SJ30とは、2代目スズキ・ジムニーの形式の一つである。通称「サンマル」
2代目ジムニーには年代順にSJ30・JA71・JA11・JA12・JA22と5つの形式があるが、その中でも日本で最後の2サイクルの4輪自動車と言う事で高い人気を誇るのがSJ30である。
1981年に登場し、それまでの男性的なデザインから、直線基調のデザインで幅広い人気を博した。エンジンはキャリイにも搭載された、先代からのキャリーオーバーのLJ50型である。この当時はすでに淘汰されつつあった2サイクルエンジンであるが低回転域での粘りに定評があった為、敢えて2サイクルのエンジンを搭載した。
キャッチコピーは「Tough&Neat」である。決して「頑丈でニート」という意味ではなく「頑丈でこぎれいな」という意味である。
登場当初は5グレード用意され、数度のマイナーチェンジの末、1987年にJA71型に完全移行されて生産中止となった。
なおJA71型登場当初は出力特性から保険の意味合いで引き続きラインナップされていた。
SJ30が登場した1981年当時、軽自動車で2サイクルなのはスズキとダイハツだけであった。但し、ダイハツの場合は軽免許対策の名目で継続生産されていたにすぎず、360ccの旧規格であった。実際、同年度内にはモデル廃止となっているので、新規格の550ccに対応した2サイクル車は事実上スズキだけであった。
元々、GTシリーズやハスラーシリーズに代表されるように2サイクルをメインに据えたメーカーであり、4輪車でもそれに変わりはなかった。しかし、排ガス規制によって4サイクル転換待ったなしであった。しかし、スズキは4サイクルのノウハウに乏しく、一時フロンテにライバルのダイハツの4サイクルエンジンを搭載すると言う屈辱を味わったのだが、それを乗り越えて自社開発のF型エンジンを作り上げた。
しかし、完成した4サイクルのF型は低速の粘りが2サイクル車と比べても不足しており、オフロードで走らせるにはまだまだ熟成不足であった。一方、排ガス規制は貨物車登録の4ナンバーの場合は緩かったのでジムニーには引き続き2サイクル車でも問題ないと判断した。実際4ナンバー車登録のアルト・ジムニー・キャリイは登場の段階では2サイクルのみであった。ちなみに5ナンバーのフロンテにも2サイクル車は存在した。5ナンバーはより厳しい基準になるにもかかわらず、排ガス対策が施されており、2サイクルの大家であるスズキの面目躍如であった。
ジムニーに搭載されるエンジンはLJ50型と名乗っており、1987年の生産中止まで搭載されていた。このエンジンはキャリイやフロントハッチ(フロンテの商用バンモデル。設計が異なり、こちらはFR)にも搭載されており、キャリイもまた1986年までラインナップされるなどスズキの2サイクルエンジンの礎を担ってきた。原型は空冷2気筒360ccの実用車エンジンであるFB型であり、水冷化したL50型、そこに550cc化に伴い1気筒追加してLJ50型という進化の系統をたどってきた。実用エンジンがベースなので走りの良さやフィーリングよりもむしろ低速からの粘り強さが身上であった。搭載されてた車種が車種なので、FR用であった。キャリイに搭載されていたこともあり、廃車流用も非常に容易であった。
一方、同じく2サイクルエンジンであったT5型というエンジンがあった。「2サイクル・550cc・3気筒」と言う共通項があり、設計も共通している部分があるが、大きな違いは駆動方式に起因するクランクケース周りの設計である。当時、主力であったセルボやフロンテはRRであり、ギアケースがエンジン部分にほぼ一体となるように設計されていた。これらRR用の車両に搭載されたエンジンはT5A型と名乗っている。そののちに登場したFFのアルトはT5B型を名乗っている。T5型の祖は360㏄空冷3気筒のLC10型であり、これを水冷化したLC10W型、排気量アップしたT4A型という進化の系統をたどった。なので共通部分は多くても、成り立ちは全く別物である。出力特性も異なっており、パワーウォーズ時代を駆け巡った為にやや高回転域を得意とし、前述したとおりFFやRRに搭載されていたこともあり、T5型はクランクケースとギア部分が一体となっているなど見方によってはまるっきり別物のエンジンともいえる。なのでそのまま互いのエンジンパーツを融通することは難しい。
既に生産中止より30年近くなり、同時期の多くの車が既にスクラップになっており、部品供給も難しくなっている中でもで未だに第一線で走れる車も多いSJ30ジムニー。何故ここまで人気があるのか?
元々、ライバル不在でその手の需要に大量に生産されていた事もあるが、2代目ジムニー自体が長いモデルライフであった為、部品の融通が割合に可能であること、最後の2ストロークエンジンで人気が集中している為、各々のショップが独自の商品を出してきた事があげられる。そしてその2ストロークエンジンも同じく当時大量生産していた軽トラックのキャリイから移植が可能であったことなどがあげられる。
また車体も形式部分はシャーシに依存する為、ボコボコになって交換する事になっても余程の事がなければ特段の手続きも必要なく、2代目であれば割合容易にポン載せが可能である。中にはマイティボーイやアルトと言った車種の車体を載せる変態猛者もいる。この他、オーバードライブなしの4速が基本のSJ30は高速道路ではキープレフトを強いられたり、ピストン焼き付きの恐怖との戦いであるが、5速に換装すればキープレフトは変わらなくても、エンジンにかかる負担は格段に小さくなる。
こうしてまだまだ多くのSJ30が生きながらえている格好となる。何が言いたいかと言うとJA71は犠牲になったのだ…
幌車とバンの2種類が存在し、幌車は幌の範囲によって3種類、バンは装備の内容によって2種類が用意された。ジムニーは形式記号「SJ30」とは別に機種記号として「○○-○1」が存在し、マイナーチェンジごとに1つづつ加算されていく。以降、この機種記号を併記する。SJ30は5型まで存在した。
なお、車検証の表記は幌車は「ボンネット」、バン型は「バン」と表記される。
1型のみに存在した幌車で、通称は「キャンバスドア」である。ドアを含めて屋根はすべて幌である。初代以来続いてきたオール幌であるが、ホロを外せば、700キロを切る超軽量車体に物を言わせ、4輪のTS250(ハスラー)にもなったであろう。
幌をとるとドアもなんもないので、ドアの部分にはシートベルトに似た格好の仕切りベルトがつけられた。
しかし、やはりドアも幌では心もとなかったのか、人気は出なかったと思われ、2型以降には継承されなかった。
1型~4型まで存在した幌車であり、通称は「ハーフメタルドア」である。ドアは下半分は鉄であるが、上半分はホロ窓であり、前のウィンドウが可動式となっている。またBピラーも付いており、これはロールバー兼用となっている。F程でないにしろ、軽快さを肌で感じる事のできるグレードである。「宇宙刑事ギャバン」で一条寺烈が乗っていたのはこれの赤。
最後まで存在した幌車で通称は「フルメタルドア」。ドアがサッシ付きであり、前のウィンドウは蝶番こそ付いているものの、倒すとドアの部分のサッシが目立ってしまう。2型に移行した際にグレードがJMに変更された。
1型~4型まで存在したバン型車で実用に絞って装備がされている。
幌車のJMと共に最後まで存在したバン型車である。VAより装備を充実させて、プライベートにおける使用でも過不足はない。
「宇宙刑事ギャバン」でギャバンこと一条寺烈の愛車として登場。赤のハーフメタルドアであり、画面を所狭しと駆け巡るその姿に世の子供たちはサイバリアンやドルギランと同じように羨望のまなざしで見つめた事であろう。「ギャバンの車」と言うキーワードで通じる程である。劇中においては「ジープ」と言われている。
なお、どういうわけかナンバーは黄色の軽ではなく、白い普通車のナンバーとなっている。
「SJ30」の30から「サンマル」と言われる事が多いが、「局地戦闘機」と言うあだ名も存在する。
「局地戦闘機」のあだ名は最新型のJB23型であっても走破出来ない事もあるモーグルや岩場と言った超極悪路をタコの如く吸いつくように走破する様を例えて名づけられているが、その一方でそれ以外のステージ、特に一般道では交通の流れに乗るのがやっとであり、得意分野以外はてんでダメな様も合わせて例えている。
ジムニー関係の動画は数多く存在するが、現行のJB23型を別とすれば、同じく名車のJA11の20件に次いで多い。
2サイクルエンジンの4輪車はスズキ以外では殆ど2気筒であり、2サイクル3気筒エンジンはスズキしか採用しておらず、往年の名車ウォーターバッファローことGT750やサンパチことGT380と同じ構成なのでエンジン音だけ聞けばそっくりな為、このタグが貼られる事がある。
また、セットで鈴菌タグも貼られる事がある。より大型の車が苦労する極悪路を難なく走破する変態的とも言える性能を軽でやってのけてる事、2サイクル特有の紫煙かぐわしき排ガスに唯一無二の3気筒が強烈なウィルスを発生させている。
ボディースワップの例
掲示板
3 ななしのよっしん
2014/05/02(金) 21:54:22 ID: kaCTOULvwG
LJ50エンジンに関しては、SJ10時代のシリンダーにオイル穴があるタイプが最強だと思う。
なにしろ焼きつかない。混合給油で使う場合を除いて、整形の正確さなど、アドバンテージは高い。
ただし、サンマルに乗せるためにはラジエターを前進させるか、クランクを交換する必要がある。
4 ななしのよっしん
2015/01/12(月) 12:00:26 ID: kaCTOULvwG
記事の「宇宙刑事ギャバン」だが・・・
いま画像検索で確認したかぎりでは、SJ40だな。輸出用カルタスの1000CCエンジンで、白ナンバーだ。オーバーフェンダー、サイドステッカー、6本ホイールナット。
5 ななしのよっしん
2015/03/03(火) 22:03:11 ID: KcBc/ed7e9
シャリバンかシャイダーと勘違いしてない?
その二者だと確かにSJ40幌が使われてるけど
ギャバンのジムニーは赤い幌車でオバフェンもステッカーも何も無いしエンジンも間違いなくLJ50だよ
それなのに白ナンバーついてるから「おや?」という話
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最終更新:2024/04/24(水) 05:00
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