カタリナ・クラエスとは、「小説家になろう」掲載オンラインノベル、その書籍版、もしくはそのアニメ版「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」(略称「はめふら」)の登場キャラクター。主人公である。
概要
茶髪をサイドに流した前髪のためにおでこが目立つ容姿。吊り上がり気味できつい目をした「悪役顔」の少女。公爵家長女にして第三王子ジオルドの婚約者でもある。魔法の属性は土。
しかしながら、劇中の「カタリナ・クラエス」というキャラクターには、以下の2つの概念がある。
以下に、それぞれ分けて説明する。
カタリナ・クラエス(FORTUNE LOVER)
通称「元リナ」。
「はめふら」の作中に登場するゲーム『FORTUNE LOVER』の登場人物である。まず『FORTUNE LOVER』について軽く説明すると、プレイヤーは全寮制の魔法学園に入学した主人公の女性を操作して、イケメン貴族との恋愛を成就させることが目的という、いわゆる乙女ゲームである。
カタリナは、ゲーム内では攻略対象であるジオルドとキースの攻略ルートにおける主人公のライバルキャラの立ち位置。「攻略対象(ジオルド、キース)と主人公が仲良くなっているのが気に食わず、主人公に嫌がらせをする悪役令嬢」である。主人公に対して悪行の限りを尽くした末に、ハッピーエンドで国外追放、バッドエンドでは死亡となり、どちらにせよ強制退場という結果になる。続編『FORTUNE LOVER 2』における正史では国外追放となった後、闇の魔力と狼の使い魔を手に入れ、「謎の女」として魔法省に潜入しマリアを付け狙うが、最終的にはハッピーエンドで封印投獄、バッドエンドではマリアと相討ちで死亡という、こちらも救いようのない結末となる。
親からは非常に甘やかされて育てられたため、非常に傲慢で我儘な令嬢である。幼少の頃から既にそのような性格で、カタリナ専属のお付きのメイドはカタリナの我儘に付いていけず、アン・シェリーが専属メイドになるまではみんな長続きしない状況が続いていた。しかしカタリナは逆にアンを気に入りすぎて、アンに来ていた婚姻の話を自分の我儘で破談させたという過去も持つ(アン自身も婚姻に乗り気ではなかったが)。
8歳のころ、ジオルドとの散歩中に転んでしまい頭を強打、額に傷ができてしまう。「この傷跡がもし将来も消えないままだと将来の婚姻に影響が」という事で、ジオルドに責任をとってもらうために婚約を迫った。結局傷跡は消えたのだが、婚約は解消しないままである。
カタリナ・クラエス(野猿インストール)
通称「野猿(のざる)」。
カタリナ・クラエスが8歳の時に頭を強打した際に、突如前世の記憶が蘇る。それは自分が日本の女子高生で、乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』を明け方までプレイしたあげく学校に遅刻しそうになり、急いで家を飛び出したものの交通事故に合ったという記憶である。つまりその女子高生は、ゲームの世界に転生してしまったのである。
自分が「カタリナ・クラエス」というキャラクターに転生したという事実に、カタリナは大慌て。なぜならゲームの結末ではカタリナはハッピーエンドで国外追放、バッドエンドでは死亡という救いの無い結末を迎えるからである。幸いにもゲームの舞台となる魔法学園入学の7年も前に記憶を思い出したカタリナは、その破滅フラグを回避するために全力で走り出す、というところから物語は動き出す。
ちなみに記憶が戻る前のカタリナの精神が消えたわけではなく、文字通り「カタリナが前世の記憶を思い出した」という設定である。なのでカタリナは、8歳までの記憶もそれまでに学んだこともすべて覚えている。今回の「野猿インストール」を一般的な表現に言い換えるなら、「劇的な経験をしたり、知らなかった知識を得たりした結果、それまで持っていた価値観がガラリと変わった」というケースに近い。
カタリナ本人は前世も今世もどちらも自分自身だと思っているが、作中で今世のカタリナの思い込みの激しい性格は母親のミリディアナ・クラエス譲りだと扱われる場面があり、深層部は前世の記憶を思い出した後も今世がベースな模様。
転生前は日本の女子高生で、乙女ゲームを友人と語り合うなどの「オタク」であったが、その一方で木登りが得意だったために周りからは「野猿」と呼ばれていたりするなどアクティブな一面も持つ。転生してもその性格は変わることは無く、貴族らしからぬ行動に周りは困惑する。しかし思いついたら即行動の猪突猛進スタイルと、積極的に周りを巻き込む驚異のコミュ力を持ち、男女問わない人気者となっている(本人に自覚なし、キース曰く『無自覚の人タラシ』)。
何事か困難にぶつかればとにかく前向きに(しかし斜め上に)取り組む事で解決しようとする。ある事件が原因で義弟のキースが部屋に閉じこもってしまった時は、部屋の扉を斧で叩き割って有無を言わさず進入する…なんてのは序の口である。魔法の実力をつける必要を感じた際は、「土属性の魔力を高めるためには」→「土との対話が必要」→「農作業だ」という謎の結論に達し、日々マイ畑で野菜作りに勤しんでいる。当初は魔力を高めるための作業であったが、後に趣味としても楽しむようになる。農耕作業服が似合うお嬢様…わけがわからないよ。
前世の記憶があるという事は誰にも明かしておらず、それに関する問題だけは誰にも相談できないため、対策を考えこむ際にしばしば「カタリナ脳内会議」を開く。
カタリナ脳内会議
複数名で積極的に意見を交換し喧々諤々の議論を展開するのだが、結局は全員カタリナであるため大抵は単純で楽観的な結論に落ち着く。
原作小説では「議長カタリナ・クラエス」、「議員カタリナ・クラエス」、「書記カタリナ・クラエス」の3人で言動にも特に差はなかった。漫画版で「基本カタリナ」、「議長カタリナ」、「メガネカタリナ」、「令嬢カタリナ(やや強気?)」、「令嬢カタリナ(やや弱気?)」の5人に増員されたが、5人全員が同じ言動をとるなどまだ差は少なかった。破滅寸前編も同様。
アニメ版では『カタリナファイブ』と呼称され、議事・進行を取りまとめる「議長カタリナ」、積極的な意見を出す「強気カタリナ」、悲観的な意見を出す「弱気カタリナ」、楽観的な意見を出す「ハッピーカタリナ」、慎重な意見を出す「真面目カタリナ」の5人で構成される。5人の演じ分けがされておりクレジットも5人で分けられている。
原作小説では「脳内会議を招集する」という表現が使われたり、「脳内会議を……じゃなかった少しボーっとしてて」という台詞があるなど、カタリナは自覚的に脳内会議を行っているようである。連続招集すると脳内会議のメンバーが疲れてしまうこともあり、破滅寸前編でも最近会議が多くないかとメンバーに言われる場面がある。
一方でアニメ版では「夏休みモードに入ってる他のカタリナファイブに真面目カタリナが渇を入れようとするも、会議場に魔性の伯爵が乱入して真面目カタリナが落とされる」という形で新作小説の誘惑にカタリナが負けてしまったことを表現したり、「ハッピーカタリナが操作するコントローラーに従って外のカタリナが動く」など、カタリナの無意識を戯画化しているような印象を受ける。
なお漫画版ではカタリナの成長に合わせて脳内会議のメンバーも外見が成長していたが、アニメ版のカタリナファイブはデフォルメ体型になっていることもあり、小さいままである。
スピンオフ
スピンオフ作品「絶体絶命破滅寸前編」のカタリナ・クラエスは、15歳の時に魔法学園でマリアをいじめている最中に頭を強打し、突如前世の記憶が蘇る。
価値観の変化で今までの自分がマリアへ酷いことをしていたこと、更に自らが迎える破滅フラグ(死亡or国外追放)まで残り1年もないことに気付いてしまう。
カタリナを含めた登場人物たちは乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』同様の性格・生い立ちを送ってきており、カタリナの変わりように周囲は、興味を抱く者、根は変わっていないと感じる者、気味悪がる者と様々である。
前世の記憶を思い出したのが遅かった本作のカタリナは、本編のカタリナと比べれば令嬢としてのマナーは身に着けているが、身のこなしは鈍い。
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