ジェルマ66とは、
1.漫画『ONE PIECE』に登場した海遊国家「ジェルマ王国」の保有する戦闘部隊の総称。
2.同じく『ONE PIECE』作中にて、世界経済新聞に掲載されている「海の戦士ソラ」に登場する悪の軍団。(1がモデル)
である。
1の概要
300年ほど前に北の海を武力で制圧しながらもその栄華がたった66日で終わり、今では領土を持たない海遊国家「ジェルマ王国」。
故郷の土も踏めぬかつての王達の亡霊の為、全てを奪った北の海諸国に復讐する為、現在の王であるヴィンスモーク・ジャッジが組織しているのがジェルマ66である。
組織形態としては総帥のジャッジがトップ。幹部には彼の4人の子供達が就いている。それ以外の一般兵士はほぼ男性で構成されており、全員同じと言っていいほどよく似ている(理由は後述)。戦闘員以外には、下記の科学力を維持するための機工担当者や給仕担当者などがいるが、領土を持たない国柄上、一時期王家七武海の部下として所属していた、ある能力者などに船の歯車などを狙われると、存続が危ぶまれるリスクもぬぐえない。
戦闘力
ジェルマ66の1番の特徴は、海遊国家の機動力を活かして世界各国の戦争に介入する「戦争屋」であること。
様々な特殊装備や超人的な身体能力は並みの国軍では相手にもならないほど。
更に強さ以上に恐れられているのが兵士全員が「命令に従順であること」と「死を恐れないこと」。総帥や幹部が命じれば即人の盾となり代わりに攻撃を受けたり、後ろから自身ごと貫かれるといった目隠しとして利用されて死ぬことも厭わない。
科学力
非人道的であり狂気そのものな組織を可能にしているのは科学の力。
まるで空島のダイヤルを用いた様な現象を起こす携帯武具開発は言うに及ばず。異常なまでの身体能力や性格形成も科学の力である。
ジャッジは元々ベガパンクと同じチームにいた科学者であり、ベガパンクが発見した「血統因子(DNAの様なもの)」を独自に研究してジェルマ66を拡充していった。(開発分野の違いはあるものの、同等の技術を持つ科学者、シーザー・クラウンと知人になったのも、この頃と思われる。)
死を厭わない兵士は、無尽蔵に同じ人を作り出せる「クローン技術」に、何があってもヴィンスモークの命令に従うプログラミングを施されて作られている。5年で20歳相当と比較的お手軽に成長し増える為、幹部以上も気兼ねなく死ぬ命令を下している。尚、兵士は自身がクローンであることは知らない。
この血統因子は幹部である我が子にも利用されており、一番上の姉レイジュ、四つ子の弟のうちの3人、イチジ・ニジ・ヨンジが影響を受けている。
全員に強靭な外骨格とまるで悪魔の実の様な特殊能力が発現。更に四つ子は性格も弄られており、戦争において妨げになる優しさや慈悲、死への恐怖が欠落している。その為、弱い人間に対しても容赦無く暴行を加え笑い飛ばし、逆に自分達の力だけではどう頑張っても死から逃げられない状況になったらそれすらも笑い飛ばすという不気味な行動もする。
死への恐怖が欠落している分、警戒心や慎重さがかすんでいるような一面も見受けられる。
(ただ、死への恐怖が欠落しているのか、良くも悪くも自己主張が少ないのか分かりづらい人物も約一名みられ、その人物は万国編のトラブルなどを経て、慢心などを抑えて攻めや撤退を図る冷静さ、護衛任務遂行を果たそうとする意識の高さという形で、ある程度、自分と折り合いをつけている。)
常軌を逸したこれら全ては「北の海諸国への復讐」の為であり、親子の情よりも優先すべき事としてジャッジ指揮の元日々進歩を続けている。
これに反対したのがジャッジの妻であるソラ。彼女が命を賭した結果、血統因子の操作を受け付けなかった唯一の存在が四つ子の1人、サンジである。
2の概要
世界経済新聞で長年掲載されている「海の戦士ソラ」にて、悪役として書かれている組織。
この作品、ざっくりいえば「海軍こそ正義である」を知らしめる為のプロパガンダ目的でしかない。一部のギャングやはみ出し者からは、その作中で様々な手を使って主役を翻弄する様に憧れる者もいたようだ。
あまりに有名な為、世間一般にはジェルマ66は「海遊国家の戦争屋」ではなく「お話の中の悪役」であり、モデルより知名度が高い。ただ、同じようなふるまいをしていたら、命や謝る時間などが幾らあっても足りない無敵の人などになりかねないので、情操教育用の反面教師役という一面も多少見られる。
余談
サンジの視点から見れば、幼少期に出来損ない故に兄弟から虐められ、虐待を受け、死んだ扱いにもされ、挙句親からも見捨てられたのに都合良く利用されるという仕打ちを受けており、良い親・良い兄弟とは口が裂けても言えない。
加えて、作中の戦闘では戦争屋としての実力を見せようにも苦境苦戦が続いた事もある他、一見すると良いところがあまり無いようにも思える。
しかし、同時に過去や発言の考察のしがいもある、不思議な魅力のある組織でもある。また、過程は省かれているものの、戦争泥沼化防止にある程度貢献し、戦争再発に繋がるような行動をとらずに去る描写があるため、改心や交渉などの余地があるとも考えられる。
万国(トットランド)編が終了してからの音沙汰はほぼ無いが、今後の展開を注視すべき組織であることは間違いない。
関連商品
関連項目
- ONE PIECE
- 暗君
- 2
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