるが稀)に掲載された作品から、まだ芥川賞を獲っていない新鋭作家の作品が選ばれる。なので、日本小説の中でも非常に狭い範囲を対とした賞に過ぎない。スポーツにたとえれば、箱根駅伝甲子園がいくら世間的な注度が高くても陸上競技全体や野球全体の最高レベルの大会ではないように、芥川賞も別に小説全体の最高レベルの賞でもなんでもない。

現在の選考委員は小川洋子、川上美、島田、高のぶ子、堀江敏幸、宮本村上龍山田詠美吉田修一の10名(第156回以降)。ちなみに選考委員の中で受賞作家でないのは山田島田の2人。山田は3回芥川賞を落ちて結局直木賞を受賞、島田芥川賞史上最多タイの落選6回の記録を持つ。

受賞作は雑誌『文藝春秋』に全文掲載されるため(選考委員の選評も同時掲載)、文藝春秋芥川賞受賞作の載る号だけやたらと発行部数が増えることがある(第131回で綿矢りさとひとみが受賞した際には100万部以上を記録した)。このため芥川賞直木賞は、雑誌の売り上げが落ちる2月8月に話題を作るために始めた賞であると言われているが、この説はどうやら都市伝説であるらしい。

勘違いしている人をたまに見かけるが、芥川賞は作品を募するタイプの新人賞ではない芥川賞を獲ろうと思ったら、まずは前述の純文学雑誌の新人賞を受賞するなどして、雑誌に作品が掲載されなければならない。

ほぼ中堅作家の賞となっている直木賞と違い、こちらはより新人賞に近く、デビュー作でそのまま受賞する例もままある(既に他の新人賞の選考委員をしている阿部和重が受賞したりもするが)。そのため、芥川賞を獲った「だけ」で消えていく作家も多い。受賞自体が大きなニュースになるため受賞作がベストセラーになるのもよくあることだが、そもそも普通の人は純文学なんて読まないのでそのまま忘れ去られていく作家もまた多い。もちろん、一般的には忘れ去られても作家としてはしっかり活動を続けている場合もある。ひとみとか。

海外文学賞と違い、選考委員の顔ぶれがなかなか変わらないことについては批判も多い。現在一番の古は第114回(1995年)から務めている宮本。近年は池澤黒井千次、石原慎太郎などの古が次々と退任したため選考委員の若返りが進んだ。

太宰治が受賞できなかったことは有名だが、中島三島由紀夫村上春樹なども受賞していなかったりする(三島由紀夫デビューしたのが戦後の芥川賞中断期間だったため、補にすらなっていない)。他、落とされ続け受賞できなかった作家として有名なのは島田(当時選考委員だった安岡太郎に嫌われていたらしい)だったが、当の本人は第144回から何の因果か選考委員に就任した。

直木賞とは全く別のジャンルのようで意外と接近しており、芥川賞補からのちに直木賞を獲った作家(最近だと山田詠美や角田代)や、子のように芥川賞補→直木賞補となって結局芥川賞を獲った作家もいる。社会ミステリで知られる松本も受賞作家。第119回で長吉が直木賞藤沢周が芥川賞を獲った際には「受賞作家が逆だ」と言われたりした。

144回以降、直木賞とともに受賞記者会見の模様がニコニコ生放送で中継されている。特に西村賢太田中慎弥がそれによって大きな話題をさらった。

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