この時代において
銃口から政権が
生まれる時代
『軍靴のバルツァー』第1話より
『軍靴のバルツァー』とは、中島三千恒による19世紀帝国主義最盛期のヨーロッパを舞台とした軍事、政治、青春の群像活劇である。
『月刊コミック@バンチ』にて2011年1月より連載開始。
2022年8月より『別冊少年マガジン』に移籍し連載中。
軍事大国から同盟国の士官学校へ赴任することとなったバルツァー少佐。
彼の指令は軍事後進国であるバーゼルラントの軍事改革を推し進めるというものであったが、平和に慣れきった教官や生徒たちを前に戸惑うばかり…。
(軍靴のバルツァー1巻裏表紙から)
主人公ベルント・バルツァーの生国。
軍事大国であり、鉄道や電信、ボトルアクション方式の後装式ライフルなどが実用されている。
その領土的野心により周辺諸国と多くの問題を抱えており、本作の主な舞台となるバーゼルラントの併合を狙っている。
リープクネヒトのクーデター未遂事件以降、軍事内局及び参謀本部が議会の統制を受けない機関として独立。その後、民族統一の名のもとに北部の反乱へ介入し、これが第一次ノルデントラーデ戦役へ発展した。
劇中では「軍国」といわれることが多い。
本作の主な舞台『バーゼルラント王立士官学校』が存在する国。
50年前の諸国民戦争により大帝国から分邦して誕生した国であるが、この国を支配するビンケルフェルト家はバーゼル地方において800年の歴史を持つ名門である。
50年間も平和が続いたため、軍備は陳腐化し、軍事知識もヴァイセンに大きく劣る。また軍事面以外でも法整備や工業技術で周辺諸国に大きく遅れており、鉄道の敷設どころか職人による手工業が現役である。
士官学校の歩兵科で行われている訓練は、前装式のマスケット銃を主力とした戦列歩兵による一斉射撃である。ヴァイセンではこの戦法は、バルツァーの祖父の代のものである。
ヴァイセンとは言語も人種も共通する『同胞』。
国王は意識不明であり、南方の大国エルツライヒ派の第一王子フランツ・テオドール・ビンケルフェルトと北方のヴァイセン派のライナー・アウグスト・ビンケルフェルトが対立している。
女帝 マリア・ルドヴィカ・フォン・アドラフェストンが君臨する南方の大国。ルドヴィガはバーゼルラントの二王子の大叔母にあたる。
王室が保有する温室植物園には南方の植物が展示されていることから、帝国主義国らしく海外植民地を抱えていることがうかがえる。
1845年には、小麦不作にともなう食料費高騰による市民暴動が発生。それが発展して帝都で共和主義者の暴動がおこった。これをうけて女王は憲法を制定し、上からの立憲革命に成功した。なおこの暴動の際に、産後の疲れを癒すために訪れたバーゼルラント王妃ソフィアと二王子が暴徒に襲われる事件が起きている。
エルツライヒもまたバーゼルラントを狙っている国の一つである。
ヴァイセンの北東に位置する国。
第一次ノルデントラーデ戦役では、旧態依然とした「戦場での名誉の死」を誉とする脳筋戦法でヴァイセンに大敗したうえに、兵の略奪が問題視され賠償金を上乗せされた。
第二次ノルデントラーデ戦役では、世界最大級の木造戦艦や河川砲艦を保有する海軍がヴァイセン海軍を打ち破った。
ベルント・バルツァー
本作の主人公。ヴァイセン陸軍少佐。
第一次ノルデントラーデ戦役の論功によって通常より三年早く佐官へ昇進。順風満帆な出世街道を突き進むと思われたが、新たに関税同盟を結んだバーゼルラントの王立士官学校へ軍事顧問として派遣されることになった。
士官学校では兵科を問わずに指導を行っている。
第一王子のアウグストにその能力を認められた結果、バーゼルラントを巡る争いに巻き込まれていく。
ディーター・シュトルンツ
砲兵科二年兵。
初対面のバルツァーの前で騎兵科に対する感情を顔に出してしまうなど、子供っぽい場面が多い。しかし、砲兵科内での工学や数学、語学の成績は主席である。
実家は「シュトルンツ鉄鋼」という兵器工場を経営しており、幼いころから機械に触れていたため兵器に対する知識が深い。その知識を生かして、トマスのマスケット銃の修理をしたり、柔軟な発想で大砲運用を行う。
砲兵科二年。
ディーターの友人であり、彼が落ち込んでいる際には明るく振舞うなど仲間思いな面も見せる。
成績はティーダーに次いで次席だが、バルツァーには実務はパウルの方が優れていると評された。
現実的な考えをしており、士官学校に入ったのも軍人になるためではなく「退役軍人官吏登用制」という制度が目当てであり、30歳そこそこで退役して地方公務員になるという人生プランを持っていた。
実家はパン屋。祖父と両親、兄姉弟妹が一人ずつの八人家族。パウル曰く「超平凡な一般家庭」。
騎兵科三年兵。
王室が定めた法律によって女の身でありながら「男子」として南部の大貴族ヴェルフ侯爵家の北部領地を継ぎ、特例という名の貴族特権で士官学校に入学する。彼女が女であることは一部の者しか知らない。
女性でありながら騎兵科主席になるなど非常に優秀だが、騎兵科の現状への不満と優等生すぎる態度から貴族が多く士気の低い騎兵科では疎まれ、「お嬢様(フロイライン)」とか「サーベル童貞」といったような陰口をたたかれている。
第二次ノルデントラーデ戦役に参戦した際のある戦いから、兵器の発達によって膂力の劣る女でも戦場に出れる日が来ることを感じ、『騎兵不要論』などの先進的(?)な理論を唱え軍事改革を推し進めるバルツァーに賛同する。
騎兵科三年兵。
南部のブライトナー伯爵家の息子でヘルムートの幼馴染。ヘルムートの秘密も知っており、秘密がばれないように何かとサポートしてきた。
騎兵科内での人望篤く、人をまとめる力を持っている。貴族として騎兵としての誇りを持ち続けた。
第二次ノルデントラーデ戦役で敵騎兵隊が斉射砲によって殲滅される光景を見て、未来の自分の姿と重ね合わせ、将来への不安を感じていた。
後に、「戦場の華」としての騎兵が役割を終えたことを認めながらも、機動力を活かした襲撃を敵部隊に対して行い、戦果を挙げた。この戦術はバルツァーにも称賛された。
歩兵科一年兵。
マスケット銃の不良のために動作が遅れ教官から指導(鉄拳)されることが多かったが、銃の修理後にそういう描写は(たぶん)無い。
友達のマルセルが攫われそうになった時は思わず助けだそうとしたり、籠城下の学校では喧嘩の仲裁をおこなったりと、仲間思いで優しい子である。
マルセル・ヤンセン
歩兵科一年兵。
トマスの友人。教官に対して反抗的な態度をとることが多いが、トマスが叱られている時にはわざと発砲してトマスを庇う仲間思いなところもある。
命中率の安定しないマスケット銃を正確に的に打ち込む射撃の腕を持つ。
第二次ノルデントラーデ戦役に参戦した時には、精強なホルベック騎兵隊からの逃走時にバルツァーの援護を行い活躍した。ほかにも、初陣の暴徒鎮圧では、ほかの生徒がおびえて発砲しない中初弾を撃ちこんだ。
バーゼルラント王立士官学校の訓練長にしてバーゼルラント王室の第二王子。
初期のころは、「歩兵は歯車でよい」といった考えのもと旧時代的で過酷な指導を生徒に行い、その指導に対するバルツァーの注意に対して怒り、彼を牢屋送りにする短気さを見せた。その後も、バルツァーの主張する戦術を囚人を使った実弾演習で確かめようとするなど時代錯誤的な面が目立った。
のちにバルツァーの能力を認め、兄とエルツライヒに対抗するために彼と協力関係を結んだ。
自国が後進国であることを自覚し、王室財産を企業買収などに使い軍の近代化に努める。しかし、伝統的な手法を無視したその姿勢は「軍国化」と捉えられ、「軍国の犬」などと陰口をたたかれている。
バーゼルラント王室の第一王子。
保守的な人物で、弟の行う改革や鉄道建設を苦々しく思っている。
大叔母にあたる女帝ルドヴィカの君臨するエルツライヒとの関係強化を目指している。
懐古主義者であり、自身と周囲を中世趣味な服装や装飾で飾り立てている。弟のアウグストからは「中世仮装趣味の夢想家(コスプレのオタク)」といわれている。
南方の大国エルツライヒの女帝ルドヴィカの傀儡である。素の状態だと吃音の気があり、エルツライヒより派遣されたレンデュリック大佐によると人格障害をも患っているようである。
元ヴァイセン陸軍第二近衛連隊長。
バルツァ―とは陸軍大学時代の友人。大学時代に青年将校や士官候補生を扇動してクーデターを画策したが、バルツァーが情報を漏らしたため未遂で終わった。こののち、クーデター側将校のほとんどが自決したことを新聞が煽情的に報道したことで、第一次ノルデントラーデ戦役が勃発した。クーデター失敗の際にリープクネヒトは右目を失った。
クーデター失敗後はヴァイセンを脱出してエルツライヒ陸軍大佐となり、女帝ルドヴィカの命令でバーゼルラント王室に宮廷音楽家として派遣され、アウグスト失脚と自身の野望のために各地で暗躍している。
掲示板
9 ななしのよっしん
2023/09/27(水) 00:08:24 ID: VgomXZbuD3
新城直衛程卑屈な面は無いけど、戦場でオリジナル笑顔になったり
周りが変に誤解して寄ってくるのが信者と絶対コロスマンばっかりになって
いつの間にか騒動の中心になってるのは正に長身金髪イケメンに生まれた新城直衛
10 ななしのよっしん
2023/09/28(木) 13:51:23 ID: I6JeSZHsPJ
初期バーゼルラントが既に時代遅れになっていた18世紀ごろの戦法で、そこから19世紀の戦い方に変わり
今は更に20世紀の戦い方へ変わりつつあるという流れかな
第一次世界大戦すらすっ飛ばしてナチスドイツのドーラ列車砲もどき出てくるのはさすがに時代飛びすぎな気もするがw
11 ななしのよっしん
2023/11/22(水) 21:01:31 ID: 6KMWFFGRNx
すごい好きだった作品なんだけど唐突に淫夢語録が出てきたところで激萎えして追うのをやめてしまった
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/25(木) 11:00
最終更新:2024/04/25(木) 11:00
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