リンゴ・スター(Ringo Starr)とは、イングランドのリヴァプール出身のミュージシャン。元ビートルズのドラマーである。
概要
本名リチャード・スターキー(Richard Starkey)。1940年7月7日生まれ。
3歳のときに両親が離婚し、ながらく母子家庭で育つ。学生時代は病弱であり、長期の入院をするなどしたために有意義な学生生活とはならなかった。その後職を転々とする生活を送りながらもドラムに没頭。プロドラマーへの道を歩んでゆく。
もともとは『ロリー・ストーム&ザ・ハリケーンズ』という別のバンドのドラマーをしていたが、ビートルズのデビュー直前の1962年8月に当時のメンバーであったピート・ベストと入れ替わる形で加入した。ビートルズと出会ったときにはすでにリヴァプールではトップレベルのドラマーであり、どのバンドもリンゴを欲しがっていたという。
1965年には彼のファンであったモーリン・コックスと結婚し、彼女との間に長男ザック(父と同様プロのドラマーとなる)をもうける。しかし76年に離婚。のちに現在の妻である、バーバラ・バックと再婚する。
ビートルズの解散後はソロ活動を続け、シングル・アルバム共に順調にヒットをとばした。ビートルズの中でも最も穏やかな人格者で知られ、解散後もリンゴだけは他のメンバーと良好な関係を持ち続けており、彼のソロアルバムはそれぞれのメンバーから協力を得ている。
70年代後半からは売り上げの不振や、アルコール依存症に悩まされるなど不遇の時代があるもそこから復活。1996年にはリンゴ自身が「りんご すった~」という駄洒落を言う日本の宝酒造「すりおろしりんご」のCMに出演し大きな話題を呼んだ。その後は不定期ながらもバンドを組んでツアー活動を行うなど、マイペースな活動が行われている。
ビートルズ内での音楽面
ビートルズ時代には、作詞作曲した曲、リードボーカルを務めた曲、ともにビートルズの4人の中では最も少ない。
(リードボーカルの比率では、ジョン4 : ポール4 : ジョージ1.5 : リンゴ0.5 程度)
しかしほのぼのとした優しい声は最も聴き分けがつきやすい。
リードを務めた曲の中では、シングルで大ヒットした「イエロー・サブマリン」のみが目立ってよく知られている。
一方演奏面では、ポールのベースと並んで話題になることが多く、高く評価する声が大きい。
手数等の技巧では後のスーパードラマー達と比べるべくもないが、曲のコンセプトによって全く異なるノリを構築する"間"の作り方の器用さ、引き出しの多彩さは特筆すべきものがあり、中期以降に多くみられるルーズにハネまくる後ノリも当時としては先進的だった。
見た目にもスティックを「∞」の字のように滑らせる独特なハイハットワークなど華がある。
やや多用しすぎるきらいもあるが、斬新ながら実に的確なタイミングで切れ込むフィルにもファンが多い。
ドラムソロ等には興味もあまりなかったようで、目立ったことはやっていない。
きかんしゃトーマスに纏わるエピドード
1984年にイギリスで放送が始まった「きかんしゃトーマス」で初代ナレーターを務め、本国でその反響を呼んだ。担当した時期は第1期と第2期のみであるが、それでもイギリス国内ではそのイメージが根強く、日本のビートルズファンの間でも伝説として語り継がれている。1989年にアメリカでは子供向け番組「シャイニングタイムステーション」の1コーナーとして放送が始まった際は初代ミスター・コンダクターと米国版のナレーターも兼任していた。第1期第19話「フライング・キッパー」の回を見ると、彼の顔を模した作業員が紛れているので是非見てもらいたい。
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