駆潜艇(くせんてい)とは、対潜用の小型(概ね排水量で1000t未満)の軍艦の一種である。
第一次世界大戦で潜水艦が活躍すると各国では潜水艦に対抗すべく、多くの艦艇が整備された。その多くは駆逐艦のように既存の艦艇に水中聴音器や音波探信儀を装備し攻撃用に爆雷を搭載したものであったが、一部対潜用に建造された小型艦艇があった、それが駆潜艇(Submarine chaser)である。
こうして建造された駆潜艇は上述の通り、小型ゆえに建造・運用が容易であり、同種の艦が第一次大戦後から第二次大戦中にかけ、多くの国で建造された。その任務は、駆逐艦とは異なり沿岸や泊地の防衛用として使われることが多かったが、第二次大戦中の米国(とその友好国)や日本のように外洋で船団護衛任務に就くこともあった(米国ではフリゲートやコルベットの補助的な役割として、わが国においては不足する船団護衛用の艦艇の穴埋めとして)。
駆潜艇の装備は国によって多少異なるが、3インチ程度の高角砲1門と機関砲数門、そして爆雷、という装備がオーソドックスであった。勿論、時代により対潜ロケットや対潜魚雷が搭載されることもあった。また、搭載する電子兵装も簡易的な水中聴音器や音波探信儀からより高度な物へ、更に対空・対水上電探の搭載、といった風に時代に合わせて強化されている。
しかし、第二次大戦後、潜水艦の高度化、特に原子力潜水艦の登場による潜水深度の大深度化、潜航時間の長期化により、それに対抗するため対潜兵装やセンサー類が大型化したため、次第に小型の駆潜艇では最新の対潜兵装を搭載することが困難になっていった。また、本格的な対潜哨戒機の登場により、沿岸から外洋までを広く哨戒できる体制も整備される事も相まって、駆潜艇は次第に廃れていってしまい、現代においては見ることのできない艦種の一つとなっている。
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最終更新:2024/03/29(金) 08:00
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