迷宮キングダムとは (メイキュウキングダムとは) [単語記事]

迷宮キングダムとは、日本で製作、発売されたTRPGの一つである。通称「まよキン」。
著：河嶋陶一朗/冒険企画局　発売：ＫＡＤＯＫＡＷＡ(旧版　著：冒険企画局／発売：ホビーベース)

世界の全てが迷宮（ダンジョン）になったと言う奇妙な世界”百万迷宮”を舞台に繰り広げられる、国家運営・ダンジョン探索ＲＰＧ。

概要

プレイヤー・パーティが国家を運営、発展させながら、ダンジョンの探索も行うと言う非常にユニークなＲＰＧ。

プレイヤーはランドメイカーと呼ばれる国を率いるリーダー格の人間になり、国家予算を使って施設の建造や領土の増加など、自国のレベルアップを行いながら、様々な問題を解決するため迷宮に挑む。職業も「騎士」や「神官」等の一般的な職業に加えて、「国王」「大臣」等、王国運営に関わる職業が並ぶ。

国家運営と言うと大規模なモノを想像してしまいがちだが、出来立ての国は労働人口が１００人にも満たない小国家で、（名前決定表とダイス神のお導きによっては）会社だったり商店街だったりする事もある。

ゲーム中の様々な要素をダイスで決定する事が推奨されており、その結果を求める為の様々なランダム表が存在する。他のゲームでは決めないような部分までランダム表が用意されていたりするので、サイコロ振ってるだけでも面白い事になる。

国の名前を決めようとしたら、実は横丁だった。な、何を言っているかわからねーと思うが（以下略）
うちなんか会社（or学校、幕府、星、etc）だったぞ。
そしてその国に俺（注：プレイヤー）の名前が付いた。
そんな我が国では、日常的にエルフが牧場で飼育されている事がランダム表で決定した。
女王様をやろうとして意気揚々とジョブを決めたらよりにもよって宦官（ナニを切り落とされた役人）だった。
迷宮に挑もうと出発したら、入り口に着く前にランダム表で死んだ。
休憩していたら男同士で愛情が芽生えた。
気が付いたら恋人になってた。
やっとこさ帰って来たら、お城が無かった。

セッションの進行手順は明確に明示されており、サイコロ振ってるだけでセッションが進行出来る為、非常にGM負担が軽く出来るように設計されている。
極端な話、GMは導入を考えた後は、ルールに従ってダンジョンを作成し、ルールに従って罠とモンスターを配置すればゲームが出来るというお手軽設計。

イラスト面でのデザインも大変可愛らしくポップなものが多く、一見すると大変ライトなTRPGなのではないかと錯覚する事だろう。が、だまされてはいけない。

その実、ゲームシステムや戦闘バランスは和製 TRPGでも珍しいくらいガチプレイ対応のガチガチ。その絶妙かつエロイ（えげつない、ろくでもない、いやらしい）バランスに魅入られた迷宮キングダム玄人（通称まよくろさん）を多数生み出している作品なのだ。
全体的なバランスとして、"うっかりするとすぐ死ねる"ので、取り合えず死なない為にプレイヤーは色々と頭をひねる事になり、スリルあるダンジョンアタックが楽しめるようになっている。

とはいえ、ゲームの細部は、古今東西のファンタジー、RPG、ダンジョンモノのお約束、ナンセンスなギャグ、ユーモアにも溢れており、TRPG 初心者同士の気楽なプレイから、ベテランコアゲーマーのガチプレイまで様々なプレイが楽しめる作品である。

ニコニコ動画では現在リプレイ動画が卓ゲM@Ster、東方卓遊戯、実況動画などと盛況で、Role&Roll誌に連載中の公式記事「砂時計週報」に話題が載っちゃったことも。

まよしろさん向けの刊行物紹介

【潜水艦/yellow Sub marine】（深人Lv13）の会社（ホビージャパン）が出している割にというべきなのか、メジャー級のTRPGと比較するとイマイチ出版力が弱い。頑張ってるしリプレイも出してるけど。

あんまり流通していないケースもあるので、ニコニコ市場やamazonで在庫がねぇー、って時はイエサブ、及びイエサブの通販を利用すると結構在庫があるケースもあるので要検討。

現在ではドラゴンブックにて第四版が発売し、ルール自体も大きく改定しているため、今から始めるのであればこちらを購入すれば問題ない。(発売元が大手になったおかげでだいぶ手に入りやすくなった)

また、版上げしても2.0とかセカンドなんちゃらって付けてくれないので、どれ買っていいか迷ってしまうまよしろさんも多いかと思うので、簡単にこちらで解説。　より詳しいまよくろさんの追記求む。

ルールブック

シニカルポップ・ダンジョンシアター　迷宮キングダム：初版。結構今とはルールが違う部分も（警戒度とか）。
迷宮キングダム　王国ブック、迷宮ブック：第二版。ルールがかなり整理された。一応公式サイトのエラッタを適用すると基本的な部分は第三版にアップデートできる。
迷宮キングダム　新・王国ブック：第三版、プレイヤーズブック。キャラメイクやゲーム進行に関するルールが記載されている。ベホマズンこと【信仰】が旧版と比べ大幅に弱体化したのがコレ。
迷宮キングダム　新・迷宮ブック：第三版、GM ブック。トラップやモンスターデータ、上級職やレアアイテムデータ、ワールドガイド。旧版ルールで遊ぶ場合はこっちもないと遊べないので注意。
迷宮キングダム　基本ルールブック：第四版。これ一冊でプレイヤー、ＧＭ両方出来るため、今から始めるのであればこれだけでＯＫ。全ページフルカラー、Ａ４サイズよりも大きいなど無駄に凝った仕様。

サプリメント等

迷宮クロニクルシリーズ：初版サプリメント。小冊子型でvol8まで。多くのデータはその後の第二版に収録されているが、抜けている部分も多かったり。（結婚ルールとか）
げっちゅー★キングダム！：初版サプリメント。
シティ・アドベンチャー：初版サプリメント。自国内で冒険するルールが掲載。
百万迷宮大百科：初版時代のワールドガイド。版元品切れ中。でもまだ出まわってる方。
猟奇戦役：第二版用サプリメント。キャンペーンシナリオ付き。"四大列強"用の強力な上級職、追加スキル、アイテム等のデータ有り。2011年 1月に再販された。
迷宮デイズ：現代編エキスパンションで、現代人として現代に現れた迷宮を冒険できる。追加スキルとか追加アイテムが多いため、導入して混成ルールにすると大変エロイことになる。
大殺階域：201２年発売のサプリメント。新しいクラス「民なき者」、新たなジョブスキルのほか、すべてのエネミーが新データで収録されている。
迷宮キングダム　上級ルールブック：第四版用サプリメント。いままでの追加ルール、データを現代編以外ほぼ網羅している。（現代編は世界観でも記述有）
大冒険ブック　旅する王国と無名階域：第四版用サプリメント。キャンペーンシナリオ付き。王国そのものが動き出す「旅する王国」ルールの他、防衛戦が楽しめる「王国戦闘」ルール、新クラス「職長」「候補生」…等など追加データ＆ルールが目白押し。更にワールドパートでは「無名階域」、すなわち天階・深階の”真実”に触れる記述も…？

リプレイ等、関連商品

黙示録の乙女、災厄の王子、女王の帰還："暗黒不思議学園"を舞台にした物語を描いたTRPG リプレイ。Ｒ＆Ｒで連載後、書籍化され、Ｒ＆Ｒと二版ルールに改定されたものがドラゴンブックから発売。改訂版では再録された追加ルールあり。
辺境王国とチーズの森、滅亡のキッチン：辺境階域にある小王国”絶対主義迷宮自治国”を舞台とした「ゆるふわらぶりー」なダンジョン・リプレイ。神官が回復スキルを持っていなかったり、二巻から「ゆるふわらぶりー」の文字が消えたりしてるが気にしてはいけない。旧版用の追加データ・ルールあり。
戦禍の五芒星、逆襲の五芒星：”マンチ”ことイケダサトシの送る高レベルセッションのリプレイ。五つの王国による連合宮廷”ベテルギウス連合国”が邪神率いる深階軍の脅威に立ち向かう。戦禍～に旧版用追加ルールあり。
オープンダイスキングダム：迷宮クロニクルシリーズに掲載されていたコミックに書き下ろしを加えた、速水螺旋人作のコミック作品。なにかと話題のテオドラさんが登場してます。
迷宮コンクエストシリーズ、迷宮牧場の決闘：迷宮キングダムの世界を舞台にした対戦カードゲーム
まよカード：TRPG プレイに必要なデータがカード化されたTRPG セッション用アクセサリ。初版用がvol4まで、第二版用のまよカード・ピュアセレクト、新版用のまよカード・アイテム編が存在。
モービィ・リップからの脱出：【島クジラ】(Lv30深人)モービィ・リップに飲み込まれたキラキラミラクル王国の国王となって、モービィ・リップから脱出する冒険を描いたブックゲーム。ほとんどゲームブックのようなものだが、鉛筆やサイコロ等が不要で、本だけで遊べるように配慮されている。現在は第二段の「虹河の大冒険」が発売中。
迷宮キングダム　特殊部隊のSAS おっさんの異世界ダンジョンサバイバルマニュアル！：迷宮キングダム初のノベライズ作品。タイトルが長い。謎の二人（？）組の手で百万迷宮へと送られた元SAS隊員”安藤・ギャレット・大河”が迷宮の脅威に挑む。魚蹴氏もとい宮澤伊織氏が書く百万迷宮世界はまよくろならずとも一読の価値アリ。