エイシンチャンプとは、2000年生まれの日本の元競走馬である。鹿毛の牡馬。通称シンチャン。
主な勝ち鞍
2002年:朝日杯フューチュリティステークス(GI)
2003年:弥生賞(GII)
2006年:大井記念(地方G2)
概要
父ミシエロ、母エイシンミシガン、母父Manilaというドマイナーな血統。父はConquistador Cielo産駒で競走馬成績は米GII2勝。母は国内で10戦未勝利だが母父は1986年のBCターフで欧州最強馬ダンシングブレーヴや国内ではヒシアマゾンの父として有名なTheatricalを撃破したのをはじめとする米芝GI5勝馬。種牡馬としては失敗し、のちにトルコへ輸出されたが競走馬としてアメリカ競馬殿堂入りを果たしている。
1999年に日本へ輸入されたミシエロが国内で種付けした後、エイシンミシガンがアメリカのColumbiana Farmへ渡った後に生まれたのがエイシンチャンプである。よって彼の生まれはアメリカだが、1歳になる前に日本に輸入されたので規則上は外国産馬扱いではない。
栗東の瀬戸口勉厩舎に入厩し、6月15日の新馬戦でデビュー。ここと次戦は2着に敗れ、デビュー3戦目で勝ち上がる。ダートから芝に変わり、間隔を詰めて重賞、自己条件と次々レースに出るが掲示板どまり。初勝利から2か月半にして6戦目、京都2歳Sでようやく勝利しOPに昇格。馬齢表記が国際基準へ変更されたのに合わせ、この年からレース名が変更となった朝日杯フューチュリティステークスに駒を進める。
朝日杯では既に8戦を消化したハードスケジュールが嫌われ8番人気にとどまる。人気は重賞馬サクラプレジデント、3連勝中のワンダフルデイズ、良血サイレントディールが集めた。
その朝日杯、1番人気のサクラプレジデントがゲートでアオって大きく出遅れる波乱の幕開け。エイシンチャンプは前2頭から離れた3番手に落ち着く。青嶋は落ち着け。インから4コーナーで2番手に浮上し、直線で逃げたサイレントディールをかわして先頭に出る。そこに突っ込んできたのが出遅れたサクラプレジデント。差し切られるかと思われたが、最後の最後にもうひと踏ん張りしたエイシンチャンプがクビ差振り切って勝利。グラスワンダーが樹立したレコードをコンマ1秒塗り替えて2歳王者に輝いた。ちなみに鞍上の福永祐一は前週の阪神JFに続いて2歳GⅠ連勝となった。
明けて3歳初戦の弥生賞では、前年GⅢラジオたんぱ杯を圧勝していたザッツザプレンティに人気をさらわれるが、4着までタイム差なしの接戦を制し勝利。堂々と皐月賞に駒を進める。
しかしここである問題が発生した。エイシンチャンプの主戦は福永祐一だったが、皐月賞の有力馬にはもう1頭福永のお手馬がいた。きさらぎ賞とスプリングSを連勝していた同厩舎のネオユニヴァースである。トライアルを勝利した2頭のうちどちらを選択するか、世間の注目が集まった。
福永は2頭を管理する瀬戸口勉調教師とも相談し、エイシンチャンプに騎乗することを決断。ネオユニヴァースは当時短期免許で来日していたミルコ・デムーロが手綱を引き継ぐことになった。
結果はネオユニヴァースが皐月賞、ダービーの二冠を達成。エイシンチャンプは皐月賞こそ3着に善戦するがダービーは10着。後に福永は「選択を後悔はしていない」と振り返ったが、結果だけを見れば選択が裏目に出る形となってしまった。
秋は菊花賞路線を捨ててマイル~中距離に舵を切ったエイシンチャンプ。しかしどうしたことか、その後ぱったり勝てなくなってしまう。3歳のマイルCSで敗れたのを最後にGⅠにも出走しなくなりGⅢやOP特別を渡り歩くが勝てない。ダートに活路を求めても勝てない。5歳まで走ったがGⅢの3着2回以外は全て馬券圏外という体たらく。2ちゃんねるでは同期のウインクリューガー、一つ後輩のダイワメジャーと並ぶ「ヘタレGⅠ馬」としてネタ馬扱いされてしまった。
結局中央では勝てないまま、6歳で大井競馬に移籍。のちにサルサディオーネを大成させる堀千亜樹厩舎に入厩する。2戦目の大井記念で内田博幸を背に久々の勝利を挙げ、まだ開業2年目だった厩舎の地方重賞初制覇を飾るがその後は再び勝ちに見放され、7歳初戦で4着に敗れたのを最後に引退。最後までヘタレの汚名は返上できずじまいであった。
引退後は千葉県の九十九里浜にほど近い乗馬センターで乗馬となった。乗馬センターでも人気の存在とのことであったが、2019年3月31日死去。
血統表
*ミシエロ Mi Cielo 1990 鹿毛 |
Conquistador Cielo 1979 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
K D Princess | Bold Commander | ||
*タミーズターン | |||
My Inheritance 1982 鹿毛 |
Thatch | Forli | |
Thong | |||
Edies Double | Nodouble | ||
Edie Jo | |||
エイシンミシガン 1989 栗毛 FNo.17-b |
Manila 1983 鹿毛 |
Lyphard | Nothern Dancer |
Goofed | |||
Dona Ysidra | Le Fabuleux | ||
Matriarch | |||
Homespun 1969 鹿毛 |
Round Table | Princequillo | |
Knights Daughter | |||
Gal I Love | Nasrullah | ||
Gallita | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Bold Ruler 6.25% 5 x 5
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関連項目
- 競馬
- 競走馬の一覧
- 2003年クラシック世代
- ネオユニヴァース (同期、同厩舎のクラシック二冠馬)
- ウインクリューガー (同期、ヘタレGI馬御三家の筆頭)
- ダイワメジャー (1歳下、ヘタレGI馬御三家だったがのちに覚醒)
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