ドレッドノートガンダム(ドレッドノート、Xアストレイ)とは、公式外伝「機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY」に登場するモビルスーツである。
本記事では改修機「ドレッドノートイータ」についても解説する。
ドレッドノート
DREADNAUGHT ドレッドノート |
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型番 | YMF-X000 |
全高 | 18.26m |
重量 | 67.50t (※ドラグーンユニットは含まず) |
装甲 | フェイズシフト装甲 |
搭乗者 | プレア・レヴェリー コートニー・ヒエロニムス |
備考 | ニュートロンジャマーキャンセラー ドラグーンシステム |
兵装 | MMI-GAU2 「ピクウス76mm近接防御機関砲×4 |
MA-M22Y 「ビームライフル」 |
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MA-MV04 「複合兵装防盾システム」 |
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XM1 「プリスティス ビームリーマー」 |
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ドラグーン・システム(ビーム砲)×10 |
ザフトが開発した史上初の核エンジンで駆動するニュートロンジャマーキャンセラー搭載機。
ザフト製ガンダムの第1号機でもあるドレッドノートは、連合のGのデータを基に開発を受けた。ベース機はMMI社が統合開発局を率いる形で開発されたゲイツだが、ドレッドノートに関してはクラーク、アジモフ、ハインラインの三設計局が共同開発する形となった。
ニュートロンジャマーの影響を無効化するニュートロンジャマーキャンセラー(以下NJC)の試作実験機であり、当時まだ研究段階にあったNJCを頭部へ組み込んでいる。
NJCと核ジェネレーターがドレッドノートに無尽蔵のエネルギーを与えるため、理論上は半永久的な活動が可能である。ただし、現段階だとあくまで試作段階で技術的に納得のいく仕上がりとは言い難く、ドレッドノート周辺の宙域をもNJCの効果範囲に巻き込んでしまうというマイナス面が残った。
本機は量子通信を応用した遠隔操作兵器「ドラグーン・システム」を搭載した初の機体でもある。ドラグーンは「ガンバレル」同様、高い空間認識力を持つパイロットを必要とするため、必然的に扱える者も限られてくる。
本機のテストは高い空間認識力を持つ「DESTINY MSV」のコートニーが担当しており、テスト相手を務めた劾をも圧倒していた。 機体性能もあるのだろうが、ガンバレル系誘導兵器の脅威が分かる描写である。
名称は『プラントの守護を担う勇敢な機体であれ』という意味が込められているが、開発現場には危険を伴う核を搭載したことに対して「こんな機体に乗る者は勇敢な人物だ」と、皮肉めいた説が伝わっているらしい。
- 「XM1 プリスティス ビームリーマー」
ゲイツのEEQ7R エクステンショナル・アレスターを改良した遠隔誘導兵装。
プリスティスは従来の有線兵器から発展した量子通信により無線コントロールが可能な武装である。ガンバレルのような有線と違い、ケーブル部分はビーム砲のロストを防ぐための物でしかないため、断線しても支障はない。
ドレッドノートを巡る思惑の錯綜
このドレッドノート、というよりそれに積まれたNJCは、この世界において特別な意味を持つシステムである。
NJCとそれを巡る情勢の変化により、ややこしい推移を辿ることになった。
というのもコズミック・イラでは、ザフトが撒いたニュートロンジャマーの影響で核エネルギーが無力化されており、地球の一部はエネルギー不足に陥りつつあったのだ。
そこで、プラント最高評議会の議長でクライン派(穏健派)筆頭、シーゲル・クラインは世界の今後を見据えてNJCを地球へ渡すことを決意し、エネルギー問題の改善に動く。
しかし、シーゲル本人にもNJCを地球へ渡す事が本当に正しいのか分からない(核兵器への転用を恐れた)ため、ドレッドノートの処遇に関して傭兵部隊『サーペントテール』に依頼し、事態の推移を見極める事を委ねた。
NJCを搭載したドレッドノートは、地球のマルキオ導師の基へ極秘裏に輸送される計画である。この時マルキオはプレア・レヴェリーという少年を本機の受け取り・輸送に遣わせている。
サーペントテールは現状、NJCを譲渡するべきでないと判断してドレッドノートの輸送船を襲撃し、ドレッドノートの頭部ユニット(NJC)を奪取。
その後、間もなくしてジャンク屋のロウ・ギュールが頭部を損失した本機とプレアを発見。プレアと頭部を奪われたドレッドノートは、ロウ達ジャンク屋が保護することになった。
連合のNJC量産成功
だが大西洋連邦がNJCのデータを入手したことによって、情勢は急激な変化を見せた。
このデータによって連合はNJCの開発に成功し、瞬く間に量産していった。 連合のNJC開発成功を知ったサーペントテールは、総体的に価値が薄れたドレッドノートの頭部ユニット(NJC)をプレアに返還。ロウ達ジャンク屋が組み立てたことでドレッドノートは再び核エンジン駆動のモビルスーツとなる。
ちなみに、このNJCのデータは「フレイ・アルスター」という人物により「戦争を終わらせるカギ」としてもたらされた物である。これ以降、連合は核ミサイルに頼る事となり、戦争は泥沼化していったのだが・・・。
Xアストレイ
NJC搭載ドレッドノートに「ドラグーンユニット」を接続した形態。武装などは上記のスペック表を参照。名称は機体背部のドラグーンユニットが“X”状であることから。また、プレアが示した「人を救うための兵器」という意思にも由来する。
ユニットを装着したドレッドノートは、搭乗者のプレアがカナード・パルスの心を救うために使用される。そのプレアの意思を汲んだロウは、人を殺める兵器としての邪道、つまり“道を外れた者”(アストレイ)と命名したのである。
ロウは関与した機体に「アストレイ」の名を付ける節があり、開発系列上「アストレイ」ではないモビルスーツもロウの影響で自然とこう呼ばれる。本機はそのアストレイの例外第1号。アストレイを冠する機体はほぼ無関係のケースも含まれるという、オーブからすると非常に厄介な事が起こっている。
シリーズの主役機『DESTINY ASTRAY』の「ガンダムアストレイ アウトフレーム」や、『Δ ASTRAY』の「デルタアストレイ」はこれに該当する。(ロウがいる限り増え続けるのだろうか・・・)
- 「ドラグーンユニット」
ドレッドノートの機体テストデータを基にしたオールレンジ兵装。“砂漠の虎”アンドリュー・バルトフェルドがもたらした設計データを参考に、ロウ・ギュールがアメノミハシラのファクトリーを借りて完成させた。
連合のガンバレルと違ってケーブルで繋がれているが、あくまでケーブルはパワー供給用であり、断線しても遠隔操作は可能。 また、ユニットはPS装甲のため、ケーブルから送られる電力でフェイズシフト化する。
ドレッドノートΗ(イータ)
DREADNAUGHT Η ドレッドノートΗ |
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型番 | YMF-X000A |
装甲 | フェイズシフト装甲 |
搭乗者 | カナード・パルス |
備考 | ニュートロンジャマーキャンセラー |
兵装 | MMI-GAU2 「ピクウス76mm近接防御機関砲」×4 |
MA-M22Y 「ビームライフル」 |
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ビームナイフ 「ロムテクニカRBWタイプ7001」 |
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40mm対空機関砲 「イーゲルシュテルンⅡ」 |
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長距離ビーム砲 / ビームソード×2 | |
グレネードランチャー | |
RFW-99ビームサブマシンガン 「ザスタバ・スティグマト」 |
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アルミューレ・リュミエール・ハンディ×2 |
『DESTINY ASTRAY』に登場するドレッドノートの改修機。
プレア死後、カナードに残された「Xアストレイ」をロウが改修した機体。
改修に大破した「ハイペリオンガンダム1号機」のパーツも使用されたため、本機はハイペリオンとドレッドノートのハイブリッド機となっている。
空間認識力が低いカナードが乗る為、ドラグーンユニットを撤廃して「イータユニット」を装備している。名称もユニットがギリシア文字のΗ(イータ)に見えることから。
もう一つの遠隔操作兵器である「プリスティス」も格闘用・防御用兵装として改修を受け、ドレッドノートの遠隔操作兵装は完全になくなったが、イータユニットにより防御性能と火力は強化されているので、完成度はかなり高い。
カナードは特務部隊「X」の仲間たちと傭兵職に身を置き、かつて敵対していたロウや劾、またジェス達と協力態勢を取る事もある。同作でプレアの幻影が現れることもあり、本機で戦闘をしていたカナードを導く描写も見られた(ちなみにプレアの幻影は風花の前にも現れている)。
「VS ASTRAY」ではカナードはカーボンヒューマンのプレアを追い求め、途中で遭遇したND-HEのゲイルストライクガンダムと交戦し、これを撃退。その後、プレア(カーボンヒューマン)のニクスプロヴィデンスガンダムと戦闘を行うも決着はつかなかった。
「Gジェネレーション_クロスレイズ」では全火器を同時展開した一斉射撃モードも搭載。誘導兵器によるピンポイント攻撃のXアストレイに対して面征圧のイータと云うべき描写がされている。なお同機にプレアを搭乗させると特殊セリフが発生する。
- 「アルミューレ・リュミエール・ハンディ」
プリスティス先端部にアルミューレ・リュミエール発生基部を組み込んだ装備。
腕部マウントラッチに装着して光波防御シールドを構成する。アルミューレ・リュミエールの応用で、グリップを持ち格闘武器(ビームランス)として使用することも可能。 - 「RFW-99ビームサブマシンガン ザスタバ・スティグマト」
上記のアルミューレ・リュミエール・ハンディ同様ハイペリオンから引き継いだ装備。機構はほぼそのままだがパワーセルのカートリッジであったマガジンを機体(核エンジン)との接続コネクタに転用。そのため弾数制限を解消している。 -
「イータユニット」
ロウが開発した“Η”状の多目的武装ユニット。
ユニットの基部を回転させることで、格闘戦と射撃戦に特化した2つの形態へ変化する。
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MS少女
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関連項目
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