『クドリャフカ』とは2011年6月10日に投稿された、←Pによるミクオリジナル曲である。なお、「クドリャフカ」という単語には複数の意味があるため、←Pの楽曲の関連動画には別途「クドリャフカ(←P)」のタグを使用する。
概要
THE VOC@LOID M@STER 16で頒布された「Verbleib」3曲目に収録されている。
旧ソ連での宇宙開発実験にて、世界で初めて地球衛星軌道上をまわった実在する「クドリャフカ」という雌犬にまつわるストーリーをベースとしている。クドリャフカの詳細については大百科の該当記事もしくはwikipediaを参照されたし。
なお、クドリャフカの別称として「ライカ」が存在するがこの記事では「クドリャフカ」に統一する。
クドリャフカに関する楽曲はニコニコにおいても多数存在するが、この曲は彼女の視点から描かれている。元は捨て犬であった彼女を育て、愛情を注いでくれた隊員への思い・一人ぼっちで宇宙船に乗せられてしまった彼女の、苦しく寂しい思いをミクがやさしい高音で歌い上げる。
PVはひよこまんじゅうP。独特のやわらかいタッチと淡い色遣いが切なさをかきたてる。
EXIT TUNES PRESENTS Supernova5収録曲。
コメントによる解説
6月10日10時ごろから、コメントにてクドリャフカに関する解説がつけられた。←Pがこの解説に感銘を受け、一部が投稿者コメントに引用され残っている。過去ログの見られる人は動画と合わせて見てもらうといい(10日12時ごろに合わせると見やすいと思われる)。
その解説コメントを残してほしいと多くのコメントが見られたため以下にログを元に表記統一・一部記述の追加を行い、まとめた。
※あくまでこの楽曲とクドリャフカに対する解釈のひとつであり必ずしも事実に基づくものではありません。
冷戦時の宇宙開発競争の只中である1957年11月3日。
道端で拾われた犬、クドリャフカがソ連のスプートニク2号に乗せられ宇宙へととんだ。クドリャフカは心拍数・血圧などを計測するセンサーを身にまとい、二度と帰る事の無い旅へ向かった。スプートニク2号には帰還用の装置は乗せられていなかった。当時の技術では帰還用の装置を搭載することは難しかったとされる。
それまでクドリャフカを飼っていた隊員はこう語る。 「クドリャフカは素晴らしい犬だった」 隊員自身、クドリャフカに相当な愛着が沸いており、手放したくなかったのだろう。そしてクドリャフカも、隊員の傍を離れたくなかったであろう。
発射の間際、その隊員はロケットの扉を開けてほしいと懇願し、あと少しで離れ離れになるクドリャフカに最後の水をやったという。 クドリャフカは狭いカプセルの中、動けないように鎖で止められ、宇宙への片道切符を渡された。 ロケットは閉じられ、午前5時30分。 轟音と共にロケットは発射された。一人きりのクドリャフカと、人類の希望を乗せて。
このときクドリャフカは振動と轟音によるパニックとストレスで、心拍数は通常時の三倍に達していたという。しかし打ち上げから間もなく、クドリャフカの生態反応が確認された。これは実験の成功を意味していた。これはソ連にとっては多大な功績をもたらす実験となった。
スプートニク2号は順調に高度を上げ、地球軌道に達した。 クドリャフカの心拍数は無重力状態に入った時に正常に戻り、このまま無事に10日間のミッションを終えると思われた。しかし・・・
地球を三周してきた頃、ロケット内部に異変が見られた。温度が40度に達していたのである。ノーズコーンというロケット先端部を分離する際に断熱カバーの一部が剥離していた事が原因であった。 この時クドリャフカが激しく動いていることが確認されている。パニック状態に陥っていたのだろう。
1時間半後、再びスプートニク2号が上空を通過した。 隊員たちは生体反応が確認されることを祈っていた。
受信したデータには、生体反応は確認されなかった。
歌詞
褒められたいだけなんです。
『特別』でありたいと願います。
そうすれば、そうすれば、
僕は此処に居られるから。
忘れられるのが怖いんです。
ただ僕を見てほしいだけなんです。
その夢を、その夢を、
叶えられたら、ずっと側に居られるかな。
あなたが笑ってくれるのなら、どんな苦労も苦にはなりません。
大丈夫、大丈夫。
その優しさに触れていたから。
夜空指差して教えてくれる、星と星の交差点の僕ら。
いつからか、いつからか、
対角線を目指して歩いていた。
狭い箱の中、閉じ込めた想い。
積み込まれたのは、億単位の希望。
そんなものは要らない。そんなものは要らない。
僕はただ、あなたの側に居たいだけだった。
最後にくれた水の味は、ちょっとしょっぱかったなぁ。
あ、空が落ちてきたよ。
酷い地震も止んだ。
遠い遠い、星と星の対角線に辿りついたよ。
でも、でも、違うんだ。
あなたが、居ないんだ。
僕は此処で、ひとり、ひとり。
何も見えないな。
音も聞こえないな。
撫でてくれた手の、
温もりが、痛いな。
側に居たいだけなのに、
えらい離れちゃったなぁ。
『特別』になんか、 ならないほうがよかった、かな……。
広い「 (スペース)」に、溢れ出した想い。
零れ落ちたのは、一光年の涙。
どうか思い出して。どうか忘れないで。
そこに在ったこと。あなたの側に居たこと。
最後に撫でてくれた温もりが、なんか熱いんだ。
ふわり浮かんだ水の味は、ちょっとしょっぱかった。
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