【UP主が見たい】Bad Apple!! PV【誰か描いてくれ】 とは、これ以上ない丸投げ動画であるが、同時にこれ以上ない字コンテである。
サークル「Alstroemeria Records」による東方アレンジ曲"Bad Apple!! feat. nomico"のPV字コンテを、「字コンテ」を書いた動画である。
多くの人は、ランキング等に入っている絵師たちによって完成したPVを見た後にこの元ネタの存在に気づく。そういう事も相まって本動画のコメントは、そのギャップにより受けた衝撃の大きさと、若干のツッコミで構成されている。オチ担当。それでも時々、この動画の構成を評価するコメントが混じることもあるのだが、その逆に凄い画力によって、この動画自体の評価は原点にして底辺というタグが付くほどに低い評価であった。 しかし、この動画を受けて作られた派生作品は数知れないほどであり、完成したPVの構成が高レベルなのも相まって伝説の始まりとなる動画である。
「Bad Apple!!」とは「ZUN(通称・神主)」が運営している個人サークル「上海アリス幻樂団」の弾幕ゲームである東方project第4弾「東方幻想郷」のstage3道中曲であり、 それをサークル「Alstroemeria Records」がアレンジした曲が「Bad Apple!! feat. nomico」である。この字コンテで使用された曲はアレンジ曲の方であり、正式には「Bad Apple!! feat. nomico PV」である。原曲に歌詞無いよ!
因みに「Bad Apple」とは日本語で「ロクデナシ」という意味で、まさに鬼発注の人と呼ばれ、この動画のうp主であるΜμさんの事を表しているような言葉である。
この動画は絵コンテと呼ぶには本当に雑な絵であり、字コンテや鬼発注と呼ばれるように一見理解しにくい。 しかしPVを作る上で必要最低限の情報は入れており、キャラクターが登場するタイミング、おんせんなどのPVの舞台、キャラクターの行動などは指示している。その他の演出面でも、冒頭部霊夢がりんごを投げそれを魔理沙がキャッチし食べながら夜空を飛行する、橙→藍→てゐ→鈴仙→椛の耳つながり、早苗掃除中→雛ぐるぐる回ってなどの演出は構成の段階で完成版のイメージがなければ出来ない割り方であり、字コンテを制作する段階で既にΜμさんの脳内に完成版の動画があった事は間違いない。情報が少ない事による自由度の高さが逆に想像の余地があるとも言えるかもしれない。
動画がUPされた当初、そのあんまりな絵の雑さ具合や他力本願な姿勢にコメントで叩かれたり笑われたりしていたが、そんなこの動画に何か光る物を感じ取ったのかPVを制作する絵師が複数現れ、完成したPVの中の一つが人気を博しランキング入りした。 その動画で元ネタとして紹介されたこの動画も、そのPVとのギャップもあってかランキングの下の方に載る。 それによりニコニコユーザーと東方絵師に認知されたこの字コンテは、新しいPVが作られるたびランキング入りし、それをきっかけにまた新しいPVが作られ、またランキング入りするいわゆるブームを巻き起こす。 様々な絵師によって色々な解釈によるBad Apple!!PVが作られるたび、この動画も再生回数を伸ばし、完成したPVも洗練されていく事となった。
下はうp主であるΜμさん自らがまとめたマイリストと比較動画である。
そのブームも一旦収まり、PV制作も下火になったと思われた頃(字コンテがうpされた1年4か月後)、ニコニコ動画で後に再生回数1位になる影絵バージョンのPVがUPされ、そこでも元ネタとして紹介された。
影絵PVがいわゆる祭りとなり長期間ランキング1位となった事、構成が字コンテに忠実だった事や、クオリティが非常に高かった為この動画との落差も凄まじいことになったインパクトもあってか、 再び字コンテPVが注目される事となる(この時、東方カテゴリで影絵PVに次ぐ2位になっている)。 その影響で、当たり前だが当時10万再生にも届いていなかったこの動画も影絵との相乗効果で爆発的な伸びを記録し 、現在はダブルミリオン動画になっている(因みにニコニコムービーメーカーで制作された動画では再生回数1位)。 影絵PVの影響で東方projectの枠を超えた派生作品や歌ってみた、踊ってみた動画などが作られたことによって、他ジャンルのファンにも認識されていく事になった。 現在、ニコニコ動画でBad Apple!!と言えば、このPVと言われる位知名度を得ている動画であるが、正確にはアレンジ曲であり、原曲と違う事を注意してほしい。
センスしかないと評価されるように、初のWindows版東方project作品である東方紅魔郷以降の主要キャラクター(一部例外あり)を、 全て歌詞に合わせて配置しつつ作品順に並べている構成である。 後述するがそれ以外にも構成の演出が隠されている。ほとんどの人の第一印象は、墓石と名簿が並ぶ壊滅的な絵心による笑いと、この動画を受けて作られ完成したPVとの落差による驚きであると思われる。 しかし、東方projectの設定に詳しい人ほど、この字コンテPVの本質はその驚異的な構成にあると分かる。 原点にして底辺と評価されているが、構成に関しては実は原点にして頂点といえる。
このコンテを解読するコツとしては、歌詞とキャラ設定を合わせている事による状況説明がある。「流れてく時の中でも気だるさがほらぐるぐる回って」という歌詞に東方projectで常に回転するキャラという事で鍵山雛を当てているが、鍵山雛の設定として「人間の厄」を集める神様という物がある。「厄」=「気だるさ」とすると、気だるさの歌詞の所にいる人間=東風谷早苗がいる。「流れてく時の中でも気だるさが」が早苗の厄だとすると、早苗にとって不幸な事があったと取れる。その不幸とは「流れてく時」が時間経過だとすると東方風神録以降の出来事→東方地霊殿体験版(当時の最新作)で5ボスの人間キャラであるにも関わらず自機になれなかった事と取れるのだ。この例を見ても解るように、ただ無意味に配置しているだけのキャラはこのコンテに存在しない。歌詞やキャラ設定を巧みに利用した配置であり、ストーリー性がこの雑なコンテでも存在しているのだ。
なお、曲を省略している部分があり、後にfull用パッチの動画も制作されている。それも鬼発注なのは言うまでもない。曲を省略した理由で考えられるのは歌詞とキャラのリンクを優先させて時系列を成立させる為に、リンクしていない歌詞を省略したのと、東方地霊殿製品版発売前だった事から、パッチを当てる事を前提に作っていたのかもしれない。省略した分短くなっているためPVを作成する絵師に配慮したのかもしれないが、サビの『ロクデナシ』を省略したのはこの字コンテにおける唯一の失策と言える。サビ部分の『ロクデナシ』を聞きたい方はfullを聞くと良い。因みにfull用パッチは鈴仙を主人公に東方地霊殿4ボス以上と書籍のキャラで展開されている。
この動画が制作された理由はΜμさんによると、ニコニコ動画で東方ボーカルアレンジの曲をUPしていたスキマツアーにおけるこの曲の動画にて、歌詞の「スキマ」の所に能力がリンクする八雲紫が出ていなかったかららしい。
※橙や八雲紫など複数のステージや作品に登場するキャラはこのコンテに合わせています
・各キャラの詳しい設定はキャラクター名のリンクから飛んでください
東方で楽器を演奏している彼女たちが間奏を演奏。 能力は主に手足を使わずに楽器を演奏する程度の能力なのだが二次創作では無かったことになっている手を使っていることが多い。 虹川は、プリズムの光の屈折で虹ができる+リバーは川=プリズムリバーとなる。 レイラ・プリズムリバーという四女が存在していた。 彼女が騒霊である三姉妹の成り立ちに深く関わっている。 東方妖々夢では選んだ主人公によって最初に戦うキャラが違うが、最終的には協力し合って主人公に立ち向かってくる。
三姉妹の音楽に誘われて来た獣耳キャラ達(椛は獣耳あるのか原作では不明だが、書籍や二次創作などでは獣耳な事が多い)。 椛は次の東方風神録の場面へのつなぎの役割もあると思われる。 東方紅魔郷から東方永夜抄までと、東方風神録から東方地霊殿体験版までの境界。 間奏に獣耳キャラが多くなったのは偶然だと思われるが、その偶然を利用して耳を強調する演出を入れている。 てゐと椛以外は「んの耳」まで再利用している。因みに鈴仙は優曇華院(うどんげいん)でありうどんでは無い。
※東方projectでは、題名にラスボスの名前の文字が入る慣例(東方{永}{夜}抄→永琳・輝夜)があり、弾幕アクションゲームの前作となる東方萃夢想発売前に嘘のラスボス名として萃夢想子というネタがあった。 続編に当たる東方緋想天でもそのネタが踏襲され緋想天子(ひそうてんこ)というネタが作られたのだが、本当に天子という名のラスボスが出た。
東方projectの主人公である博麗霊夢と霧雨魔理沙が起点となってループ演出を成立させつつ、旧作(東方幻想郷)との境界になっている。東方紅魔郷から東方永夜抄と東方風神録から東方地霊殿体験版の境に間奏を入れてここでも境界を構成している。Bad Apple!!原曲が出た東方幻想郷をあえて最後に配置することで、ループした際に東方幻想郷が時系列の一番最初に移動する。これにより東方projectの時系列が完成する。これをキャラクター設定と歌詞のリンクを合わせながらPVを作る上で必要最低限の情報で伝えている。驚くべきは作品順が一部前後している以外矛盾する所がない上に、東方projectの設定と照らし合わせてもこれ以上ない構成になっている事である。思い出してほしい。このPVは『完成』していた曲に『後付け』した字コンテである。ここまで設定の擦り合わせをしているPVを後付け出来るセンスは本当に稀な才能と言える。
キャラクターの選考は原作(この動画がUPされた当時の最新作、東方地霊殿体験版まで)のstage4ボス以上(小悪魔、リリーホワイト、永江衣玖除く※1)、東方地霊殿自機サポート妖怪、Bad Apple!!原曲が出た東方幻想郷stage3ボス以上。例外として「ぐるぐる回って」の歌詞に合わせて東方風神録stage2ボスの鍵山雛※2。選考にキャラの人気などはあまり考慮されていないようであり(人気や知名度のあったチルノ、紅美鈴などが入らず、字コンテがうpされた当時それほど知名度が無かった鍵山雛やエリーが入る)、stage4ボス以上で歌詞に合うかどうがが判断基準だと思われる。他のキャラを出す自由度も高く、絵師によってはここに紹介されてないキャラも出ている。因みに、Μμさんの好きなキャラは八雲紫らしい。
※1 小悪魔は本棚に、リリーは白玉楼の庭先に、永江衣玖は紫の代わりに天子と対峙すると自然かと(なおリリーと永江衣玖はうp主の新作PVに登場している)。 彼女らが入っていない理由はPVのコンセプトとして、歌詞とキャラを合わせることに重点を置いている為、歌詞とリンクしていない事が大きいと思われる。 なおこの動画を受けて制作されたPVには、彼女らも登場していることがある
※2 ぐるぐる回るキャラは橙と八雲藍もいるが、風神録の場面に合わせて雛が登場している
東方projectの主要キャラ(4ボス以上)全てを歌詞に合わせて意味を持たせつつ、キャラと作品を時系列順に並べながら主人公を起点にループさせ、東方紅魔郷が一番の歌詞の冒頭、東方風神録が二番の歌詞の冒頭など、節目の作品が歌詞の冒頭に来る演出、ループによりBad Apple!!原曲の出た東方幻想郷が時系列の最初と最後になる演出、名前のみ指定や墓石と呼ばれる必要最低限の情報しか無い事による自由度の高さ、何より「時の」=十六夜咲夜、「スキマ」=八雲紫など、東方projectのキャラ設定や2次創作ネタを知っているなら解りやすいキャラの配置で構成され、PVを作る東方絵師の想像力を掻き立てるコンテであり、東方projectのPVとして驚くほど高次元に纏まっている。絵心以外は。この構成は東方projectの設定に詳しいだけではなく、曲の歌詞を動画の字幕で言っているように何度も聞いた結果だと思われる。雑な絵に騙されそうになるが、これほど綿密に構築されたPVは滅多にないと思われ、Μμさんの才能の高さを物語っている。
この曲が最初から作詞の時点でPVを念頭に作られているのならこのような構成も可能だと思われるが(仮にそうだとしても作詞家が思い付くか分からない位構成レベルが高いのだが)、この動画はあくまでもΜμさんが個人で、既に曲として完成されていた東方projectの二次創作作品である「Bad Apple!! feat. nomico」のPVを妄想した、という点がセンスしかないと評される所以である。決して絵が酷いって意味じゃないよ!本当だよ! PVを意図していない曲の歌詞に登場するキャラクターの設定全てを合わせるだけでも離れ業だと思われるが、それに加えて数々の演出を隠し入れ(ペイントを使いこなせず、説明を入れられなかった可能性もある)、それをPVとして展開する能力は正に鬼才と言っていいだろう。特に歌詞とキャラクター設定の合わせ方はもはや芸術と呼べる域であり、Μμさんの東方projectキャラクターへの思い入れが強い事が伺え、それが多くの東方絵師やニコニコユーザーを惹きつけた理由だといえる。
もし仮に絵心や画像編集などの動画制作技術があったら、Μμさんも高いレベルのPVを作っていたはずである。だが、ここまでの広がりを見せる事は無かったと思われる。Μμさんが自分でPVを制作しようとせず、技術のある絵師に丸投げしたこのコンテが、鬼発注と呼ばれる情報量が少なく自由度が高い字コンテだったからこそ、またΜμさんやPVを制作した絵師のセンスや情熱があったからこそ数々の派生作品が生まれたのかもしれない。補足だが、Μμさんも動画をUPしたままではなく、動画にコメントされた質問に答えたり、完成したPVをマイリストしてコメントするなど、出来るだけPVを制作している絵師を応援していた。これらの事から、この動画を元に多くの派生作品を生むこととなるのも納得できる。しかし絵はもっとどうにかならなかったのか。
この字コンテPVがニコニコ動画でここまで派生した理由が分からないという意見を時々見かける事があるが、ここまで優れた構成が日の目を見ない事の方が不思議だと思われる。また、創作活動におけるハードルの低い例として、完成したPVと比較されてこの字コンテを引き合いに出されるが、情報が少なければ少ないほどコンテで自分のイメージを伝える際にセンスが必要となり、逆に難しいと思われる。鬼発注を考えている人は、行動に移す前によく熟慮される事をお勧めする。 Μμさんの才能があってこそのPVなのは間違いないので、もし真似をしたいと思うのならその作品の構成を工夫し、分かりやすく伝える努力をしよう。ただの発注は見向きもされないのである。
この動画の雑な絵や完成したPVとのギャップから、よく素人の下手なコンテを天才が素晴らしいPVに仕上げた。つまり、ただの石をダイヤモンドにして貰ったと勘違いされることが非常に多いが、この動画は原石の時点で最大級のダイヤモンド原石だったのである。PVを制作した職人はこの原石を最大限利用した最高のPVを制作していたのだ。つまり、ネタを提供する側が最高のネタを考えなければそのネタを完成させる職人も最高の完成品を生み出すことは出来ない。自分の可能な範囲で最高のネタを創作する努力を忘れてはならないのだ。
因みにfull用パッチやΜμさんの新作End of Daylight PVの方も本当にセンス溢れる構成なので、興味ある人は視聴をお勧めする。相変わらずの鬼発注で東方超級者向けであるが、間違いなく構成としてはこれ以上ないPVとなっている。でも絵はやっぱりダメだったよ…。
簡単に解説すると、東方地霊殿ストーリーから当時の最新作東方非想天則のストーリーを追っているBad Apple!!PVで出来なかった地霊殿体験版以降の補完PVである…。と見せかけているが、ある仕掛けが施されている。詳しくは【UP主が見たい】End of Daylight PV full【ぴーひゃらら】の記事で。
掲示板
89 咲月
2016/11/23(水) 21:30:13 ID: ED1LO8Pqfq
マウスが恨めしい
タイトル:字コンテトレス
90 ななしのよっしん
2016/12/14(水) 19:42:40 ID: ED1LO8Pqfq
キャラ画像の隣にトレス画像入れようとしましたが、あまりに重くなるのでやめました。
あとトレスあまり上手くない…。
基本この編集は字コンテの動画のみの解釈なので
他の完成したPVには当てはまらない所があります。
影絵の射命丸文とか。(字コンテでは緋想天の射命丸文ですが、影絵では緋想天の場面から変わってるので地霊殿サポート妖怪の射命丸文になるかと)
とりあえずこの記事の編集は一旦終わりにします。
旧垢合わせて編集回数100回超えたのはやり過ぎたと思ってる。
キャラの説明もっと増やした方が良いかなとも思っているんですが
文才無いのでこれ以上思いつかない…。
編集主が見たい、誰か書いてくれ。
91 ななしのよっしん
2018/06/10(日) 19:42:15 ID: ED1LO8Pqfq
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/24(水) 04:00
最終更新:2024/04/24(水) 04:00
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