メタルスレイダーグローリー(METAL SLADER GLORY)とは、HAL研究所発売のファミリーコンピュータ用SFアドベンチャーゲームである。後に、ニンテンドウパワーの書き換え専用スーパーファミコン用ソフトとしてディレクターズカット版が発売された。
概要
HAL研が4年の歳月をかけて製作し、1991年8月30日に発売されたアドベンチャーゲームの傑作である。
☆よしみる氏によるクセのありつつも美しいキャラクターを、岩田聡率いる当時のスタッフがドット絵で見事に表現し、ファミコンの限界を超えたと評されるクオリティの高さは、当時のゲームファンに大きな衝撃を与えた。ファミコン用ソフトでは唯一となる8Mbitカートリッジを採用している。
またメカニック描写もすばらしく、敵の襲来・撃墜、そして主砲同士の応酬など、当時のファミコンの常識を覆すほどのアニメーションが惜しみなく導入され、現在の目で見てもなお見応えのあるものに仕上がっている。
しかし当時はすでにスーパーファミコンの時代であり、ファミコン用ソフトであった本作は商業的には全くの失敗に終わり、結果的にHAL研の倒産を招いてしまった悲劇のソフトでもある。
長い間20000~30000円相当のプレミア価格のつくソフトとして知られていたが、2000年にニンテンドウパワーによる書き換えソフトとして、任天堂からディレクターズカット版が販売された(ハードはSFC)。ちなみに、これが書き換え用ソフトも含めた最後のSFC用ソフトである。
更に2007年には待望のバーチャルコンソールでの配信が実現し(BGMに関する権利問題で不可能といわれていた)、2008年にはファミコンソフトとしては前代未聞のドラマCD化が実現する。2013年にはファンブックが復刻され、2014年にはオリジナルサウンドトラックが発売。2015年7月にはWii UのバーチャルコンソールでもFC版が配信され、同年12月には長らく未配信だったディレクターズカットも配信されるなど、現在も各方面での展開が活発である。
今後もVC版やドラマCDを通じてファンのいっそうの拡大が見込まれるソフトである。
あらすじ
機械のオペレートを仕事とする青年、日向忠は、ある日妹のあずさ、ガールフレンドのエリナと共に、作業用のメタルギアームを買いに出かける。店長のゲンが勧める機体に乗り込み、パイロット認識用のスキャンを済ませると、機体の装甲が外れ、真の姿を現した。なんとそれは作業用ではなく、戦闘用のメタルスレイダーだったのだ。そしてコックピットには、
というメッセージが表示されたのである。忠、あずさ、エリナは「そうぞう主」を見つけ、メッセージの謎を解き明かすために宇宙へと旅立つのであった…。
メインキャラクター(CVはドラマCD版のもの)
- 日向忠(ひむかい ただし)
- CV:宮野真守
17歳。本作の主人公。見た目は普通の青年だが、シスコン呼ばわりされるほどの妹好きで、さらに女好き。メタルギアームやメタルスレイダーなど、機械の操縦は天才的。母・エイミアはあずさが生まれた後すぐに亡くなり、父・政忠(まさただ)も8年前の戦争で亡くすが、若い頃の政忠と現在の忠は非常に似ていたらしい。 - エリナ・ファーファ
- CV:柚木涼香
17歳。本作のヒロイン。忠の学生時代からの友人で、忠の世話をいつも焼いている。また忠ほどではないが、機械の操縦も得意。忠とは友人以上の関係だが、忠が女好きであるためヤキモチを焼くことも多い。家族全員が金髪である中自分一人だけが青髪(?)であることにコンプレックスがあるらしい。ちなみにサイズは上から88/58/99で、あずさに「おっぱいとおしりのあたりが太っている」と言われたことがある。 - 日向あずさ(ひむかい あずさ)
- CV:田村ゆかり
12歳で忠の妹。ピンクのセーラー服(をかたどった私服)にボーイッシュなショートヘアのミスマッチが可愛らしい少女であり、年齢の割には外見や言動が幼く見えるが、学校での成績は優秀。父の死を目の当たりにしてしまったショックで父の死前後の記憶を失っている。忠とは相思相愛のような関係で、自分のパンツを思いっきり見せた(ジャンプした際に偶然スカートがめくれた)ことを忠に注意された際に「かわいい?」と聞き返すほどである。そのためエリナには「危ない兄妹」と言われている。スリーサイズの設定は子供すぎるためか無し。 - シルキーヌ・マルソー
- CV:田中敦子
第35居住区の主任で金髪の美女。メタルスレイダーが稼働していたという8年前の戦争について忠たちから尋ねられるが、回答に窮していた。そしてその正体は…。スリーサイズの設定はなく、年齢も不明だが、30代という説がある。 - 小夜子(さよこ)
- CV:伊藤静
シルキーヌの秘書。黒髪に切れ長の目で、美人ではあるが冷たい印象を受ける。スリーサイズの設定は無し。 - 如月やよい(きさらぎ やよい)
- CV:今井麻美
16歳。如月千早の容姿と高槻やよいの性格を兼ね備えたような美少女。レストラン「ヴィヴァーチェ」でウェイトレスをしていたが、しつこくヴィヴァーチェやGLORYのことを聞いてくる忠たちに、急いでレストランを立ち去りとある場所へ行くように促した。サイズは上から73/52/78で、やはりというか、胸が小さいことが悩みらしい。 - キャティ・ヴィトレイ
- CV:折笠富美子
18歳。普段はハンバーガーショップ「マックベリーズ」で働いている眼鏡をかけた美女。しかし彼女にも裏の顔があった…。忠に好意があったらしく、エリナと忠の仲の良さを見せつけられて涙ぐむような場面がある。サイズは83/56/86。エリナよりも年上だがエリナより小柄である。 - 技・燕改(ぎ・えんかい)
- CV:代永翼
16歳。キャティの「裏の顔」におけるキャティの同僚(部下?)。まだ幼さが残る顔立ちのためか(実際、このメンバーの中ではあずさに次いで若い)、忠に「くん」付けで呼ばれていた。
その他
- 主人公が女好きな点、そして物語中にでてくる女性キャラが美人揃いであり、わざわざスリーサイズまで設定されているなどの点から、実はHAL研製の「ギャルゲー」ではないかと言われている。
- やよい、キャティ、チャーミー(序盤に登場)、ペトルーシュカ(序盤に登場)などは、☆よしみる氏の「持ちキャラ」であり、本作の原作といえる漫画「亜空転騒フィクサリア(1984年)」をはじめ、☆よしみる氏の描く漫画の一部にサブキャラクターとして登場している。
- 特にやよいとチャーミーは登場頻度が多く、本作では出番があまり多くないにもかかわらず人気がある(チャーミーに至ってはフィギュア(1986年・フィクサリア版)やガレージキット(制作年不明)が制作されたことがある)。髪型は時代と共に変化しているが(やよいは一時期三つ編みだったことがあり、チャーミーは本作に出るまではロングヘアーだった)、性格は基本的に変わっていない。
- 岩田聡が関わっているソフトの一つであり、彼が結果的にHAL研の社長、そして任天堂の社長に上り詰めるきっかけとなったソフトと言える。
- 『THE IDOLM@STER』の開発者の中に本作のファンがいるのではないかという指摘がある。たとえば本作に出て来る名前が『THE IDOLM@STER』にも登場していたり、しかも名前を受け継いだキャラクターの一部に関しては、「胸が小さいことを悩んでいる」という点まで受け継いでいることなどである。
- 上に関連してか、ドラマCD版では逆に名前ネタに便乗し、『THE IDOLM@STER』と本作で「胸が小さいことを悩んでいるキャラクター」に同じ声優を充てたりしている。
- ☆よしみるはキャラクターデザインのみならず、ストーリーや設定や世界観の構築も行なっており、いうなれば「原作者」の一人である。それゆえコミカライズなども自ら手がけているほか、ディレクターズカット版制作の際には、設定見直しやグラフィック面の調整その他などに、大きく尽力し関わっていた。
関連動画
紹介動画
プレイ動画
FC版
SFC版(ディレクターズカット)
BGM
MMD
MAD・パロディ等
関連項目
関連リンク
- メタルスレイダーグローリーディレクターズカット(任天堂公式サイト)
- メタルスレイダーグローリーVC版紹介(任天堂公式サイト)Wii版
- メタルスレイダーグローリーVC版紹介(任天堂公式サイト)Wii U版
- メタルスレイダーグローリーディレクターズカットVC版紹介(任天堂公式サイト)
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