プリムラ・シネンシス 歌詞解釈
【1番】
アンガージュ |
ポコポコ |
フォドフォドター(P) |
かつて西の古代帝国で使用された復活の呪文。一説には、「コン(ポタージュP)とアフォガードの名前を並び替えただけではないか?」との憶測も存在するが、あくまで都市伝説の域を出ない。
【間奏】
息切れは激しさを増し 引き返すこともままならず |
まだ着いてないのに 片づけられるゴールテープ |
スタート地点から夢中で走り続けてきた。徐々に感じた息苦しさに足は止まり、後ろを振り返ると、並走していた人達は棄権やコースアウトをして見えなくなってしまった。ふと前を見ると、既にゴールテープが片付けられている。
涙で出来た霧の中 周りには誰もいないのに |
叫び続けていた 僕の居場所を求めて |
もうどうでもよくなってしまったけれど、完全に諦めるにはまだ踏ん切りがつかない。五里霧中をさまよいながら、どの方角へ歩き出すべきなのか迷う日々。志した夢の道半ばで、自分が何をしたいのかさえ見失ってしまった。
缶に残ったコーンのように 心に引っ掛かる夢の切れ端 |
コンポタを飲みながら 壁にもたれかかり崩れ落ちていった |
あの日の影が僕を飲み込んでいく |
ホっとさせてくれる存在の象徴でもあるコーンポタージュを飲むと、今までせき止めていた感情が一気に溢れ出す。そうして、どうあがいても何ともならない過去や現状にさいなまれ続けている。
【2番】
世界を変えようとした 僕は世界に変えられていた |
無意識に見つけた 誰かを諦めさせる知恵 |
夢を追いかけていた僕は、「万人が夢を叶えられる訳ではない」ことに気づく。やり場のない気持ちは、これから理想を目指す人を諦めさせる方向へと動いていく。
ここに来ると思い出す 初めて飛ばしたシャボン玉 |
あれだけ作った希望はどこに消えたの |
気分転換にと、初めて夢を志した場所へ再び訪れた。無限のように思えた可能性や希望は、いつの間にはじけてしまったのだろうか。
何も知らなかったあの頃は 望んだものになれると信じていた |
過ぎ去った年月が 剥き出しの現実を突き付けてくる |
こうして僕は僕に殺されていく |
遠ければ見えなかったものが、近づいてしまったことで余計なものまで見えてしまう。目指したものからどんどん遠ざかり、いたずらに月日だけが経過していく。
何も知らないから出来たことも、今は世間体を気にして再び挑むことができない。あの時こうしていれば・・という後悔ばかりが僕を責め立て、過去の僕が今の僕を壊していく。
【間奏】
おぼろ月 静かに目の前を横切るように灯してくれた |
踏み出した緩やかな歩幅は 明日の僕の待ち合わせ場所へ向かう |
春の季語である、おぼろ月。目の前のかすかな光を頼りに、過去の自分との約束を果たす為にゆっくりと歩き出す。
例えば冬に咲く花のように 誰かの背中を押せたらいいのに |
冷たさと温かさ甘さとほろ苦さをかき混ぜたのなら |
夢を見て夢を叶え夢になろうよ |
ハートの花びらを持つプリムラ・シネンシス。そんな冬~春にかけて咲く花のように、すさんでしまった心に何かを訴えかけるような存在になる。
エスプレッソコーヒーとバニラアイスを組み合わせた食べ物であるアフォガードのように、冷温甘苦を経験したのなら、夢を見られる側を目指していこう。
1番でコンポタが、2番間奏後に間接的ながらアフォガードが歌詞に入り、曲の冒頭に散りばめられた2人の名前が使われコアノオトが夢を追いかける歌であるということに気付いた諸氏は天才である。
さぁ呪文を叫ぼうよ |
さぁさぁ |
アンガージュ! |
落ち込んで立ち直れない時には、魔法の呪文を叫びつつ、折れた心を補修する。復活の呪文で、いつかの魔法陣が動き出す。
- 0
- 0pt