歌アフレコとは、アニメ作品等において台詞のアフレコの際に、歌をアフレコすることである。
概要
アニメ作品などの挿入歌は、あらかじめ別撮りした音源を使うのが一般的である。それに対し歌アフレコは、挿入歌を別音源で流さず、アフレコスタジオで「普通の台詞のアフレコのようにアニメーションを見ながら歌う」という収録方法である。
これにより、歌っているキャラクターの精神面や置かれた状況など、シーンに合わせて歌い方などを変えられ、よりリアルで臨場感のある描写が行えるのが、最大のメリットである。
しかしその一方で、通常のアフレコスタジオの機材では複数人が同時に歌うのが困難で、さらに歌を歌う声優にも「ノイズを立てず、絵を見てキャラの演技をしながら」という状況の中で、歌を歌うというという、他のアニメにはない大きな負担が掛かるという問題も存在する。
「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズにおける歌アフレコ
この歌アフレコという手法が用いられたアニメで有名なのが「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズである。
当シリーズは、「シンフォギアシステム」という歌を力に変えて戦うシステムによって変身した少女たちが、大きな敵に立ち向かっていくという作品であるが、シンフォギアシステムが「歌を力に変える」という性質上、変身した少女たちは常に歌を歌いながら戦うのが最大の特徴である。
そのため、この戦闘時の挿入歌を歌アフレコで収録したことによって、「歌っている途中で攻撃を受けて声が裏返る」「攻撃時に歌いながら絶叫する」「台詞を話している間は伴奏のみとなる」等、歌を歌いながら戦うということに対して臨場感が大きく増す結果となった。
当初は普通に録音したものを使う予定であったが、第1期収録時に天羽奏役の高山みなみから自身の演じるキャラの戦闘シーンについて「(CD音源では)絵と合わない気がする。できるかどうかわからないが(アフレコブースで)絵に合うように歌ってみたい」という旨の提案がされ、実際にやってみたところスタッフ大絶賛なものができたため以後この手法を使うようになった。
他の演者からすれば大きな負担がかかる「置き土産」となったワケダがその結果、多くの視聴者からこの歌アフレコとそれに噛み合った作風・設定が評価されることとなり、この歌アフレコも、シンフォギアシリーズが5年以上にわたるビッグコンテンツに成長する要因の一つとなったといっても過言ではないだろう。
はじめは、通常アフレコ後に個別で歌を収録しており、デュエット曲などでは各キャラのパートごとに録ったものを後で合わせるという手法がとられていた。後に新機材が次々に導入され、 3期では複数人同時収録が、4期では通常アフレコと同時に歌アフレコの収録が可能になった。
こうしてシンフォギアシリーズは歌アフレコを用いたアニメの代表格となったワケダが、歌アフレコ自体あまり前例のない収録手法だったため、キャストやアフレコ現場のスタッフが手探りで作り上げていく等、相当苦労したそうだ。アフレコ現場では声優陣によって数多くの逸話が残されたことがラジオや雑誌インタビュー、Twitter等で明かされている。
歌アフレコの収録現場における逸話(「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズ編)
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https://twitter.com/agematsu/status/343723191581147139 - 全力で演じきって息を切らして、OKまで貰っていても、もっと上手くできるはずとリテイクを重ねる。
- 現場に行く前に買った500mlペットボトルのスポーツドリンク3本がその日の収録終了の時点で全部空になる。
- あまりの熱量に現場が酸素不足に陥り、キャスト陣に皮膚呼吸のスキルを要求される事態になる。
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