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ヨーヨージャム(YoYoJam)とは、かつて存在したアメリカのヨーヨーメーカーである。
業務用ファンメーカー・Advaned Air International Inc.の関連会社。
概要
1998年創業。
Advanced Air International社長・Dale Bellが、本業の技術を活かしてヨーヨーを作り始めたのが発端。
本業である業務用扇風機の技術をヨーヨーに応用し、多種多様なヨーヨーを制作。
特に、金属リム搭載ヨーヨーはスリープ時間と安定性を劇的に向上させ、一躍トップシェアに躍り出た。
それ以外にも、多くのコンポジットマテリアル(複合材料)ヨーヨーを世に送り出している。
2010年代に入ると、ヨーヨーファクトリーやヨーヨーリクリエーションなどがトーナメントレベルのフルメタル機種を続々と発売し始め、ヨーヨージャムの先進性は薄れていった。
しかし、バイメタル機やオフストリング機を根強く生産し、一定の地位は得ていた。
2015年末で活動終了。原因は経営ではなく、デール・ベル社長の体調不良である。
特徴
コンポジットマテリアル技術
ヨーヨーは、外側が重い(慣性モーメントが大きい)ほどスリープ時間が長い。
単一材料の場合は、内部を空洞にしたり薄くすることで、慣性モーメントを稼いでいる。
しかし、外側に比重の大きい材料を配置すれば、より大きな慣性モーメントを得ることができる。
ヨーヨージャムはここに注目し、複合材料によるヨーヨーを多数開発した。
金属リム
同社最大の売れ筋。
90年代末には、すでに金属リングを内蔵した機種「スーパーヨー・レネゲイド」「スピンタスティクス・タイガーシャーク」などが世界大会で活躍していたが、ヨーヨージャムはこのリングを外側に配置したことが一線を画する。
初の外付け金属リム機種「ヨーヨージャム・スピンファクター」を世に送り出したことが、ジャムの評価を高める最大の要因となった。
材料は真鍮・アルミニウム・ステンレスなど。真鍮は安価で比重が大きいが、錆びやすく手に金属臭がつくため、のちにクロムでコーティングされた機種が多くなった。
現在は金属加工技術の向上により、ハイエンドの座は総金属製のヨーヨーに移っているが、金属リムは性能の割に安価であるため、中級者プレイヤーや数を揃える必要のあるプレイヤーに一定の支持を得ていた。
ルーピングヨーヨーも作られたが、「スリープ力は驚異的だが、ループが遅い」という両極端なヨーヨーになる。
そのため人を選ぶが、ループの安定性とスリープ力を求めるプレイヤーに好まれ、大会実績もある。
ヘヴィグラヴィティ
金属ではなく、金属を混合したプラスティック・ヘヴィグラヴィティ(HG)を外側に配置した機種。
金属リムは、比重が大きい反面、自由に形を作れない、削り屑が無駄になるなどの問題がある。
HGはそれらの問題を解決し、金属リムより安価に高性能なヨーヨーが作れるはずだった。
実際には、金属価格の高騰などでかえってコストが上がってしまい、最終的に金属リムと同じぐらいの価格になってしまっため、価格の優位面はなくなってしまった。
バイメタル
比重の小さい金属(アルミ・チタンなど)を本体に、比重の大きい金属(真鍮・ステンレスなど)を外側に配置する方法。
フルメタルの精度の高さと、金属リムの高慣性モーメントを両立させている。
現在、ストリングプレイタイプヨーヨーのハイエンド機で主流となっている技術である。
大径ベアリング
ストリングの上にヨーヨーを載せて滑らせたとき、ヨーヨーが回転力を失わずスムーズに動くことを「すべりがよい」という。
一般に、ベアリングの外径が(内径に対して)大きいほどすべりがよい。
外径が大きい方が、内径の摩擦に対し、より大きな力のモーメントをかけられるからである。
そのため、「ヨーヨージャム・パトリオット」以降、ジャムのストリングトリックタイプのヨーヨーでは、多くが「ジャム大径サイズ」と呼ばれるとても大きなサイズのベアリングを使うようになった。
ハイパーヨーヨーから復帰したプレイヤーにとって、最も面食らうのがベアリングの大きさだろう。
現在では、他社でもジャム大径サイズがデファクトスタンダードになっているが、インチサイズであるため、日本では市販されていないことがほとんどである。ヨーヨー専門店で購入すること。
なお、ベアリングサイズが大きいとスリープ時間が短くなってしまうが、金属リムの回転力に比べれば些細なものなので、フリースタイルに使うのであれば特に気にされない。
スリープ時間を競う競技では問題になることがあるため、「ヨーヨージャム・メガスピンファクター2.2」など、スリープレコード専用機種は小径ベアリングが用いられる。
シグネイチャー制度
もう一つの特徴は、シグネイチャー制度である。
ヨーヨーのシグネイチャーモデルといえば、かつては既存のヨーヨーに有名プレイヤーの名前を刻印したものばかりだった。しかし、ヨーヨージャムのシグネイチャーモデルは、所属プレイヤーの意見を聞いて、専用モデルを制作する。
当時ジャムに所属していたプレイヤーは、世界でもトップクラスのプレイヤーばかりであり、彼らと同じモデルが手に入るということが当時のプレイヤーたちの憧れにもなった。
現在では、他のメーカーも専用のシグネイチャー機種を出すようになった。
また、ヨーヨージャムでの経験を活かし、独立してヨーヨーブランドを立ち上げたプレイヤーもいる。
製品
ストリング
- カン・ジャム
-
ドラゴンジャム
- スピンファクター
- ウィキッドファクター
- スピンファクター2
- スーパースピンファクター
- DJ
- スピンファクターヘヴィグラヴィティ
- スピンファクターX
- コッパーヘッド
- トリプルジャム 【Sig:鈴木裕之, John Narum, Benjamin Conde】
- ブラックゴールド
- ビッグカフナ
- プロジャム
- ジャムブー
- ビル・デボイスブランクフリースタイル 【Sig:Bill de Boisblanc】
- マトリックス 【Sig:Bill de Boisblanc】
- ヴェクスト 【Sig:Bill de Boisblanc】
- ベンジャミン 【Sig:Benjamin Conde】
- ビッグベン 【Sig:Benjamin Conde】
- ビガーベン 【Sig:Benjamin Conde】
- スーパーサイエンティスト 【Sig:Doctor Popular】
- スーパーセルアウト 【Sig:Doctor Popular】
- ボルト 【Sig:Doctor Popular】
- ファットボーイ 【Sig:Rick Wyatt】
- ファットファクター 【Sig:Rick Wyatt】
- メガスピンファクター 【Sig:Rick Wyatt】
- メガスピンファクター2 【Sig:Rick Wyatt】
- メガスピンファクター2.2 【Sig:Rick Wyatt】
- キックサイド 【Sig:Rick Wyatt】
- ショックウェーブ 【Sig:Cody Taylor】
- ショックウェーブ2 【Sig:Cody Taylor】
- ショックウェーブ3 【Sig:Cody Taylor】
- スピンマスター 【Sig:Brent Dellinger】
- スピンマスター2 【Sig:Brent Dellinger】
- スピンマスター3 【Sig:Brent Dellinger】
- ブラックノヴァ 【Sig:石黒友也】
- クレシア 【Sig:石黒友也】
- スピーダー 【Sig:鈴木裕之】
- スピーダー2 【Sig:鈴木裕之】
- スピードメーカー 【Sig:鈴木裕之】
- フェノム 【Sig:鈴木裕之】
- フェノミズム 【Sig:鈴木裕之】
- ミーティア 【Sig:鈴木裕之】
- チェイサー 【Sig:鈴木裕之】
- メタルチェイサー 【Sig:鈴木裕之】
- シグマブレード 【Sig:島田大輔】
- シグマブレードツヴァイ 【Sig:島田大輔】
- ミニモトリックス【Sig:Mo Chavez】
- ミニ Mo-Tu 【Sig:Mo Chavez】
- Maxi-Mo 【Sig:Mo Chavez】
- Micro-Mo 【Sig:Mo Chavez】
- リンフューリー 【Sig:Johnnie Delvalle】
- トリガー 【Sig:Johnnie Delvalle】
- ヒットマン 【Sig:Johnnie Delvalle】
- ハイブリッドヒットマン 【Sig:Johnnie Delvalle】
- X-Con 【Sig:Johnnie Delvalle】
- X-Con Pro 【Sig:Johnnie Delvalle】
- X-ConVict 【Sig:Johnnie Delvalle】
- ヒットマンプロフェッショナル 【Sig:Johnnie Delvalle】
- ヒットマンX 【Sig:Johnnie Delvalle】
- ダークマジック 【Sig:André Boulay】
- ダークマジック2 【Sig:André Boulay】
- レガシー 【Sig:André Boulay】
- レガシー2 【Sig:André Boulay】
- レガシー3 【Sig:André Boulay】
- ブラックナイト 【Sig:John Narum】
- インスパイア 【Sig:John Narum】
- ケルベロス 【Sig:Yoshi Mikamoto】
- ヴィジランテ 【Sig:Mikhail Tulabut】
- アトモスフィア 【Sig:沼上誠】
- デスティニー 【Sig:松浦豪】
- Ai 【Sig:松浦豪】
- C-Force 【Sig:Alex Hattori】
- ビッグヨー
- ビッグヨー2
- シリウス 【Sig:Nathan Crissey】
- SR-71 【Sig:Nathan Crissey】
- ナイトムーブズ 【Sig:Dale Bell】
- ナイトムーブズ2 【Sig:Dale Bell】
- ナイトムーブズ3 【Sig:Dale Bell】
- ナイトムーブズ4 【Sig:Dale Bell】
- ナイトムーブズ5 【Sig:Dale Bell】
- ナイトムーブズ6 【Sig:荒牧淳】
- ナイトムーブズ7 【Sig:Dale Bell】
- マタドール 【Sig:Jennifer Baybrook】
- K-OS 【Sig:Eric Koloski】
- K-OS Extreme 【Sig:Eric Koloski】
- シンセシス
- パトリオット
- ジャーニー
- プレリュード
- ピナクル
- クラシック
- セオリー
- サージ
ルーピング
- ザ・ジャム
- スピンジャマー
- ハリケーン
- バンディット 【Sig:David Brunner】
- ゲイタージャム 【Sig:Jon Gates】
- ビル・デボイスブランクトラジェクトリー 【Sig:Bill de Boisblanc】
- サンセットトラジェクトリー 【Sig:Bill de Boisblanc, Dave Geigle】
- サンセットトラジェクトリーNXG 【Sig:Bill de Boisblanc, Dave Geigle】
- ハリケーンカマイタチ
- レリック 【Sig:Jennifer Baybrook】
- アンリーシュト 【Sig:Joseph Harris】
オフストリング
- OS1
- アクエリアス 【Sig:三居弘典】
- EVO 【Sig:Cody Taylor】
- フリーエージェント 【Sig:Cody Taylor】
- スペシャルエージェント 【Sig:Cody Taylor】
- フィエスタ 【Sig:Bryan Figueroa】
- フィエスタXX 【Sig:Bryan Figueroa】
- フィエスタ・トレス 【Sig:Bryan Figueroa】
- イクイノックス 【Sig:John Narum】
- レクストリーム 【Sig:岩倉玲】
- レクストリーム2 【Sig:岩倉玲】
- レクストリーム3 【Sig:岩倉玲】
- ゴービッグ 【Sig:Benjamin Conde】
旧所属プレイヤー
→は現所属。
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精神的続編
惜しまれつつも終了してしまったメーカーのため、ヨーヨージャムの元所属プレイヤーや熱狂的ファンにより、ヨーヨージャムの精神的続編ともいえるヨーヨーが発売されている。
ジャム自体は解散したものの、親会社の扇風機メーカーは現存しており、基本的にはヨーヨージャムおよび(ある場合は)シグネイチャー元の許可を得た上で販売されている。
また、自分の新シグネイチャーとして発売予定だったが、開発の順番待ちが多いために独立して開発したヨーヨーも存在する。
以下に、ヨーヨージャムのオマージュ色が強いヨーヨーを示す。
これ以外にもヨーヨージャムの特定機種を強く意識した機種は多い。
ヨーヨー | 元になったヨーヨー |
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関連項目
- ヨーヨー
- ヨーヨージョーカー 元チームメンバー・島田大輔のメーカー。ナイトムーヴズ6の設計に関わる。
- ヨーヨーアディクト 元チームメンバー・鈴木裕之のショップ・ブランド。
- シュトルム・パンツァー 熱狂的ジャムファンが設立したメーカー。公認同人ヨーヨー・NM9を発売。
- iYoYo 元チームメンバー・Dave Geigleのメーカー。「iYoYo・スピンマスターX」を発売。
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