ESSM 単語

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RIM-162 ESSM(Evolved Sea Sparrow Missile)は、アメリカレイオン社が開発した艦対空ミサイルである。日本語では「発展シースパロー」と呼ばれる。」

名前こそシースパローを引き継いでいるが、射程などの性は2倍近く向上しており、外形含めほぼ別物となっている。

概要

西側各海軍で広く採用されている艦対空ミサイル、RIM-7シースパローシリーズ代替する対空ミサイルである。発射プラットフォームとしてはMk41およびMk48VLS、およびMk29ランチャーが用いられる。

終端誘導こそシースパローと同様のセミアクティブレーダーホーミング方式を採用しており、母艦イルミネーター(照射装置)による誘導を必要とするが、飛翔の中間段階では慣性誘導およびデータリンクによる誘導を可としており、同時多標対処が向上した。

また、外形もシースパローからスタンダードミサイルに近いほっそりとした形状になっている。ロケットモーターにも良が加えられており、射程延伸、発射炎低減による母艦センサーへの悪低減、推変更ノズルによる機動向上などの新機軸が盛り込まれている。

射程延伸と同時多標対処向上の結果、ESSM装備艦の防戦闘は従来のシースパロー装備艦が持っていた「個艦防ポイント・ディフェンス)」から、限定的ながら自艦以外の周辺を防する「僚艦防ローカルエリア・ディフェンス)」へと質的な発展を遂げることとなった。現在では開発であるアメリカの他、ドイツオランダノルウェーデンマークなど欧州オーストラリアカナダなどの海軍で使用されている。

今後開発予定のESSMブロック2ではシーカーアクティブホーミング化し、母艦イルミネーターに依存せずに終端誘導を行うことで更に同時多標対処を向上させる計画である。

日本での採用

海上自衛隊ではひゅうが型護衛艦あきづき型護衛艦がESSMを装備している。また、むらさめ型護衛艦も搭載するシースパローのESSMへの換装を完結たかなみ型護衛艦も5隻一括でESSMへの対応修が、新防衛大綱で決定された。このように在来護衛艦へもフィードバックが容易なことも、ESSMの長所の一つといえる。

論、現在は25及び26DDと言われている5000トン護衛艦も、ESSMを搭載することを前提に設計、計画されている。但しあきづき型護衛艦とは異なり、こちらは自艦防用の搭載数に留めるとされている。

ESSMの採用が決定する以前、防衛省技術研究本部では海自護衛艦の防ミサイルとして、空自が使用する99式空対空誘導弾AAM-4)を応用した、アクティブレーダーホーミング方式のRIM-4を開発して当てる計画であった。

しかし開発予算の縮減、開発遅延、縮減された予算の航空集団、潜水艦への優先配分などの諸般の事情から、先にアメリカ完成したESSMを急遽採用することになった、という経緯がある。

一説には米海軍との装備共用化を志向した海自産装備を嫌い、ESSMの採用に踏み切ったという説もあるが、詳細は不明である。いずれにせよ、アクティブ式のRIM-4からセミアクティブのESSMに使用装備が変更されたために、ひゅうがおよびあきづきに搭載されているFCS-3レーダーシステムイルミネーターを組み込む必要が生じ、FCS-3開発若干の遅れが出たことは事実である。

最終的にFCS-3に組み込むイルミネーターの電波照射アルゴリズムは、欧州タレス社からの技術導入を得ることによって解決された。この点については段階的に、アルゴリズム産化が推進される予定である。

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