抵とは、こばむ(抵抗)、罪をおかす(抵冒)などの意味を持つ漢字である。
漢字として
- 意味
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- 押しのける、拒む、あたる、相当する、おおよそ、擲つ、(牴・觝と通じて)触れる、犯す、(至と通じて)至る、(詆と通じて)騙す
- (扺と通じて)撃つ
- 〔説文解字・巻十二〕には「擠(お)すなり」とある。
- 字形
- 形声で声符は氐。〔説文〕に「手に從ひ氐聲」とある。
- 氐に底を平らにする意味がある。そこからおしのける、抵抗する意味がある。
- 音訓
- 音読みは1.の場合、テイ(漢音)、タイ(呉音)、2.の場合、シ(漢音)。訓読みは、あたる、あてる、おす、こばむ、いたる。
- 規格・区分
- 常用漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 語彙
- 抵禁・抵牾・抵抗・抵死・抵掌・抵触・抵罪・抵当・抵冒
異体字
- 𠥯は、〔字彙補〕に「古抵字。秦・詛楚文に見ゆ」とある異体字。
- 掋は、〔竜龕手鑑〕に「通」、〔集韻〕に「或ひは掋と作す」とある異体字。
- 拞は、〔竜龕手鑑〕に「俗」とある異体字。
- 𢪔は、〔海篇〕に抵と同じとある異体字。
- 𠨿は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。厎の異体字でもある。