人間革命とは、創価学会の提唱したスローガンであり、小説・学会歌のタイトルである。
概要
来世利益よりもまず自分自身を良くするために現世利益を追及するといった教義上の概念として、第二代会長・戸田城聖により提唱された。あくまで特別な人間を目指すものではなく、仏法の実践で自分自身に秘められた仏の生命を最大限に発揮し『一人の人間として様々な苦難を乗り越えながら成長してゆく』という幸福に対するスタンスである。
小説版
のちに戸田城聖と池田大作によりそれぞれ小説が書かれ、東宝とシナノ企画による共同制作で映画化されたほか、アニメ化や劇画化もしている。
小説版の人間革命は学会において信心の教科書として重宝され、教学部員を目指す場合は日蓮の御書のマスターに加えて人間革命が必須教材となっている。
戸田城聖版
聖教新聞の創刊号から3年4か月にわたり『妙 悟空』というペンネームのもとで連載。主に創価学会草創期に関するエピソードがテーマとなっている。のち上下巻に分けて単行本化しており、通販サイトで中古や電子版で購入できる。
実際にあった出来事を基にしているが、戸田は「巌 九十翁(がん くつお)」、牧口常三郎は「牧田常三郎(まきた じょうざぶろう)」の名で登場する。
池田大作版
戦争ほど、残酷なものはない。
戦争ほど、悲惨なものはない。
だが、その戦争はまだ、つづいていた。
愚かな指導者たちに、ひきいられた国民も
また、まことにあわれである。(小説・人間革命 第1巻より)
全12巻からなる『人間革命』と全31巻からなる『新・人間革命』の2編に分かれている。
1964年、かつて地上戦の舞台となった沖縄にて世界平和を願い、人間革命の執筆が開始される。人間革命12巻分の執筆で終了する予定であったが我が師の精神を未来に伝えるべく、弟子である自身の道を書き遺さねばと感じ、続編『新・人間革命』執筆の運びとなった。
広島原爆投下から丸48年である1993年8月6日に長野で執筆開始し2018年同日に脱稿。聖教新聞への連載は2018年9月8日をもって完結した。新・人間革命の連載回数は6469回であり、新聞小説の連載回数としては山岡荘八『徳川家康』(北海道新聞・東京新聞・中日新聞・西日本新聞)の4725回を抜き、日本一の記録となっている。
1945年7月に戸田城聖(当時:創価教育学会 理事長)が奥多摩刑務所を出獄するシーンから物語は始まる。刑務所の外は不幸なことに戦火に焼かれており、戸田は「誤った宗教(※日蓮正宗以外の宗教を指す)に導かれた国民の悲惨な結末である。幸福を築くには日蓮仏法の広宣流布しかない。」と考える。
終戦後、戸田は壊滅の一途をたどっていた創価教育学会を『創価学会』とあらため、翌1946年には法華経講義を開始した。
なお作中では池田は「山本伸一」の名で登場する。
学会歌
「人間革命の歌」というタイトルで1976年に発表。作詞・作曲は山本伸一(池田大作)。
日蓮正宗時代のさなか僧侶の学会に対する嫌がらせが横行し、会員が悩まされる中で「魂の自由の歌」「幸福の前進の歌」として会員に贈った曲である。この曲を発表する2日前に曲の構想が練られ、ピアノ演奏するそばで幾多の修正が行われ発表直前にようやく完成したというエピソードが残っている。
関連商品
関連リンク
関連項目
- 2
- 0pt
- ページ番号: 5573657
- リビジョン番号: 2873738
- 編集内容についての説明/コメント: