レッドリヴェールとは、2011年生まれのJRA所属の元競走馬である。黒鹿毛の牝馬。
主な勝ち鞍
2013年:阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)、札幌2歳ステークス(GIII)
概要
2011年2月19日に北海道千歳市の社台ファームで生まれた。
父はステイゴールド。現役時代に香港ヴァーズなどを制している。代表産駒はオルフェーヴル、ドリームジャーニー、ゴールドシップなど。
母はディソサード(Desaucered) 。産駒にベンジャミンS(OP)を勝利したサードニックスが居る。本馬が初重賞馬。
母父はDixieland Band(ディキシーランドバンド)。現役は米国ダートGIIを2勝。デルタブルースの母父でもあり、2004年の米国リーディングブルードメアサイアー。産駒から英国GI馬も出ている。
血統的にはNorthen Dancerの5×3×5、Cosmahの4×5、Turn-toの5×5のインブリードが掛かっている。
馬主は東京ホースレーシング。
所属厩舎は栗東の須貝尚介厩舎。ゴールドシップと同じ厩舎で同じスタッフが担当している。
アルファベット表記だとRed Reveur。馬名意味は「冠名+夢見る人(仏語)。華やかな舞台を夢見て」
2歳(2013年)
初戦は2013年6月1日の阪神1600m芝。2013年2歳新馬戦の開幕戦である(時刻的にも東京より早い)。
レース登録前の想定で出走馬が超少頭数となっており、動きの悪くなかったレッドリヴェールは当初の予定より3週間も早くデビューさせる運びとなった。そのため仕上げを懸念する声も聞かれたが、上がり3ハロン33.3秒という末脚で勝利した。
次走は8月31日に札幌競馬場が改修工事中のため函館競馬場で行われた札幌2歳S(GIII・芝1800m)。
不良馬場という用語では物足りないほどの最悪な馬場でのレースとなった。
レースはやや後方を追走。3コーナー手前で仕掛け、馬群の中央を割って上がると直線では2馬身差ほどの2番手。残り100m付近で並びかけ先頭に立ったが、2頭の叩き合いとなり勢い衰えずクビ差を守ったまま1着でゴール。
1分59秒7とタイムだけなら2000mでも走っているのかと思うほど。鞍上の岩田騎手は「良馬場なら他の馬と比べ物にならないキレが出るんじゃないか」と不良馬場ですら発揮できた末脚を高く評価した。
レース後はすぐ放牧。ぶっつけ本番での阪神JF参戦とした。
阪神JFの前評判は、3ヶ月以上空いたレース間隔、ハープスター・ホウライアキコら無敗で圧倒的なパフォーマンスで重賞を制してきたハイレベルな牝馬たち、全勝と言えど5頭立ての新馬戦と超道悪の重賞しかもクビ差、前走426kgと元々小柄な馬体に更に-8kgという体重変動。
多くの競馬ファンも新聞記者もその不安と疑念を持ち、予想の印もオッズも4~5番手評価に甘んじていた。
レースは好スタートから馬群の中段ど真ん中で進め、そのまま直線までリズム良くレースを進めた。
直線に入って残り400m付近で外へと持ち出し前を捉えにかかる。じわじわと伸び、残り200mで先頭のフォーエバーモアに並ぼうとすると、その間から1番人気のハープスターが突っ込んできて3頭並んでゴールイン。
首の上げ下げが順位を左右する大接戦となった。写真判定の結果、約5cm差でレッドリヴェールがハープスターとのハナ差勝負を制した。勝利騎手インタビューでは根性と勝負強さと乗りやすさがこの馬の良い点だと語っている。
鞍上の戸崎圭太騎手はリアルインパクトで安田記念を制しているがJRAに移籍してからは初GI勝利。
須貝尚介調教師にとって昨年のローブティサージュに続き連覇。ステイゴールド産駒の牝馬としては初のG1勝利。
阪神ジュベナイルフィリーズに勝利したことによりJRA賞の最優秀2歳牝馬を受賞。
全280票中279票を獲得した(残り1票はハープスター)。
3歳(2014年)
年明けはトライアル競走を使わずに桜花賞に直行。過去に年明け初戦で桜花賞を勝利した馬はおらず不安視されつつも、札幌2歳S・阪神JFと休養明けで連勝したことからジンクスを乗り越えてくれるのではないかとの期待もされた。
そして迎えた桜花賞。体重は前走の阪神JFと変わらず418kg。
レースは中段後方から。直線に向いたところでは大逃げしたフクノドリームとかなりの差がついておりハープスター共々心配されたが、持ち味のキレる脚で猛烈な追い込みをした。最後はハープスターとの差し脚勝負となり僅差で初の敗北となった。しかし、阪神ジュベナイルフィリーズの1着は実力であることを証明し、ハープスターと同等の力量を持っていることを見せつけた。
次いで、G1戦績が同じウオッカの道を辿るかのように、オークスを回避して日本ダービーに挑戦。
鞍上は福永騎手に乗り変わるが、12着に惨敗。凱旋門賞行きもちらつかせていたがそれも白紙となった。
2021年にサトノレイナスが挑戦した頃には忘れられて「ウオッカ以来の挑戦」と言われてしまうこともしばしばだったが、ちょうどウオッカの7年後、サトノレイナスの7年前のことである。
秋初戦はローズSで、ここでは初の1番人気に支持された。しかしここでは6着となった。本番のG1秋華賞でも伸び悩み6着、エリザベス女王杯では16着と惨敗を喫した。
4歳以降
4歳時は阪神牝馬Sから始動して6着、ヴィクトリアマイルでは4着、クイーンSでは2着の勝ち切れないまでもそれなりのレースが続いた。しかし府中牝馬Sでは15着、マイルCSでも15着、ターコイズSでも15着と燃え尽きたようになった。
5歳時の阪神牝馬S12着、ヴィクトリアマイル14着のあとクイーンSでは4着と久々に好走したがここまでで、札幌記念では16頭立ての16着最下位と終わり引退となった。
2018年にはモーリスの子を産んだが感染症により未出走で引退。2019年にはスクリーンヒーロー、2020年は再びモーリスを付けられている。
血統表
ステイゴールド 1994 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
ゴールデンサッシュ 1988 栗毛 |
*ディクタス | Sanctus | |
Dronic | |||
ダイナサッシュ | *ノーザンテースト | ||
*ロイヤルサッシュ | |||
*ディソサード 1991 鹿毛 FNo.2-d |
Dixieland Band 1980 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Mississippi Mud | Delta Judge | ||
Sand Buggy | |||
I'm Out 1986 栗毛 |
Lord Gaylord | Sir Gaylord | |
Miss Glamour Gal | |||
*ダンシングフリー | Dancing Count | ||
Flamingo Way | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 5×3×5(18.75%)、Cosmah 4×5(9.38%)、Turn-to 5×5(6.25%)、Almahmoud 5×5(6.25%)
関連動画
関連項目
外部リンク
- 2
- 0pt