ヘイムダルとは、
概要
昼夜を問わず遥か遠くまで見通せる眼と、芝が伸びる音や葉が落ちる音まで聞き取れる耳を持ち、また一切の睡眠を必要としない。このため神々の世界アスガルズと人間の世界ミズガルズを繋ぐ虹の橋「ビフレスト」を監視する役目を請け負っていて、ビフレストのたもとにあるヒミンビョルグ(Himinbjörg, 「天空の山」の意)という館に住んでいる。
角笛ギャッラルホルンの持ち主で、普段は世界樹ユグドラシルの根元にあるミーミルの泉に隠してある。巨人の軍勢がビフレストを渡り攻めてくるのを見つけるとこれを持ち出して吹き鳴らし、神々に最終戦争ラグナロクの始まりを告げる。その後の戦いでは、巨人側についた奸智の神ロキと戦って相討ちになると予言されている。
オーディンの息子(養子とも言われる)であり、9人の母から生まれたとされる。この9人の母は波の乙女と呼ばれる海神エーギルの娘たちだという。
様々な異名を持ち、「白きアース神(Hvítastr-Ása)」といわれたほか、全ての歯が純金だったために「黄金の歯を持つもの(Gullintanni)」とも呼ばれた。これらに加えて、「曲がった枝(Hallinskíði)」という別名も持っていたことや、古代北欧において「剣」のことを「ヘイムダルの頭」と表現したことなどから、鋭い角を生やし歯の黄色くなった牡羊の化身と考えられることもある。
グルトップ(Gulltoppr)という黄金の前髪を持つ馬を飼っていて、バルドルの葬儀の際はグルトップに乗って出向いたという。
人間の始祖リーグ
古エッダ『リーグの歌』に登場する人間の始祖リーグ(Rígr, Ríg)と同一視される。
リーグは年齢の異なる3組の夫婦の元を訪れてそれぞれの家で3晩泊まり、様々な助言を与えた。そしてそれぞれの夫婦が産んだ子供が、奴隷・自由農民・貴族という3つの階級の元となったという。
創作作品におけるヘイムダル
他の北欧神話の関連用語同様、いくつかの作品においてヘイムダルの名を見ることができる。
- 魔探偵ロキ
登場人物の一人。普段は東山和実という名の小学生で、主人公ロキを激しく憎んでいる。 - ゼノギアス
ゲーム中に登場する機械兵器「ギア」のひとつ。 - ヴァルキリープロファイルシリーズ
登場人物の一人。神話中の役割とほぼ同じ。 - ラグナロクオンライン
サーバーのうちのひとつ。 - ムダヅモ無き改革
麻雀牌の一つ七筒はヘイムダルが角笛を吹く姿を模して作られており、ゲルマン圏では神聖な牌として扱われる。
関連項目
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