公道カートとは、公道を走行するレーシングカート(ゴーカート)のこと。
概要
ボディーのない一人乗りの自動車にナンバープレートをつけて公道を走れるようにしたもの。ビジュアルは遊園地にあるゴーカートを思い浮かべていただけると分かりやすいはず。
道路交通法ではミニカー(原動機付自動車)に分類される。公道を走るため、走行には普通自動車以上の運転免許が必要になる。
大体50cc程度の原付と同じエンジンを積んでいるが、原付バイクと違い、二段階右折や30キロ制限がない。ヘルメットの着用義務も、シートベルトの着用義務もない。車検もない。
免許
日本人
走行には普通免許が必要。エンジンが原付でも原付免許では運転できない点に注意。
外国人
道路交通に関する条約(以下「条約」という。)第二十四条第一項の運転免許証(第百七条の七第一項の国外運転免許証を除く。)で条約附属書九若しくは条約附属書十に定める様式に合致したもの(以下この条において「国際運転免許証」という。)又は自動車等の運転に関する本邦の域外にある国若しくは地域(国際運転免許証を発給していない国又は地域であつて、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図る上で我が国と同等の水準にあると認められる運転免許の制度を有している国又は地域として政令で定めるものに限る。)の行政庁若しくは権限のある機関の免許に係る運転免許証(日本語による翻訳文で政令で定める者が作成したものが添付されているものに限る。以下この条において「外国運転免許証」という。)を所持する者(第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当する者を除く。)は、第六十四条第一項の規定にかかわらず、本邦に上陸(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)に基づき住民基本台帳に記録されている者が出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第六十条第一項の規定による出国の確認、同法第二十六条第一項の規定による再入国の許可(同法第二十六条の二第一項(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第二十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定により出入国管理及び難民認定法第二十六条第一項の規定による再入国の許可を受けたものとみなされる場合を含む。)又は出入国管理及び難民認定法第六十一条の二の十二第一項の規定による難民旅行証明書の交付を受けて出国し、当該出国の日から三月に満たない期間内に再び本邦に上陸した場合における当該上陸を除く。第百十七条の二の二第一号において同じ。)をした日から起算して一年間、当該国際運転免許証又は外国運転免許証(以下「国際運転免許証等」という。)で運転することができることとされている自動車等を運転することができる。
ただし、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で、旅客自動車を運転し若しくは牽けん引自動車によつて旅客用車両を牽けん引して当該牽けん引自動車を運転する場合、又は代行運転普通自動車を運転する場合は、この限りでない。
日本で公道カートを運転しているのはほとんど外国人観光客と言われている。近年では渋谷や秋葉原で外国人がマリオカートみたいなカートを運転している姿を見かけることもしばしばだ。
前述の通り、日本で公道カートを運転しようとすると必ず日本の運転免許証が必要になる。したがって日本の免許を持たない外国人は、たとえ自国の運転免許証を持っていたとしても、原則として公道カートを運転することができない(そりゃそうだ)。
ただし、日本はジュネーヴ道路交通条約に加盟しているので、同条約の加盟国・加盟地域が発行した運転免許証と日本語の翻訳文を持っているなら、日本で公道カートを運転することができる。(入国から一年間のみだが、旅行客のほとんどは一年も日本に滞在しないのでまあ大丈夫だろう)
この条約を締結していない国であっても、個別に政令で定められた国の免許証を持っていれば同様にカートを運転することができる。2018年現在はスイス、スロベニア、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ、台湾、エストニアの免許証が有効。
海外の知人を呼んで公道カートに乗ろうと思っているなら、相手の持っている運転免許証が日本で有効なものかどうか、日本語による翻訳文を添付しているかどうかを確認しよう。
問題点
公道カートに使われる車両は、ほとんどが車高が低くて小さい。トラックなどの大型車の死角に入りやすく、気づかれずに追突される危険がある。
エアバックがなく背もたれが低いものがほとんどで、万が一事故が起きると重大なケガを負いかねない。
国土交通省では現在、高さ1mほどの構造にすることや車両上部に赤の尾灯をつける、ヘッドレストやエアバッグつきハンドルなどの装備を義務付ける法改正を行うための審議を行っている。
安全性とは関係ないが、業界大手の「マリカー」は、客(大半が外国人旅行者)にマリオなどの任天堂キャラクターのコスチュームを貸し出し、マリオカートさながらの公道カートを貸し出すというビジネスを展開して任天堂から訴えられる騒ぎを起こし、社名が一躍日本人にも知られるようになるということがあった。結局東京地裁判決ではMARIモビリティ開発社(結審前にマリカーから改称)に対してマリオ等の衣装の貸し出しの禁止や賠償金の支払い命令が言い渡され、マリオカートの真似をすることができなくなった。ただしこの裁判の判決文においても任天堂の主張が全面的に認められたわけではなく、またMARIモビリティ開発もこの判決を不服として2018年9月28日に控訴した[1]。その後、2020年1月には2審の知的財産高等裁判所でも1審同様に任天堂の主張を認めてMARIモビリティ開発社に各種行為の禁止や賠償金の支払い命令が言い渡された。さらにMARIモビリティ開発社による上告の試みも2020年12月に最高裁によって棄却されたため、任天堂の勝訴が確定した。[2]
筆者もマリカー社のカートを運転する外国人を何度も見たことがあるが、最近では任天堂のキャラクターが使えなくなったことにより、今度はディズニーのキャラクターコスチュームを貸し出すようになったとの噂がある。裁判が好きなのかな?
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関連項目
脚注
- *「任天堂vsマリカー」判決文公開、詳細明らかに…著作権侵害には踏み込まず - 弁護士ドットコム
- *「マリカー」訴訟、任天堂側の勝訴が確定。MARIモビリティ開発側に5,000万円の賠償 - GAME Watch
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- ページ番号: 5543199
- リビジョン番号: 2873506
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