ASTICASSIA School of Technology
Welcome to ASTICASSIA,
a front of learning that cultivates
the pilots, engineers, and managers
on whom the future of the Benerit Group relies.
アスティカシア高等専門学園(ASTICASSIA School of Technology)とは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する架空の学校である。視聴者からは「アス学」「アス校」と略されることもある。
概要
モビルスーツ製造を主とする巨大複合企業「ベネリットグループ」が運営しており、同グループ総裁のデリング・レンブランが理事長を務める。パイロット科・メカニック科・経営戦略科の三つの学科が存在し、宇宙開発企業で求められる各種マシンの操縦、整備・製造、企業経営などを学ぶ、ベネリットの私塾と呼べる施設である。
所在地はラグランジュ4のフロント73区(小説版より)。本作の他の宇宙拠点と同じく、小惑星をベースにして居住空間を据え付けたスペースコロニー「フロント」に設営されている。というより、学園フロント自体が一つの学園都市になっている。
フロントの維持管理と警備は、ベネリットグループ系列企業の「フロント管理社(これが正式名称である)」が行っている。なお、教員たちはフロント管理社所属ではない。
入学にはベネリットグループ系列企業による推薦が必要であり、必然的に在校生はグループ関係者の縁者で占められている。ただし、劇中では名義だけで実体のないダミー会社の「推薦」を受けて入学した生徒も登場している。
校章は首を刎ねられたような翼を広げた鳥の意匠。どこかティターンズロゴと似ているが多分関係はない。
学園について
学籍番号と在学生数の考察
進級や転科で変更されるのか、それとも入学時の番号を使い続けるのかの詳細は不明。
KP001 グエル・ジェタークを例にすると「3年生」「パイロット科」「トップ企業推薦」ということになる。
数字の規則性は不明だが、開示されている限りでは年次または専科が異なる生徒に同じ数字が与えられている場合がある。ここから判断すると「〇〇年入学の××科」ごとに通し番号が与えられているものと思われる。
企業序列が最下層クラスと思われる地球寮生の番号を見てみると、パイロット科で39~41番、メカニック科で230番代、経営戦略科で110番代になっている。ここから概算すると、1学年につきパイロット科が約40名、メカニック科が約240名、経営戦略科が約120名。全校合計で120++720+360=1200人程度が在学していることになる。
学生寮
生徒は、基本的にそれぞれが寮に入って過ごしている。各社の名前を冠したそれぞれの企業が後援する寮が設けられており、自分の推薦元の寮に入るようだ。
一方で地球の企業から推薦を受けた生徒がまとまって所属する「地球寮」が存在するように、単独で寮を支援できるほどの地力がない会社が提携した合併寮なども存在するのかもしれない。
個室を確保して寮に所属せず生活しているミオリネ・レンブランや、一時的にジェターク寮を退寮処分にされテント生活をしていたグエルの例を見るに、寮への所属は学生の自己責任の模様。
寮の規模は後援企業によってだいぶ差が出る。特にモビルスーツやその運用体制の面で顕著であり、ごく一部の寮は専用の宇宙船(学園艦)まで保有している。
グループ御三家であるジェターク、ペイル、グラスレーの寮は建物も大きく豪華。
名前が判明している寮は以下の通り。
- ジェターク寮:ジェターク・ヘビー・マシーナリー後援。ホテルのように凝った内装が特徴。寮生の結束力が非常に強い。
- ペイル寮:ペイル・テクノロジーズ後援。平べったい広大な建物が特徴だが、寮内部の通路は実用重視で殺風景。
- グラスレー寮:グラスレー・ディフェンス・システムズ後援。主張しすぎずおしゃれな内装が特徴。パイロット科はグラスレー社特有の集団戦闘に優れている。
- ブリオン寮:ブリオン社後援。名前のみ登場。
- ダイゴウ寮:名前のみ登場。
- 地球寮:地球出身者が居住している小規模な寮。ぼろっちぃMS格納庫にとって付けたような居住区で、痛みが激しい。寮生が地球から連れてきた家畜用の厩舎スペースも設けられている。後に水星出身で他寮に行き場のないスレッタ・マーキュリーも入寮。
施設
※公式情報ではない、劇中描写を基にした編集者の推測が多いので注意してほしい※
- 教室棟
各講義室、食堂、カウンセリング室、決闘委員会のラウンジが存在するメインの建物。モビルスーツが通れる広大な吹き抜け構造になっている。公園区画及び演習区域と隣接している。
屋上区域の利用は教員の許可が必要。だがグラスレー寮の女子パイロットファンの集会というしょーもない目的が認められているのに、地球寮発の学生ベンチャー企業のPV撮影は却下されたりと、許可基準はだいぶ恣意的。 - 演習区域
教室棟から直結する広大なフィールド。モビルスーツを使った授業で使われる。 - 戦術試験区域(第1~第16)
モビルスーツを使った演習、および決闘の舞台となる広大な区画。フロント各地に設置されており、地下リニアレールで接続されている。点検は決闘委員会が管轄する。
基本的にはうちっぱなしの壁に、灰色の砂と障害物が広がる殺風景な区域だが、演習時には全面にホログラム投影が行われ、様々な風景を描写する。 - 公園区画
教室棟や寮区画の隣に広がる森林公園。中央部には四角い池もある。スレッタが御三家筆頭とやたら遭遇する散歩道や、グエルのキャンプ地もここ。 - 寮区画
生徒が寝泊まりする寮が集まった区画。教室棟とは「通学用」モノレールとスクールバスで繋がっているが、電動スクーターで「通学」する生徒もいる。ペイル寮の様な巨大な寮は少し離れたところに建てられている模様。 - ミオリネの温室
恐らくは教室棟近くに建てられているミオリネの私室。ドーム状の建物に水耕栽培ユニットが備え付けられ、トマトを栽培している。スレッタとミオリネの心境のメタファーとして描かれる、ある意味では本作における最重要施設。 - 地下施設:格納庫とリニアレール
ほとんどすべての建物と区域を結んでいる地下通路。各寮の格納庫・ドッキングベイ・戦術試験区域を地下リニアレールが繋いでおり、MSコンテナで物資と人員の輸送が行われる。モノレールもここに入り、エレベーター式のレールで別路線に接続する。 - ドッキングベイ
宇宙港の描かれ方はあいまい。各寮ごとに割り振られているのか、あるいは共用なのかは不明。
支給品・設備など
- 制服
指定インナーの上に二重袖のジャケットと半ズボンを着用する。ジャケットとズボンは男女共通デザインだが、女子にはホットパンツ型も存在する。カラーは深緑を基調としているが、磁性流体素材にデータを送信することによってその場で変色させることもできる。ホルダー(後述)用カラーリングはこの機能で与えられる。
前を開けたりタイを外したりと、多少の着崩しは認められているようだが、エラン・ケレスが二重袖を短くしたり肩羽織りをつけている以外、極端な改造制服の類は登場していない。他、シャディク・ゼネリが私物のズボンを履いていたりする。 - 宇宙服(ノーマルスーツ)
整備や船外活動で用いられる黄色のノーマルスーツと、灰色のパイロット用スーツが存在する。パイロットスーツにも磁性流体素材が用いられており、随時変色可能。
モビルスーツ格納庫には簡易操縦用と思われるパイロット用ベストも用意されている。 - 生徒手帳
スマートフォン型の端末。通常の情報端末としても使用可能で、学生の日常生活と学習を支えるツールとして活用される。ミオリネがゲームで遊ぶシーンもあった。
各種マシンの起動キーとしても用いられる。生徒間での貸し借りは校則違反。 - 学習用品
かばんとタブレット端末が支給されている。かばんは何かしらの原理で制服の任意の位置にくっつけることができる。 - 各種マシン
授業や各種作業で使用されるモビルクラフトやカーゴ車、演習用モビルスーツのデミトレーナー、学内の移動に用いられる電動スクーターなど。学園側から有償/無償レンタルされているのか、各寮で購入して管理しているのかはいまいち判然としない。
一部の寮ではデミトレーナーの代わりに、自社製モビルスーツを標準機としている。 - 各種艦艇
共通規格で建艦された学園艦が存在し、寮ごとに運用が任されている。艦自体の購入費や、維持・運用人員の確保など様々な要因のため、運用可能な寮は限られている。
数人乗りの小型艇(ランチ)も用意されている。こちらは学園側から貸与される模様。 - ロボットコンシェルジュ「HARO」
ガンダムシリーズお馴染み、円形のペットロボット。本作では各種インフォメーションを担当するコンシェルジュ端末に組み込まれたり、無人空撮ドローンのコントロールユニットだったり、懺悔室の牧師役を務めたりと、随所で活用されている。
学生生活
『水星の魔女』という作品は尺の都合上、シナリオ本筋に関わる事柄以外のエピソードは極力カットしていく作風であるため、学園モノを標榜しておきながら学園の日常生活自体にフォーカスした回は意外と少ない。特に教師陣は影が薄く、名前付きの先生は一人も登場しない。
授業の間に談笑したり、通路を通るデミトレーナーに挨拶したり、和気あいあいとオープンキャンパスの出店を準備したりと、微笑ましい日常もちょくちょく描写されているのだが、それと同じくらい喧嘩や苛め、中傷などの陰惨な場面も描写されており、生徒の民度ははっきり言って怪しい。
特にスペーシアンのアーシアン蔑視はこの学園においても激しく、あろうことか一部の教官すらアーシアンへの差別的な言動をとることもある。同じスペーシアン間でも辺境出身者を露骨に下に見る風潮があり、外の大人の世界を蝕む「社会の分断」は、この学園でも着実に広がっている。
学生の自治に関しては生徒に委ねられている割合が多い模様。在学しながら学生ベンチャー企業の立ち上げも許可されている。
というか、悪質な試験妨害とそれに対する暴力制裁が軽い注意で済まされたり、決闘委員会の学生が独自に校則を書き換えたりしているあたり、放任主義と言った方がいいかもしれない。
実習
学内で運用されるモビルスーツには、ビーム兵器の出力にリミッターをかけたり、コクピットへの直接照準をできなくするレギュレーションプログラムが組み込まれている。
宇宙開発に関わる実習は専科を問わずに行われているようで、経営戦略科であっても各種マシンのオペレーティングや宇宙船の操船なども学んでいる描写が存在する。やはり経営戦略科であっても、メカニック科の代理として試験に参加できたりする。
特にパイロット科で顕著だが、実習は軍事色が強い。というか「センサー類無しで地雷原を横断」「兵装換装後、標的を射撃」に加えて、生身の生徒にも「地雷回避を支援するスポッター(観測員)」役を行わせるなど、どう見ても軍事訓練な内容が普通に行われている。教官も全員野戦服着てるし。
決闘と決闘委員会
Alea jacta est. 決闘を承認する
学園では、「決闘」と称したモビルスーツ(MS)による学生同士の私闘が、学生たちにより運営される組織「決闘委員会」により取り仕切られている。当事者は名誉や金銭など望むものをかけて決闘に望む。
学内で一番強いと認められた生徒は「ホルダー」と呼ばれ、ベネリットグループ総裁令嬢であるミオリネ・レンブランの婚約者となる権利を得られる(婚約はミオリネが17歳の誕生日を迎えた時点で成立する)。
ホルダーの交代はそれまでの勝利数を問わず、現ホルダーに勝利した者が新ホルダーとなる。
ホルダーはその他特典として、白と金を基調とした専用制服の着用が認められ、決闘委員会ラウンジの使用権が与えられる。
決闘の勝敗は「相手MS頭部のブレードアンテナを破壊」することで決定される。どれだけ武装を失おうが手足を千切られようが関係なく、破れかぶれの体当たりでも、相手の自損を誘発したとしても、最初にアンテナを破壊した方が勝ちである。
複数機による集団戦闘の場合は「相手チームのアンテナ完全破壊(第5話)」もしくは「リーダー機のアンテナのみ破壊(第9話)」が条件となる。
なお、決闘に関する工作・妨害行為は、それを含めて決闘者本人の実力(権力)であると黙認されている。自分に有利な戦闘条件を整えるための決闘委員会への根回し、後援企業への新鋭機の提供依頼、助っ人パイロット・クルーの起用に始まり、戦闘中にも協力者にフロント設備を不正に操作させたり、仕込んでおいたソフトウェア妨害プログラムを発動したりするなど、実質的には「アンテナ以外ルール無用」の仁義なき戦いが繰り広げられている。
決闘は学内でリアルタイム配信されているほか、MSのデモンストレーションなどの目的で学外に向けて配信されることもある。生徒たちにとっては格好の娯楽となっているばかりか、裏で賭けをしている連中もかなり多いらしい。
両者、向顔
「勝敗はモビルスーツの性能のみで決まらず」
『操縦者の技のみで決まらず』
『「ただ、結果のみが真実!」』
決心開放
企業抗争の場
「各生徒の私闘」という扱いではあっても、この学園はMS関連の人材を育成する学校であり、加えて経営母体は様々なMS企業が集まるベネリットグループである。決闘は使用されるMSなどの兵器をお披露目する場や、機体性能やパイロットの実力を宣伝する場でもあるため、実際には「グループ企業の代理戦争的なもの」と見られている節もある。
MSが決闘で負けることになれば、負けたパイロット(学生)個人の問題にとどまらない。乗っている学生の所属寮にとっては恥となり、寮に関わっている後援企業の能力およびイメージまでも失墜するため、経営に影響が出てくるケースもある。第4話では、グエルが2度にわたる敗北でホルダーの座を奪われミオリネとの婚約(=総裁後継者候補の座)も逃してしまったため、ヴィム・ジェタークCEOが投資家への釈明に追われる場面があった。
また、決闘に賭けるものについての拘束力も強い。作中では謎の高性能機であるガンダム・エアリアルを解析するため、勝利時の戦利品として選択させたり、相手会社の経営中枢に食い込むことを提示した例すらある。その黒幕である後援企業は、時には惜しみなく社の現役エンジニアを呼んできたり、最新型MSを投入したり、相手戦力を封殺する特殊装備をわざわざ用意したりと、目的達成のためには手段を厭わない。
学生名簿
データは基本的にキャラクターの登場時点のものを記載する。
名称のみ登場した、日本語表記が不明なキャラクターについては英字(推測訳)で記載。
ジェターク寮
- KP001 グエル・ジェターク:寮長。パイロット科3年。決闘委員会所属。ジェターク社CEOの長男
- KP013 ラウダ・ニール:パイロット科3年。グエルの異母弟
- KM048 カミル・ケーシンク:メカニック科3年。巨漢だが影は薄い奴
- LP017 フェルシー・ロロ:パイロット科2年。グエルの腰巾着その1
- LM017 ペトラ・イッタ:メカニック科2年。グエルの腰巾着その2
- ヒューゴ:おそらくメカニック科。第5話にてラウダ機の無断発進を報告した生徒。テレビ放送字幕で名前が記載されていたが、エンディングクレジットには登場せず
ペイル寮
- KP002 エラン・ケレス:パイロット科3年。決闘委員会所属
- LS079 EARLTON WELLS(アールトン・ウェルス?):経営戦略科2年。第6話にてスレッタに対応した2人の学園艦クルーのどちらか
グラスレー寮
- KP003 シャディク・ゼネリ:寮長。パイロット科3年。決闘委員会所属
- KP014 サビーナ・ファルディン:パイロット科3年。シャディクの補佐。サビーナ様
- KP015 エナオ・ジャズ:パイロット科3年。エナオ嬢。ヨガしてる娘
- LP011 メイジー・メイ:パイロット科2年。メイジーちゃん。ニッコニコの娘
- LP012 イリーシャ・プラノ:パイロット科2年。イリーシャさん。ぬいぐるみの娘
- LP013 レネ・コスタ:パイロット科2年。俺達のレネちゃん。バストの大きいフェルシー
ブリオン寮
ダイゴウ寮
地球寮
- KS117 マルタン・アップモント:寮長。経営戦略科3年
- KM231 ティル・ネイス:メカニック科3年。寡黙な白髪の男
- KM237 アリヤ・マフヴァーシュ:メカニック科3年。家畜達の飼い主
- LM232 オジェロ・ギャベル:メカニック科2年。ギャンブラー黒人
- LM236 ニカ・ナナウラ:メカニック科2年。寮の中心的存在
- LM238 ヌーノ・カルガン:メカニック科2年。ニット帽のダウナー系ギーク
- MS119 リリッケ・カドカ・リパティ:経営戦略科1年。ふくよかな愛され娘
- MP039 チュアチュリー・パンランチ:パイロット科1年。通称チュチュ、ポンポン頭
その他
- LS001 ミオリネ・レンブラン:経営戦略科2年。所属寮なし。理事長令嬢
- KP019 RACHEL SCHNAAS(レイチェル・シュナース?):パイロット科3年。第13話オッズ表に記載
- KP028 エボニー・ボアス:パイロット科3年。アズラワン搭乗
- KP029 パーカー・イーストコット:パイロット科3年。カペル・クゥ搭乗。第1話でグエルに負けた子
- KP033 アムレット・レーコ:パイロット科3年。搭乗デミトレーナーのハッチ色からグラスレー寮所属の推察有り
- LP021 THEDAL SARYAN(ザダル・サリアン?):パイロット科2年。第13話オッズ表に記載
- LP022 JONAS MOUWEN(ヨナス・マウエン?):パイロット科2年。第8話オッズ表に記載
- LP023 JEFFERY EASTCOT(ジェフリィ・イーストコット?):パイロット科2年。第13話オッズ表に記載
- LP029 オルタ・シューバッカ:パイロット科2年。第4話登場。第8話オッズ表に記載
- MP028 RAGNAR DOLES(ラグナ・ドールス?):パイロット科1年。第8話オッズ表に記載
本放送ではジェターク寮所属カラーだったが、映像ソフト版では変更されている
関連動画
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関連商品
関連項目
- 機動戦士ガンダム 水星の魔女
- ガンダムシリーズの関連項目一覧
- 学校 / 学校の一覧
- デミトレーナー - 実習用標準機
- GUND-ARM Inc. - 学内で発足した学生ベンチャー企業
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