KUH-1 スリオン 単語

ケーユーエッチワンスリオン

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<ヽ`´>KUH-1 スリオンとは、わが大韓民国開発した多ヘリコプターニダ

概要

韓国が独自技術(?)で初めて開発したヘリコプター。中の多的用途のヘリコプターで、韓国軍韓国警察が採用している。

「スリオン」は募によって決められた称で、韓国語の意味の「スリ」と100の意味の「オン」を合成した造語の勇猛さと素飛翔100%産化や開発全さを徴する名前とのこと。漢字理に表記すると『』(数字完璧、もしくは部品の内製率100%をあらわす、まさにウリたちの勝利を宣言する名前ニダ!)。

2013年より韓国軍への配備が開始されている。

前史

韓国軍は長年UH-1多用途ヘリを運用していたが、なんせUH-1ベトナム戦争のころに開発されたヘリ。21世紀には運用30年がくるとかとんでもない事態になっていた。一応後継機としてUH-60ブラックホークは既に存在したが、このヘリ馬鹿っ高い(フル装備で約45億円、F-16一機分に相当!)ことで有名で当の開発したアメリカですらひぃひぃ言いながら配備[1]しているという体たらくであった。

韓国では自仕様UH-60Pをライセンス生産、100機以上製造・配備したものの2007年の時点でもまだ120機程度のUH-1更新待ちの状態であり、ぶっちゃけ予算が足りなくなったのである。

それだったら自分たちで開発して作ったほうが安くね? という発想が出て、2001年にまず『KMH』(由来は不明だが多分『Korean Military Helicopter』の略)計画が発動する。コレはエンジンフレーム、後部胴体を共通のものとし、対戦車戦闘ヘリと汎用輸送ヘリの胴体に挿げ替え製造するという野心的なもの[2]であった。しかし初めてのヘリ開発でコレは野心的に過ぎ、韓国院(日本会計院に相当)より『費用対効果薄そう、というか初めての開発でそれはリスク高すぎ、自重しろ』と怒られる。

で、めて2006年に次期輸送ヘリコプターKHP』計画として開発が始まった。

開発

2006年6月、それまで韓国軍で使用していたUH-1H汎用ヘリコプター500MDヘリコプターの後継機種を自開発するため、韓国政府KHP(Korea Helicopter Project)を開始する。

韓国開発に当たり外に協してくれる企業募する。コレに対しアメリカヘリコプターメーカーであるヒューズとシコルスキードイツユーロコプター(後に社名変更してエアバスヘリコプター)、イタリアのアグスタ・ウェストランドの各社が応募した。韓国としては技術移転を希望し、それは各社に伝えていたはずなのだが……。

<ヽ`´>ユーロコプター、君に決めた!

かくしてユーロコプターパートナー企業とし、KHP計画は本格的に始動する。

開発に当たっては100%産のヘリコプターを作るのを標に掲げ、開発予算に1兆3000ウォン(約1400億円)が投じられた。防衛事業庁と知識経済部が共同で管し、KAIコリアエアロスペース)が開発契約企業となり、内外の147社の企業、28の大学研究機関が参加する一大プロジェクトであった。

試作機は2009年完成し、翌年の2010年3月には初飛行。試験も事故で終え、2012年6月開発了を宣言。これにより韓国世界で11番の自ヘリコプター開発したとなった。[3]

さて、このスリオンの開発にかかわった企業の中に『S&T重工業』なる会社がある。ここは産業機械の変速機を開発、製造をしている会社なのだが、ここはXK-2戦車の変速機を開発に失敗しXK-2炎上大体こいつのせいと言っていい過去を持っているのである。ここがエンジンローターを繋ぐ動伝達装置の開発を行っていたのであるが、そんな会社に任せて大丈夫か?!

性能諸元と機体解説

   KUH-1 (参考)UH-60
全長(ローター含まず) 15.09m 15.43m
メインローター径 15.8m 16.36m
全高 4.5m 5.18m
虚重量 4,973kg 4,819kg
最大離陸重量 8,709kg 10,660kg
エンジン T700-ST-701K[4] T700-GE-701C
巡航速度 259km/h 278km/h

ここまで順調であった。うん。ところが……。

何故炎上したし!

2014年12月100%産で作られたはずのスリオンであったが、実は重要部品の動伝達装置が産化に失敗していたことが判明し、監院は防衛事業庁、KAI、動伝達装置の開発担当のS&T重工などへの調を開始した。[6]

伝達装置はS&T重工業がエアバスヘリコプターから技術供与契約を受けて開発する予定だった。しかし調の結果、技術供与契約されている部品は、動伝達装置の全部品の約450個中、3割の134個で、そのうち量産可なのは80個のみ。この時点で既に完成済みのスリオンの動伝達装置は全てエアバスからの輸入品だったというのである。

で、双方の言い分はというと。

S&T:おまえら仕様書ころころ変更するわ公文書の回答に1年かかるわめとんのか!
エアバス:こっちは必要な技術やノウハウは全部教えたわ! よう作らんお前ら馬鹿なんだろうが!(※意訳)

……どっちもどっちである。[7]

院は産できなかったのは契約違反として、約15億円の違約を含む制裁を視野に入れている。これは本来エアバスヘリコプターに対し科されるはずだが、なんでも今の契約だと最終的にS&T社が払うことになるそうで事態は泥沼化の様相を呈している。

実際のスリオンの産化率は60程度とのことだが、大体が現在航空機産業なんてものは際分業が基本であり純産なんてものはあまり意味がないのである。日本が純産を謳っているMRJですら部品の産化率は30という現状である。

また、XK-2DF200の記事を読んで頂いたほうがいいのだがを伝える装置を小化するというのはとんでもなく難易度が高いのである。というかお前らXK-2で何学んだ()。よく韓国は『歴史を学べ』といっているが、日本F-1でどんなにあったかとか中国が未だに中以上のヘリ産化できてないとか学ぶべきことははいっぱいあるのである。

結論。いつもの韓国である。


なお、韓国の名誉のために言っておくがスリオンそのものに現在まで不都合は一切出ていない。はっきり言って、産化にこだわらなければ何の問題もない機体なのだが……。

バリエーション

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関連項目

脚注

  1. *あまりに高くてアメリカ海兵隊にいたっては配備してもらえず、自前で安いヘリを新規開発(後のUH-1Yヴェノム)するハメになったぐらいである。
  2. *といってもUH-1からAH-1Mi-8からMi-24は全く同じ発想で出来ているので別にこういう発想が出てきてもおかしくはない。
  3. *韓国、世界11番目のヘリ開発国家に…「国防科学技術の優秀性を立証」exit
  4. *サムスンテックウィン社製のT-700-GE-701Cのライセンス生産品。
  5. *わが国の機動ヘリ「スリオン」、米ブラックホークに匹敵=韓国exit
  6. *国産といっていたが…韓国型機動ヘリ「スリオン」、核心装置はまだ輸入exit
  7. *参考:韓国機動ヘリ「スリオン」 核心装置技術を移転できず産化失敗(その1)exit(その2)exit
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