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ドレスデン（Dresden）とは、ドイツ東部の大都市である。
概要
ドレスデンは、ドイツ連邦共和国の東部ザクセン州の州都である。人口は約52万人で、ドイツ全体では第11位。旧東ドイツ（ドイツ民主共和国；DDR）に属していた都市としてはベルリンに次ぐ第2位。ちなみに、第3位は同じザクセン州内のライプツィヒであるが、両都市間の人口差は殆どない。
実際の発音に近付けて「ドレースデン」と表記する場合もあるが、日本語では「ドレスデン」のほうが一般的。
エルベ川の河畔に位置し、ザクセン王国の首都として長らく繁栄してきた。王国時代に建てられたバロック様式の建築物が威容を誇っている。ただし、実際は第二次世界大戦で「ドレスデン大爆撃」と呼ばれる大空襲によって歴史的な建築物の大半は瓦礫の山となってしまい、現在の建物は戦後に（ものによっては21世紀に入ってから）修復されたものである。
市内の主な見所としては、ツヴィンガー宮殿、ザクセン州立歌劇場（ゼンパーオーパー）、聖母教会など。12月に開催されるクリスマス市は歴史も古く、世界的に有名。この時期は特に多くの観光客が集まってくる。
ドレスデン中央駅は、ベルリンからチェコの首都プラハに伸びている国際鉄道の中間駅となっている。また、ここからマイセンなどの近隣都市に移動することもできる。
地形
ドレスデンのすぐ南にはエルツ山地がある。Google地形図
、地形図画像、どちらを見ても
ドレスデンが山地を背後に抱えた都市だとわかる。
歴史を振り返っても、チェコの方面からエルツ山地を乗り越えて攻められた事がほとんど無い。
このため軍事的な注意はすべて北方だけに向ければ良く、君主の居住地として最適だった。
中世から現代に至るまでザクセン地方の政治の中心だった。
エルベ川の河畔に位置し、飲み水の確保も容易で、籠城しやすい。この点でも首都を置きやすかった。
その反面、つねにエルベ川の氾濫に悩まされる。洪水で水浸しになった画像も多い。
ドレスデンは「ドレスデン・エルベ渓谷」として2004年に世界遺産に登録されたが、
エルベ川に巨大な橋を架けたら「景観を損なった」と判定され、2009年に登録抹消されてしまった。
ちなみにエルベ川は先進地域と後進地域を分ける川として有名である。
エルベ川の西側は土地を所有した農家が多いが、エルベ川以東は農奴が多い。
エルベ川以西を西欧、エルベ川以東を東欧と呼ぶ慣習が長く続いてきた。
ザクセン州は一応、エルベ川の西側の一員として扱われている。
観光名所
合計6000トンの砂岩でできており真っ白い。1945年の爆撃で瓦礫の山と化したが住民は瓦礫を捨てず、
番号を付けて保存していた。東西ドイツ統一のあとは驚くべき勢いで再建築作業が行われ、瓦礫を使って
かつての姿を完璧に再現した。コンピュータを駆使して瓦礫がどこにあったかを突き止め、新しい石と
瓦礫をつなぎ合わせて建築した。瓦礫は焦げ付いていて、新しい石との違いが明らかである。
聖母教会はプロテスタント系だがこちらはカトリック教会。ドレスデンの君主はカトリック国ポーランドの
国王を兼ねることがあり、そのときはカトリックに改宗する必要があった。ドレスデンの君主のために
作られた教会。内部に大きいパイプオルガンがある。
1694年にザクセン選帝侯となったフリードリヒ・アウグスト1世（アウグスト強王）が作った。
この当時は木造建築が主流だったが、アウグスト強王は石造建築にするよう指示。
フランスのヴェルサイユ宮殿を模した巨大な庭園付きの宮殿になった。
12世紀からドレスデンの君主が代々使用してきた城。白い壁、赤い屋根、黒い塔、緑のドームが目印。
現在は美術館になっていて、歴代ドレスデン君主の集めた素晴らしい美術品が展示されている。
ドレスデン城の壁画。25000枚のマイセン磁器を使って1127～1873年のドレスデン君主を描いた。
マイセン磁器とドレスデン君主については面白い逸話がある。マイセンの記事を参照のこと。
金ピカの像。1945年の空爆にも持ちこたえ、瓦礫の中から見つかった。
ときおりこの像によじ登って像の剣を引っぺがしたり像にビール瓶を持たせようとする輩が現れる。
ザクセン州立オペラ劇場。内部はこのようになっている。ザクセン王が建設を命じ1841年に完成。
1843年からはワーグナーが指揮者を務め、「タンホイザー」の初演が行われた。現在も世界的に有名。
関連項目
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